芙蓉の人 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 202
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167112066

作品紹介・あらすじ

天気予報を正確にするには、富士山頂に観測所が必要だ、との信念に燃えて厳冬の山頂にこもる野中到と、命を賭けて夫と行をともにした夫人の行動と心情を感動的に描く。(山本健吉)

感想・レビュー・書評

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  • 富士山頂に観測所。明治時代では本当に命がけであったろう。
    この本はあえて(?)妻、千代子目線で書かれている。「女性」だからをものともせず行動する彼女。すごい。

  • 2014.5.9(金)¥30。
    2014.7.23(水)。

  • 「芙蓉の人」
    NHK総合 土曜21時
    出演:松下奈緒、佐藤隆太、三浦貴大、余貴美子
    http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/185778.html

  • これもドラマになると云うことで読んでみました。
    昔の日本人には偉大な方が多い! 今の日本人、負けてるよなあ・・・
    しかし、松下奈緒は似合っていそう。撮影はすごく大変そうだが・・・

  • 現代と違い装備もままならない明治時代、ましてや女性が富士山へ登山するとは言語道断という風潮の中、厳冬期の富士山頂で夫の観測業務を支えた妻の物語。壮絶で過酷な状況がまだ10月の話なのかと思うと、先が思いやられ読んでいるだけで辛かった。苦しくても、聡明でしなやかで慈愛に満ちた主人公に痛く感銘を受けた。あとがきは最後に読んだ方がベター。

  • 明治。日本が近代化を死に物狂いで目指した時代。

    主人公の女性の凛然さを感じた。富士気象観測場の設置。これを発案したのは驚嘆すべきところだ。それをささえた妻の芯の強さに感服した。

  • 女性の強さ、純粋な思い、また富士山頂であった実話という
    部分に強烈なインパクトと感動があった一冊。

  • 富士山が世界遺産に登録され、
    今また富士山ブームが起ころうとしていますね。
    富士山ときいて、故新田次郎さんのこの作品を思い出しました。

    110年以上も前の時代に、
    日本の気象を調べるために、冬季の富士山で気象観測を行った
    野中到とその妻千代子の物語です。

    明治28年(1895年)2月
    冬期富士登山に成功した経験によって、
    富士山頂の冬期滞在が不可能ではないという確信を得て、
    この年の夏、野中到は私費を投じて野中観測所を設立しました。
    秋から富士山頂にたてこもって気象観測をはじめるためです。

    なぜ、彼はそうするのでしょう?
    当時の日本の天気予報が当らないのは、
    高層気象観測所がないからだというのです。
    「高い空の気象がわからないで天気予報が出せるわけがない。
    富士山の頂に気象観測所を設置して、
    そこで一年中、気象観測を続ければ、天気予報は必ず当る」
    千代子夫人にこんな言葉を残し、
    野中到は富士山に立て篭もりました。

    想像を絶する冬季の富士山の気候。
    十分な冬山対策の装備もない時代に、
    吹雪と戦い、寒さと格闘しながら、気象観測を成し遂げた野中到。
    それを影でしっかりと支えた千代子夫人。
    山の偉大さと自然の美しさに混じって、
    明治時代の美しい夫婦の絆まで感じられました。

    このころと違い、今はもっとスムーズに山に登れます。
    十分な装備ももたずに登山する人々が後を絶たないといいます。
    夏山を楽しむのもいいけれど、山はやはり恐ろしいもの。
    自然への謙虚な気持ちを忘れないようにと願わずにいられません。

  • 1867年生まれの人物を調べていたら野中到を見つけたので、それに関する小説というので読んでみた。

    明治の人には明治の人の良さがあったのだと改めて感じさせられた。

  •  えーっと、最初普通の小説だと思って、読み始めたんですが……。
     途中で、あれ? って、思ったら。
     これ、実は、実話を元にして書かれた話だったんですね。
     事前知識が何にもなく読み始めたので、ちょっと戸惑いました。

     で、まぁ、私が戸惑ったのは正直、どうでもよくてね!

     読みながら。
     友達が、この本を僕に送りつけてきたのは、また別の誰かが、友達に。 
    「この本、おすすめ!」てくれて。
     それを読んで、感動したから、僕にも……って、思ってくれたんだそうですが。

     うーん……何で、これだったんだろう……?
     って、気がちょっとした。

     いや! いいんだよ! いいんだよ!
     あの明治の時代に、女の人が夫を追って、富士山の山頂に行って、挙句。
     ひと冬を、気象観測して越そうと思ったんだから、すごい話だと思ったよ!

     でもなぁー、でもなぁー……って。
     ひねくれものの僕が呟くんですよ。

     かなり、偉大な功績であることは間違いないんだけど。
     そもそもが、一人で2時間おき、24時間の観測をしようなんて考えたことが無謀だったとしか思えないし……。
     それにゴーサイン出す方も、出す方だよな、と思いながら。

     そんでもって、子供を置き去りにして山を登ったのも、すごいとは思うけど。
     僕だったら、それはしないかな……って、思っちゃった。

     確かに、彼女の生き様はすごいと思うけど。
     でも、僕は同じ立場に立った時に、彼女と同じ選択をしたいとは思わない……
     と、思ってしまうので、感動は低い。

     あーあ、本人ここを知らないからってこんなにディスっちゃっていいのかしら?(苦笑)

     なんていうか、僕にこれをくれた友達は、大層、純粋な子でしてね(僕の友達にしては、本当に珍しいタイプなんですがw)。
     黒いものを「あれは白いんだよ」って教えられたら。
    「えー、あの色も白っていうんだ!」って。
     思いっきり、素直に信じ込むタイプなんですよ。

     だから、その分、生きにくいんだと思うんだけど。
     それでも、そこまでひねくれることなく、その素直さを持ち続けられたのは、すごいなー……と、思うんですが。

     いささか将来が心配(笑)

     いやまぁ、同い年……っていうか、同級生なんで、いい年なんだが……。
     素直すぎるのもの問題だよね……っていう!

     だから、まぁ。
     素直に「いいんだよ!」って勧められたら。
    「この本いい!」ってなるんだろうが……。

     いささか、僕は、彼女と会わない間に(僕が引っ越ししたので7、8年連絡取ってなかった)、ひねくれてしまったので(いささか?)。
     なかなか、僕の心には響かない……(苦笑)

     つか、女の人の「強い」(いろんな意味で)話って、虚実合わせてたくさん、読み過ぎてるんで、今更……ねぇ?
     何より、自分自身がそんじょそこらの女のひとよりも強くなってしまったので、余計に……。

     僕は、「誰かのために」生きる女の人より、「自分のために」生きれる女の人が好きです。
    (ここまで、書いてようやくすっきりしなかった理由が↑であることに気が付いたw)

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著者プロフィール

新田 次郎(にった じろう)
1912年6月6日 - 1980年2月15日
長野県諏訪郡上諏訪町(現:諏訪市)生まれの日本の小説家、気象学者。本名は藤原 寛人(ふじわら ひろと)。電機学校(現:東京電機大学)卒業。次男に研究者・作家の藤原正彦。
終戦後で生活が困窮しているところ、作家である妻の兩角(もろすみ)ていの刊行した『流れる星は生きている』がベストセラーになったことから作家を志し、執筆活動を兼業する。
1956年『強力伝』で第34回直木三十五賞受賞。1966年に専業作家。1974年に吉川英治文学賞、1979年に紫綬褒章。
気象職員としても富士山気象レーダー建設という大きな業績で名を残しており、退職時には気象庁から繰り返し強い慰留を受けた逸話が残る。

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