雪のチングルマ (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2012年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167112400

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

自然の厳しさと人間の生き残りを描いた短編集で、山岳遭難をテーマにした5つの物語が収められています。登山や雪山の危険と、それに立ち向かう人々の本能的な闘いがリアルに描かれており、読者は引き込まれることで...

感想・レビュー・書評

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  • 山岳遭難短編小説5編+アラスカ旅行もの。
    死と隣り合わせになり、自然に抗う人間の戦う術は読んでいてとても引き込まれる。それは自己を守る本能かは分からないが、絶望的な状況に貶めるシチュエーションとしては山岳物はとてもすぐれており、作者のように山岳を知悉してよりリアルな描写をする人により面白さは倍増すると思う。
    ミステリー仕立てで、当時のスキー場と宿泊所の雰囲気を伝える「コブシの花の咲く頃」、実話に基づく遭難物「春富士遭難」が特に面白いと思った。

  • 「新田次郎」の山岳小説短篇集『雪のチングルマ』を読みました。

    『八甲田山死の彷徨』、『先導者・赤い雪崩』に続き「新田次郎」作品です。

    -----story-------------
    山岳短篇小説の代表作!

    童歌をうたうと必ず雪崩で死ぬという怪談に抗いながらも囚われた若者の苦悩と悲劇を描いた表題作、アラスカ現地に取材した異色の傑作『真夜中の太陽』、実感をこめて富士のおそろしさを表現しきった『春富士遭難』、スキーヤーの身勝手さを衝く『コブシの花の咲く頃』など全六篇を収録。
    円熟期の傑作山岳小説集。

    登山家の愛読書ともいうべき代表作
    -----------------------

    山岳小説ばかりを集めた以下の六篇で構成された作品です。

     ■雪のチングルマ
     ■羽毛服
     ■コブシの花の咲く頃
     ■春富士遭難
     ■赤い徽章
     ■真夜中の太陽
     ■解説 近藤信行


    『雪のチングルマ』は、童歌に纏わる怪談と大学山岳部員の穂高涸沢に向かう途中の雪崩遭難事故を絡めた物語、、、

    雪崩から一人生き残った青年が、童歌と事故の因果関係を心の中では否定しながらも、迷い、悩む姿に感情移入しながら読みました。

    そして、エンディングでの悲劇… 「生き残った者があったとすれば、必ず後日雪崩で死ぬ運命にあるものとする」という山行予定表にゾクッ とさせられましたね。


    『羽毛服』は、雪山での学生の遭難死の謎を解くために、山岳小説作家が上高地を訪ねる物語、、、

    山での実力があった学生は何故遭難したのか… 単独行での遭難と思われたが、ある人物の証言から同行者がいたことが判り、意外な事実が判明する。

    少し幻想的な展開でしたが、真相が究明できてすっきりしましたね。


    『コブシの花の咲く頃』は、志賀高原のホテルを舞台に行方不明になった男女のスキー客と、二人を探した捜索隊の物語、、、

    結果的に二人は還らぬ人となるのですが、その捜索の過程が克明に描かれ、二人の行動を推理する場面がミステリー仕立てで愉しめましたね。


    『春富士遭難』は、山岳団体が三月半ばの雪中訓練を兼ねた富士登山で遭難してしまう物語、、、

    遭難に至るまでの経緯が淡々と描かれていて、山の恐ろしさを改めて感じました。

    ベテランと一緒でも、異常気象等、想定外の天候の急変があると遭難事故になりかねないこと、そして、生き残った側の辛い立場が印象に残りました。


    『赤い徽章』は、日本アルパインガイド協会の指導を受ける女性たちが、合宿終了後に、実力を試すために向かった穂高滝谷第四尾根でビバーグを余儀なくされ、そして救出される物語、、、

    恋愛感情を絡めつつ、嫉妬、虚栄心、心理的駆け引き等が愉しめる作品でしたね。

    『先導者・赤い雪崩』でも感じましたが、「新田次郎」って女性登山家のことを好ましく思っていなかったような… そんな印象を受ける作品でした。


    『真夜中の太陽』は、アラスカを訪れた主人公(著者がモデル?)が、終日沈まない太陽の影響で体験した幻想的な物語、、、

    深夜でも太陽が輝いている状況って想像できませんが… 身体のリズムを保つのは難しいでしょうね。

    アラスカ… 「植村直己」、「星野道夫」、「野田知佑」等の著書で得た知識しかなく、厳しい自然の中にある土地であることは理解していますが、ユーコン川やオーロラ等々を見るために、一度は行ってみたい場所ですねぇ。



