新装版 武田信玄 山の巻 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 336
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (543ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167112332

作品紹介・あらすじ

甲州・信州の全域をわがものとして、さらに駿河府中をおさえた信玄は、いよいよ京都にのぼろうとするが、織田信長に先をこされてしまい焦るばかりだ。その上、年来の病いが身をしばりつける。合理的な戦術によって、合戦に転機をもたらした名将・武田信玄の生涯を描いた長篇三千枚がいよいよ完結する第四巻。

感想・レビュー・書評

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  • 信玄の最期の章
    文章の句読点が多い書き方が気になりながらもやっと最後まで読めた。
    武田信玄の心残りが伝わり、そして何故信玄の死後勝頼が当主になったら裏切り者続出したのか、信玄の偉大さに加えてそれを超えるのが難しかったし、家臣を信頼できなかったのか…。

    初の信玄の小説なので詳しくは知らないからまた違う作家の武田信玄を読んでみたい。

  • (*01)
    エロスとタナトスとを備えた戦国考証文学(*02)と言えるだろうか。雑誌への100回にわたる掲載という関係もあってお色気路線への脱線が見え隠れする。これは脱線というだけでなく、タナトスである戦場描写とのバランスとしても読み物に必須であったとことと思う。

    (*02)
    文学であれば一人称(*03)から三人称で済ませるものが、考証パートとして、甲陽軍鑑ほかの史料の引用や検証が文内でなされ、著者の考察も射し込まれている点に文芸の新しさを感じさせる。

    (*03)
    この著作に描かれたのは近代人としての信玄とその近代性であった。戦略戦法、経営、愛憎において中世的でない刷新者や先進者としての人物像を描き、病魔と野望の桎梏に喘ぐ人間像を結んでいる。その視角や文体が既に近代である。かつての戦記が描いた英雄像を還元し、必ずしも英雄的でないが様々にとびきり優れた人物と手腕として描ききったところに著者自身(*04)の近代的な史観が投影されている。

    (*04)
    多くの読者から指摘されるように、川中島、桶狭間、三方が原などの有名な合戦に、気象的な要因を読み込むのはこの著者特有のものであろう。また、情報収集や情報操作、血族による婚姻や人質による戦略的な人事、鉱山経営、攻城における工兵や兵站など、経営規模拡大のための諸々も描かれている点で、近代的な読み(*05)にも対応したリアリティも付加している。

    (*05)
    「西上の望み捨てず」の章にこんな一節がある。
    「信玄でない信玄は、信玄らしい顔をして長篠城にいた。」
    つまり信玄とは、英雄的で唯一の絶対者ではなく、多であり組織であったという読みなどもできるかもしれない。

  • 16/4/7読了

  • 戦国武将で従うなら武田信玄がいいなーと思いました。皆で話合い良い方向へもっていこうとしてるなあと感じました。たぶん綺麗事だけではないだろうけど。

  • 信玄が病に冒されずに上洛し、信長と天下をかけて戦ったならば…。

  • 2013*09*03

  • 言わずと知れた武田信玄。
    この本は小説ですがだいぶ歴史考察に関する著者からのコメントが入っておりいろいろ勉強になりました。特に武田信玄の名軍師と言われた山本勘助は存在自体怪しいと言われていることが書いてあり、驚きました。
    川中島の戦い、徳川家康との戦い、と有名な合戦との裏にある膨大な量の策略謀略を知ることができて大変おもしろかったです。織田信長の派手な戦いと比べると京から遠い信玄は地味でしたけど、それがまた面白かったです。

  • 武田信玄は、この物語りでは病弱に描かれている。

  • 長いけど、最初から最後まで良い

  • 信玄が三方ヶ原決戦で、家康の首をとりに行く。信長の牽制もある。
    4巻通じて、信玄は病気と闘う姿勢が貫かれている。歳をとりながら合理的に采配をおくるのがわかりやすい。
    死と戦国の世の中で人々は平安を求めていたに違いない。

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著者プロフィール

新田 次郎(にった じろう)
1912年6月6日 - 1980年2月15日
長野県諏訪郡上諏訪町(現:諏訪市)生まれの日本の小説家、気象学者。本名は藤原 寛人(ふじわら ひろと)。電機学校(現:東京電機大学)卒業。次男に研究者・作家の藤原正彦。
終戦後で生活が困窮しているところ、作家である妻の兩角(もろすみ)ていの刊行した『流れる星は生きている』がベストセラーになったことから作家を志し、執筆活動を兼業する。
1956年『強力伝』で第34回直木三十五賞受賞。1966年に専業作家。1974年に吉川英治文学賞、1979年に紫綬褒章。
気象職員としても富士山気象レーダー建設という大きな業績で名を残しており、退職時には気象庁から繰り返し強い慰留を受けた逸話が残る。

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