羅生門 蜘蛛の糸 杜子春外十八篇 (文春文庫―現代日本文学館)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 989
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167113056

作品紹介・あらすじ

昭和、平成とあまたの作家が登場したが、この天才を越えた者がいただろうか? 近代知性の極に荒廃を見た作家の、光芒を放つ珠玉集。二十一世紀への心の遺産「現代日本文学館」その二

感想・レビュー・書評

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  • 初読と再読両方あったが、一通り読んだ。やはり今昔物語系の王朝物が好き。『羅生門』→背に腹は代えられない、『芋粥』→過ぎたるは及ばざるが如し、といったことわざや教訓が頭に浮かび、この感じなんか覚えがあるな…と思っていたら。トルストイだ、トルストイの民話だ!勝手にすっきりして納得していると、『秋』には「トルストイズム」なんてそのものずばりな言葉すら出てきた。この時代の日本の作家たちにも絶大な影響を及ぼしていたんだなぁ。王朝物は語り手の日本語のテンポが抜群に良くて音読したくなる。『蜘蛛の糸』が好きな人にはぜひこの話のもとになったスペイン民話も読んでみてほしい。
    『杜子春』を読むのは三回目くらいで、二回目に読んだとき「説教臭いな」と感じた覚えがあるのだが、今回はまた違った感想になった。杜子春は三度素寒貧になり「人間はみな薄情だ」と言うけれど、それって本人に人徳がなかったからでは…?杜子春が最後に言う「人間らしい、正直な暮らし」っていったいどんな暮らしなのだろうか。考えが一周してわからなくなってきた。
    初読の中では『舞踏会』がよかった。ロティの『お菊さん』読んでみたい。『歯車』はもう死の予感が漂っている。暗すぎて読み手を絶望的にする作品。小説って何のために書くのだろうか。やはり自分のためにかな。

  • 1. 外からの情報や出来事により、人の気持ちは刻一刻と変わってしまう。

    2. 自己をあざ笑うのも自分、悪を正当化するのも自分。

    3. ならば、自己の気持ちを外部の出来事に左右されないよう、確固たる自身を持つことが大事なのではないだろうか。

  • 蜘蛛の糸
    お釈迦様が極楽の蓮池でのこと。

    かんだた という男。
    牛へんに建、陀多。

    悪事を働いた大泥棒。
    蜘蛛を殺さずに助けてやった。

    無慈悲な心は罰を受ける。

  • 河童の世界は芥川龍之介にとっての理想郷だったのだろうが、そこでさえも居心地の悪さを感じ、自ら離れていく姿は、自分の厭世観を嫌と言うほど見せつけられたものだろう。
    現実に戻った後も河童の姿を求めていることが痛々しい程、生きている世界の違和感を感じた。

  • 羅生門/鼻/芋粥/或日の大石内蔵助/蜘蛛の糸/地獄変/枯野抄/奉教人の死/杜子春/秋/舞踏会/南京の基督/薮の中/トロッコ/雛/六の宮の姫君/一塊の土/玄鶴山房/点鬼簿/河童/歯車

  • 『藪の中』を読みたくて買った。
    芥川の文庫って各社から出されていて、自分もすでに何冊か持っているのだけれど、選りすぐりの作品が並んでいるので芥川入門にもベストな一冊でないかと思う。

    読んでいるうちに、「『地獄変』は高校から帰る電車の中、『河童』は大学時代の下宿先の万年床に横になって、『杜子春』は小学校の図書室、『トロッコ』は夜中に目覚めてしまったときにスマホで」というように初めて読んだときの情景まで思い出されたのが意外で面白かった。
    『羅生門』や『蜘蛛の糸』に関してはもう何度読んだかも分からないほどなので、かえって具体的な読書場面を思い起こすことができない。

    芥川に関してはいつか全集でそろえたい。

  • さみしいさみしい

  • 初めて好きになった文豪が芥川龍之介。
    芥川龍之介という「人」と作品が、両方味わえる一冊です。
    著者の事が好きで堪らない、マニアみたいな方にはお勧めです。
    ドストエフスキーやトルストイに影響されていたのは意外や意外!
    注訳にも注目。
    膨大な数の本の情報があり、つられて何冊か読みたい本も見つかりました。

  • 学生時代愛してやまなかった芥川。文体の美しさやテーマの多様さなどに年月を経て再び感動する。
    出会い直しというのはこういうことなのだろう。
    ただ、若かった頃には気づかなかった彼の必死さが感じられて、そんな自分の年月が感慨深かった。
    歳をとるのは、悪いことではないとため息をつく。

  • 今月の猫町課題図書。実は子供の頃から芥川のファンで、中学生までには図書館の全集を片っ端から読んで、書簡も含めた全ての作品を読んでいたはずだ。特に今昔物語に取材した初期作品が好きで、『芋粥』などは 100回は読んでいると思う。初めて読んだのは、幼児向けに編集された『蜘蛛の糸』であったか、小学校の授業で読んだ『杜子春』であったか、今となっては記憶が定かではない。

    いまあらためて読み返してみても、一番面白いのは『鼻』『芋粥』『羅生門』『地獄変』といった今昔・宇治拾遺物語系だ。1,000年の昔から変わらぬ人間の業を近代的な心理描写で描き出した手腕は天才の名に恥じぬ。『薮の中』が、記憶の中ではもうちょっと面白い話だったのに今読み返すとどうということのない印象であった一方、『河童』は以前よりも面白いと感じるようになっていた。『南京の基督』も佳作で、全体的に編者の選は様々な年代、文体をカバーして優れている。

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著者プロフィール

小説家(1892-1927)。東京帝国大学文科大学英文学科卒業。創作に励むかたわら、大阪毎日新聞社入社。「鼻」「蜘蛛の糸」など数多くの短編小説の傑作を残した。1927年、服毒自殺。

「2020年 『羅生門・鼻・蜘蛛の糸 芥川龍之介短編集 Rashomon, The Nose, The Spider Thread and Other Stories』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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