- 文藝春秋 (2013年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167111311
作品紹介・あらすじ
女たちの「駆け込み寺」を描く、涙と笑いの遺作離婚を望み決死の覚悟で寺に駆け込む女たちの強さ、家族の絆を描いて胸に迫る、涙と笑いの物語。十年をかけて紡いだ感動の遺作。
感想・レビュー・書評
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ひと月前に読了、感想を書けてなかったので備忘録程度に。
映画を随分前に観て、今回読んで、また映画を観ました。別物なのですが、粋な時代だったんですね。
自分の身につけているモノを境内に投げ込んだら、追っ手に掴まれていても駆け込み成立だなんて、今の時代だったらあり得ない。
お話としては映画の方がお吟さんと堀切屋のお互いを想う気持ちに心打たれました。
そして、季節ごとの描写が美しく、それぞれの花が気になって調べてみると季節感のない自分の生活に少し反省です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初、井上ひさし。
時代小説作家さんかと思ってたけどそうでもないのかな?
この本はもちろん時代もの。
時は江戸時代、夫と離縁するための最終駆け込み寺、東慶寺の話。
昔の人はよく知りもしない人と若いうちに結婚して添い遂げてすごいな〜なんて思っていたけど、普通にめっちゃ離婚してたらしい。笑
ただ役所に届けてハイ離婚、なんて事はなくちょっと手間。
特に女は男よりハードル高い。
駆け込み女(たまに男)のそれぞれの話の連作短編。
15人分もあるけど1話20ページくらいだからさっくり読みやすい。
それぞれに桜の章とか藪椿の章とか、花の名前がついてるのが良かったな。
離婚の話だから男女の憎み合いとかどろどろ話ばかりかと思ったけどそんなことなくて、なかにはほっこりしてしまうものも。
おそめさんの話が好きだったな。
結婚なんて一筋縄じゃいかないよな〜。
結婚したことないから分からないけどね。笑 -
離婚を望む女が駆け込む寺での様々な事情を描く短編連作集。駆け込み寺、三行半などの言葉は知っていてもこのような寺が実在することすら知らなかったので、これは作者の創作された設定かもと思うほどよくできている仕組みだなぁと。中盤くらいまでは面白く読み進めたが、後半は話の筋立てにやや無理があったりで長く感じるものもあった。主人公が医者の心得があり、小説を書くという設定かもを活かした章をもっと読みたかった。作中で書いた本は結局どうなったのだろうか。東慶寺とは関係なく主人公の話を読みたい気持ちになる。
巻末の「東慶寺とは何だったのか」も中々興味深く読ませていただきました。やはり女性は働き者で強いですね。 -
江戸時代の史実に基づきながら、古くからの男尊女卑社会においても様々な救済の仕組みがあり、女性たちがそれを利用していかに逞しく生きていたかということがわかる本だった。
人間模様がリアルで、江戸時代バージョンのゴシップ雑誌を読んでいる感覚だった笑 -
さすが作者の筆の力。江戸時代の鎌倉の四季が目に浮かぶ。訳ありで東慶寺に逃げ込む人妻。その生活を思いやって支え合う人達がみな粋でかっこいい。映画観てなくても信次郎のセリフは全部大泉洋氏でイメージできた(笑)
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まさに名人芸のような井上ひさしさんの遺作。素直に面白いと思いました。
本書は「縁切寺」と呼ばれた北鎌倉の東慶寺が舞台。妻の側からの離婚が難しい時代、寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立。そして駆け込み人が東慶寺で24か月過ごせば、夫は絶縁状を書かねばならないというシステム。井上さんは、このシステムを女性のためのアジール(聖域)として「素晴らしい発明」と評しています。井上さんは居を鎌倉に定めていることもあり、東慶寺を愛しているのでしょうね。楽しんで書かれたのがわかる作品となっています。
本書は「オール讀物」に1998年から足かけ11年にわたって連載された全15話をまとめた短編連作集。全編を通じての主人公は中村信次郎。医者の見習いから転じた新米の戯作者。信次郎は縁あって身を寄せた東慶寺の御用宿「柏屋」の布団部屋に篭って、創作に苦しんでいます。一方では柏屋の番頭手伝いと駆け込み審議の書記を任せられています。本書は15人の駆け込み人と中村との交流、駆け込みの顛末を1話完結で描きます。
本書のすごいのは1話1話の起承転結がはっきりと描かれていて、まるで落語の人情噺を読んでいるようです。話の展開はミステリー仕立て。それぞれにひねられたオチが準備されています。
また、鎌倉の自然、地理が描かれていて絵画的な作品です。
