山が見ていた (文春文庫 (112‐28))

著者 :
  • 文藝春秋
3.37
  • (4)
  • (10)
  • (11)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 75
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167112288

作品紹介・あらすじ

少年を轢き逃げしたあげく、自殺を思いたち、山に入ったところ、運命は意外な方向に展開する表題作のほか、「山靴」「危険な実験」など十四篇を収録した短篇集。(武蔵野次郎)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 山岳小説に定評のある作者だが、本短編集で山岳小説と言えるのは、「山靴」と「山が見ていた」の二作だけ。
    文庫本の裏表紙に「新田ミステリー十五篇を収録した短編傑作集」と書かれてはいるが、純然たるミステリー作品ではなく、敢えてミステリーとして位置付けるなら、「奇妙な味」系。十数頁から三十数頁の小品ばかりで、いずれの作品も意外な結末を迎えたり、登場人物が予想外のことをするなどの驚きを持っているが、インパクトの弱い作品も混じっている。
    積年の恨み、妬みといった情念を描いた作品が多く、「沼」や「胡桃」のように、物語としての奥行きのある作品もある。
    個人的に好印象だった作品をお勧め順に挙げると、「山が見ていた」、「胡桃」、「死亡勧誘員」の順。

  • 2015*09*05

  • 山岳小説もミステリーも好き。「山が見ていた」という割には山があまり描かれてなく、静かに進んで行くミステリーなのであまりドキドキ感もありませんでした。ただそれぞれが最後にドッキとさせられる結末です。昭和の雰囲気たっぷり。(私の生まれる前の昭和です・・・)

  • 手にとった大抵の本は、読破するがこれは面白くなさすぎて珍しく途中放棄。最初の話は、山というより嫁姑の醜悪なバトルの板挟みできちんと自分の意思を表に出せないダメ夫の話。暗い上に何の救いもないし感慨も感想も湧かず。読後感が悪すぎ。表題作なら面白いかと思ったが、「なんだそりゃ」と思うだけの話だった。

  • 山にまつわる(一部は山に関係ないけど)人物譚の短編集。どの話も軽くて簡単に読めるけれど、日本の田舎のおどろおどろしさやら人生の重みやらを感じさせる。
    最後の表題作の結末がやたらよくて読後感は最高だった。

  •  新田さんはこんなサスペンス小説も書かれていたんですね。
     パターンやマンネリがなく、どんな展開どんな結末になるのか先が読めないのが新鮮でした。

  • 山があまり出てこないから嫌い

     まだまだ雪が多いから新田次郎を続ける(3連休立山いけるだろうか?)。

     今回は得意の山ものがあまり出てこない。玉石混合って感じかな。

     どうやら今回の作品のテーマは「復讐」のようだ。新田次郎イコール山という先入観がいけないのかもしれない。確かに描写は鋭いがハズレのミステリーだな。

     作品は以下の通り。
    山靴
     山を愛する養子の夫と理解しない妻。妻は靴を隠す。妻は母と共謀して山行きを阻止しようとしている。夫は実母を頼り山へ行く。

     しかし慣れないレンタル靴が原因で足の指を3本失う。1本は妻の、1本は妻の母の、最後の1本は実母に取られたと言い残して夫は友人宅へ転がり込むという筋。

     すばらしい。同級生である義母・実母の対決や妻との確執を指に収斂させてテーマを貫く。いい作品だと思う。


     沼の調査に来た都会人が田舎をかき回す。都会人の目的は温泉発掘だ。神のたたりということで主人公は都会人を沼に落とし込む。ただそれだけだが、それぞれの思いが短い中に凝縮されており、なかなかおもしろかった。

    石の家
     田舎から都会のアパートにもらわれていった小学生。石の家に閉じこめられて自殺してしまう。暗くておもしろくなかったな。アルプスの少女ハイジみたいだ。

    危険な実験
     火をつけることに生き甲斐を感じる主人公が保険金詐欺を行う。詐欺よ

  • 山岳小説ではなく、サスペンスの短編がつまっている。

    どきっとする怖い内容がたくさん詰まっている。
    新田次郎の著書の中では時代小説、山岳小説が好きだがこんな短編もたまには良い。

    たしか、山岳小説でもサスペンスものがあった。まだ読んでない本も買って読み進めたい。

  • 短編集なので非常に読みやすかった。
    それぞれに何らかのオチがあったので、読み終わった後もスッキリ。

    「危険な実験」「死亡勧誘員」「山が見ていた」あたりが、とても印象に残っている。

  • <07/4/14〜4/17:途中放棄>

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

新田 次郎(にった じろう)
1912年6月6日 - 1980年2月15日
長野県諏訪郡上諏訪町(現:諏訪市)生まれの日本の小説家、気象学者。本名は藤原 寛人(ふじわら ひろと)。電機学校(現:東京電機大学)卒業。次男に研究者・作家の藤原正彦。
終戦後で生活が困窮しているところ、作家である妻の兩角(もろすみ)ていの刊行した『流れる星は生きている』がベストセラーになったことから作家を志し、執筆活動を兼業する。
1956年『強力伝』で第34回直木三十五賞受賞。1966年に専業作家。1974年に吉川英治文学賞、1979年に紫綬褒章。
気象職員としても富士山気象レーダー建設という大きな業績で名を残しており、退職時には気象庁から繰り返し強い慰留を受けた逸話が残る。

新田次郎の作品

ツイートする