新装版 青葉繁れる (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 269
感想 : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167111267

作品紹介・あらすじ

「あげな女子と話ができたらなんぼええべねす」…東北一の名門校の落ちこぼれである稔、ユッヘ、デコ、ジャナリの四人組と、東京からの転校生、俊介がまき起こす珍事件の数々。戦後まもない頃、恋に悩み、権力に抗い、伸びやかに芽吹く高校生たちの青春を生き生きと描く。ユーモアと反骨精神に満ちた青春文学の傑作。

感想・レビュー・書評

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  •  主人公達の通う高校の卒業生として読みたいと思っていた。井上ひさしは大先輩として高校に通っていた時から名前は何度も聞いていた。作中で出てくる応援歌一番!自分が通っていたころはもうこの小説とはだいぶ雰囲気も変わっていたが受け継いでいたところもたくさんあり小説を読みながら懐かしくなった。特にチョロ松(校長先生)が…一高生には涙もの。
     今だと大問題になりそうなこともあるが時代が時代ということだろう。それがいいというわけでもないが、今の方がいいとも一概には言えない。

  • なんだろうか、この痛快な青春小説の後ろにある得体のしれない闇は。大人に噛みついたり、大人のだらしなさを笑い飛ばしたり、大人を真似て酒を呑んだりしながら、戦後の混沌としたモラルが透けて見える。性的なものに関する少年たちの憧れを描きながら、一方で現実には性風俗の暴力的な描写が挟まれている。切ないが、それを笑い飛ばすような乾いた笑いが主人公たちにある。

  • 若さという強さと弱さを、惜しげもなく、そして恥ずかしげもなく押し出したThe青春小説。それをただの「青い話」で終わらせないのが井上ひさし氏の日本語の巧。特に終盤の描写は、それまでの流れを全て収斂し、不思議な涙を誘います。

  • 初めて読んだ井上ひさし作品。
    図書館で立ち読みしたところ、シーンとした館内で何度も笑い声が漏れそうになり途中で断念しました(続きは購入して自宅で)。

    終戦から数年経った仙台の、名門校の落ちこぼれ5人組を中心とする青春小説。
    全編が仙台弁での会話で、仙台に生まれ育った私は楽しく読みましたが、他(東北以外)の地域の方には読みにくい(分かりにくい)かもしれません。
    とにかく一つ一つの言葉にユーモア満載。おバカな主人公たちを始めそれを取り巻く登場人物も個性があり魅力的です。
    主人公たち一高生とお隣の二女高生が合同で劇をやるエピソードと、「それじゃ初雪だっぺ」がお気に入り。

  • 井上ひさしの青春記 宮城県立仙台一高時代へのオマージュ 若尾文子、菅原文太が出てきます、古いですね。

  • 男子高校生の妄想全開のアホっぽさ。
    チョロ松校長の清濁あわせた大人力。
    久しぶりに読んだ井上ひさしは、やっぱり言葉が上手い。面白いです。

  • 高校生男子はどの時代もアホだなと思う。そんなアホな男子を叱りつつ同時に守り育てていく校長の胆力。当時も今も一定数いるのだろうが、こういう大人に巡り会えた子供は、自分の至らなさを自覚し強くて優しく大人になると思う。ところで、この小説は井上ひさしが通っていた1952年ごろの名門、仙台一高の学生をベースに描いている。いま読めば67年前の高校生の話ということになる。ここまで昔になると、歴史小説か古典。夏目漱石の坊ちゃんを読んだ時の印象に近い。坊ちゃんは漱石の教員時代である1895年をベースとしているので、井上の小説とは57年の差だ。現代よりも坊ちゃんに近いのだから、歴史小説か古典と感じたのも無理はないかもしれない。

  • その時代 時代のことがらーーーーーどうなのよ!って

  • 1990年 読了

    221ページ

  • 冒頭の妄想の羅列が面白いと知人との会食で話題に上ったので早速図書館で借りて読む。しょーもない少年たちのしょーもない青春劇。たん瘤に対して等稔たちがやってることは普通に犯罪だと思うんだけど。。でもなんだかコミカルで笑えてしまう。。あんなにいい奥さん持ちながら若い女に現を抜かすのは許すまじだけどチョロ松の生徒への想いはいいね。こういうしょうもないところから失恋などを経て、ひとつひとつ学んで少年たちは大人の男になっていくんでしょうか。仙台の街そして少年たちのむさくるしく生(性)命力の溢れる様を表すかのようなタイトルが秀逸。。

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著者プロフィール

井上ひさし

一九三四年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数。二〇一〇年四月死去。

「2021年 『さそりたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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