    『真夜中の太陽』以外は、それぞれ、山岳遭難がテーマとなっていて、山岳小説集というよりも、山岳遭難小説集といった趣の一冊でした。

  • 短編集。山にまつわる話。知らない用語を調べながら読み進めた。
    山に関わる人達の独特な空気を感じた。

  • R3/1/16

  • 山で人が死ぬ話が主。
    私は絶対登山はしないし、ましてや雪山には絶対近づかない!って思った。

  • 「八甲田山死の彷徨」の新田次郎さんの山岳小説短編集.
    これでもかどうあるか,というほどに 悲惨な遭難の話が出てくる.われわれ凡人としては,「よ~くこんな寒くて危ないところに,命をかけて行くねぇ」と,尊敬するというか,引いてしまうというか..
    ともかく,「へ~え,こういう世界もあったんだ!」と,面白くはありました.

  • 1979年刊行の新装版。
    かわいいタイトルと表装に惹かれて手にしましたが、山登りする人間にとっては身が引き締まるような内容でした。登山家に読み継がれてきた伝説の名作というだけあって、山を登られる方には是非読んでもらいたい一冊です。
    最近は登山ブームもあり私のような人間でも山登りを愉しんでいますが、この本を読むといかに有名な登山家でも常に危険と隣り合わせであるかを思い知らされます。
    山の天気はかわりやすく、どんなに強靱なクライマーであっても、天候一つで死に至ってしまうことがあるということを実感しました。
    あくまでもフィクションでありますが、同様の事故や遭難が実際にあったことは想像できます。
    山で生き残る者と死んでいく者の違いとは何であるか。あらためて考えさせられました。

    各編の概略は次のような感じです。

    「雪のチングルマ」・・・大学山岳部員が穂高涸沢へ向かう途中、信濃の童歌を口ずさんだことから奇妙な現象が起きる。

    「羽毛服」・・・ある作家がテレビ出演した時に聞きおよんだ穂高で遭難死した学生の死因を調査する。

    「コブシの花の咲く頃」・・・志賀高原で行方不明になった男女のスキーヤーを捜索する。

    「春富士遭難」・・・社会人山岳団体が富士山で天候激変によりとった行動を経験のある熟達者と新人のそれぞれついて描いている。

    「赤い徽章(バッジ)」・・・日本アルパインガイド協会の指導を受ける女性登山家。過去に失敗したグリセードの経験を通して今の自分と対峙する。

    「真夜中の太陽」・・・アラスカの沈まぬ太陽と砂金捕りにまつわる話。他の者とは異色な内容となっている。

  • 童歌をうたうと必ず雪崩で死ぬという怪談に抗いながらも囚われた若者の苦悩と悲劇を描いた表題作、アラスカ現地に取材した異色の傑作「真夜中の太陽」、実感をこめて富士のおそろしさを表現しきった「春富士遭難」、スキーヤーの身勝手さを衝く「コブシの花の咲く頃」など全六篇を収録。円熟期の傑作山岳小説集。

  • 短篇集

  • 本屋で平積みされていた「新田次郎」のキーワードにピクッと反応し、思わず買いました。新田次郎の短編集6編。
    山岳サスペンスものが多かった。冬山の描写は臨床感があってとてもよかった。ただ、前回読んでいた有川浩の小説と比べると、バッドエンドが多いことと時代のギャップを感じた。1979年発行の短篇集を集めて、2012年に新装版。万人受けはしない印象。

  • 山にかかわる、というか山の恐ろしさを思い知らされる短編小説が6つ収録されている本。特に急激な天候の変化、吹雪のシーンはいやというほど何度も出てくる。浅薄な知識だけでは山に太刀打ちできないのだなぁと考えさせられた。ちゃんと勉強しなきゃだ。それと、少し霊的というか何というか、山を題材にしているからかもしれないが不思議な後味を残す作品でした。

  • 表題作「雪のチングルマ」遭難事故の客観的な状況からは窺えない、その裏に隠れる登山者の心理状態、山には何かがいる、と思わされる。

  • 山に行けない反動か、山岳もの!と飛びつきましたが、私的には駄目でした。残念ながら。

    遭難がメインテーマで、改めて山を甘くみてかかっちゃいけない、と気持ちは引き締まりましたが、冒険・ワクワクとは無縁です。
    登山や山の厳しさを学ぶにはいいかもしれませんが…

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著者プロフィール

新田 次郎(にった・じろう):1912-80年。長野県上諏訪生まれ。旧制諏訪中学校、無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、1932年、中央気象台(現気象庁)に入庁。1935年、電機学校卒業。富士山気象レーダー(1965年運用開始)の建設責任者を務めたことで知られる。1956年『強力伝』で、第34回直木賞受賞。1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。

「2024年 『火の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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