個人的には読み終えるのがもったいないような作品。ただ、時代小説ですので趣味に合わない読者もいらっしゃると思います。最初の1編が趣味に合えば、たぶんハマるのではないかと。 -
確かに女性は強い、でもやはり不条理が多い気がして純粋に楽しめなかった。強くならざるを得ない、夫側のダメさのような感じ。
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江戸時代、女性から離婚を申し出るのが難しい時代の駆け込み寺の話。
短編でそれぞれに事情を抱えた女性が出てくるが、その事情が笑える話。
読んだ後に何も残らない話の短編集でした -
映画も悪くないが井上ひさしは矢張り天才だと思います。
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久々に井上ひさしの本を読んだ。井上氏のDV等の話を知っていると、こういう本を書くのはどういう思いなのだろう、と思わなくもないが、それを脇に置けば、心温まるショートストーリー集ということで楽しめた。東慶寺や鎌倉に何度か行っていて地名が分かるのもよかったのかもしれない。
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うーん。ただただ退屈な話が続く。短編で構成されているが、印象に残った話がひとつとしてなかった。読んでいて本の世界に入り込めなかった点、作者の文章と私と相性がよくないのかも。
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映画を観たので原作を手にした。まったく偶然だが、この本と一緒に買った「無縁・公界・楽」がまさに駆け込み寺をテーマにしていて、より興味深い。
面白うてやがて哀しき、というのが井上ひさしの持ち味だと思う。井上ひさしはDV夫でもあったそうだ。夫の横暴に耐えかねて駆け込みをする女の物語をどんな気持ちで書いたのだろうと思うと、もうひとつメタな次元での哀しみがある。小説を読む態度としては余計なことながら。 -
江戸時代、離縁を求めて寺へ駆け込む妻とその夫のほつれを解きほぐしてゆく時代物ミステリー。
映画を先に観ました。
映像美、登場人物たちの愛らしいキャラクター、起伏あるストーリーなどどれをとっても素晴らしくて、興奮冷めやらぬ思いで帰り道に原作を購入しました。
原作を読んでまた驚愕。
映画とはだいぶ違う!
小説はオムニバスなんですね。
映画はオムニバスの要素を残しつつ、全体を通しての起承転結もつくられていて素晴らしいエンタテイメント作品になっていました。
小説は小説、映画は映画として楽しめるそれぞれプロのお仕事ぶりを感じて唸ってしまいました。 -
舞台が鎌倉ということで衝動買い。なるほど映画の原作だったのですね。
夫婦の見本帳のような、一話完結短編集。ひとつひとつが温かく、時間をかけてゆっくり読みました。
なるほどこうやって別れれば良いのか、
なるほどこうやって仲直りすれば良いのか、
なるほどこうやってのらりくらりとやっていけば良いのか。
新婚ほやほやで読み耽りましたが、たいへん参考になりました。笑 -
駆け出しの戯作者で、医者の卵で、そして駆け込み寺の御用宿で番頭として働く信次郎の目を通して、描かれる夫婦の問題、あれこれ。
それぞれに違った女性(一部例外あり)を主役にした短めの物語が章仕立てになってます。花の名前が各章につけられているのは、花の寺の美しいイメージですが、同時に、時代が変わっても、夫婦に関わる問題や悩みは同じところを巡ってるってことなのでしょうか。
作者は、現代の戯作者・井上ひさしさん。足掛け11年、ゆったりゆっくりの連載によるもの。この方も、夫婦間の問題引き起こし、一時は世間をずいぶん騒がしたことがありました。 -
東慶寺への駆け込み訳の謎解きとお白洲模様は、境内に季節ごと咲き乱れる花の数程に十人十色。軽口、人見、人情、愛情が巧妙かつ、小意気に織り込まれる小気味の好い短編集♪。それにしても、駆け込み寺の数々の舞台装置!?と、お美代ちゃんの挿し込みはお見事と言うしかない!。
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げんさくを読んだ後に映画を観たから、映画が面白かった。
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北鎌倉にある東慶寺のお話。時代小説というのは初めて読んだけど意外と面白かった。
表紙やあらすじから受けるイメージとは違い、コメディタッチのお話だった。
縁切り寺として運営されている江戸時代の東慶寺で、医者見習い兼駆け出しの作家として暮らしている戯作者から語られる。
温かく優しい語り口で夫婦のいざこざが収束していくまでを連作短編形式で描いていた。
この温かい彼の眼差しで鎌倉での営みが描かれていてとても心地よかった。 -
食わず嫌い過ぎたかな。なかなかいい物語であった。
著者プロフィール
井上ひさしの作品
