羅生門 蜘蛛の糸 杜子春外十八篇 (文春文庫 あ 29-1 現代日本文学館)
- 文藝春秋 (1997年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167113056
感想・レビュー・書評
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杜子春と玄鶴山房は二度読んだ
奉教人の死 は感心した詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
河童の世界は芥川龍之介にとっての理想郷だったのだろうが、そこでさえも居心地の悪さを感じ、自ら離れていく姿は、自分の厭世観を嫌と言うほど見せつけられたものだろう。
現実に戻った後も河童の姿を求めていることが痛々しい程、生きている世界の違和感を感じた。 -
『藪の中』を読みたくて買った。
芥川の文庫って各社から出されていて、自分もすでに何冊か持っているのだけれど、選りすぐりの作品が並んでいるので芥川入門にもベストな一冊でないかと思う。
読んでいるうちに、「『地獄変』は高校から帰る電車の中、『河童』は大学時代の下宿先の万年床に横になって、『杜子春』は小学校の図書室、『トロッコ』は夜中に目覚めてしまったときにスマホで」というように初めて読んだときの情景まで思い出されたのが意外で面白かった。
『羅生門』や『蜘蛛の糸』に関してはもう何度読んだかも分からないほどなので、かえって具体的な読書場面を思い起こすことができない。
芥川に関してはいつか全集でそろえたい。 -
さみしいさみしい
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初めて好きになった文豪が芥川龍之介。
芥川龍之介という「人」と作品が、両方味わえる一冊です。
著者の事が好きで堪らない、マニアみたいな方にはお勧めです。
ドストエフスキーやトルストイに影響されていたのは意外や意外!
注訳にも注目。
膨大な数の本の情報があり、つられて何冊か読みたい本も見つかりました。 -
今月の猫町課題図書。実は子供の頃から芥川のファンで、中学生までには図書館の全集を片っ端から読んで、書簡も含めた全ての作品を読んでいたはずだ。特に今昔物語に取材した初期作品が好きで、『芋粥』などは 100回は読んでいると思う。初めて読んだのは、幼児向けに編集された『蜘蛛の糸』であったか、小学校の授業で読んだ『杜子春』であったか、今となっては記憶が定かではない。
いまあらためて読み返してみても、一番面白いのは『鼻』『芋粥』『羅生門』『地獄変』といった今昔・宇治拾遺物語系だ。1,000年の昔から変わらぬ人間の業を近代的な心理描写で描き出した手腕は天才の名に恥じぬ。『薮の中』が、記憶の中ではもうちょっと面白い話だったのに今読み返すとどうということのない印象であった一方、『河童』は以前よりも面白いと感じるようになっていた。『南京の基督』も佳作で、全体的に編者の選は様々な年代、文体をカバーして優れている。 -
それは蜘蛛の巣 或いは罠にかかる澄んだ糸 身体中に纏い死んだとしても本望
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あ
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齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―30
本当に上質な文章を読み込むことは、書く力を鍛える上で、とてもいいことだ。
より深く理解するために
1.声に出して読んでみる
2.元の古典と読み比べる―『今昔物語集』『宇治拾遺物語』に収録されている(『鼻』『芋粥』『藪の中』『地獄変』など) -
有名な作品揃いでベスト盤という感じ。
全部を通しで読むというより、一つ一つの作品をじっくり味わいたいかも。
北村薫さんの「六の宮の姫君」、「太宰治の辞書」で重要なモチーフとなっている(というか、前者はタイトルまんま。)作品も収録されています。
最も印象深かったのは、「南京の基督」。