完全版 アンネの日記 (文春文庫)

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感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167114039

作品紹介・あらすじ

アンネは二種類の日記を残していた。自分に宛てた手紙のかたちで書いた最初の日記と、のちに公表することを期して清書した第二の日記である。没後半世紀、いまその全貌が公開される。思春期の夢と悩みを赤裸々に綴る鋭い感性と驚くべき表現力-アンネ像がぐっとふくらみました。今日からこの"完全版"が定本とされる。

感想・レビュー・書評

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  • むかし高校生のころに読んだのは普及版、今回再読は深町眞理子訳完全版。
    第二次世界大戦ナチスドイツホロコースト、ユダヤ人ゆえの迫害の苦しみを知るのはもちろん、同年齢ゆえティーン女の子独特の吐露日記がまぶしかった記憶。
    でも、あれ?完璧な自立志向のしっかりした女の子の日記になっているではありませんか。

    ま、それはまえがきや解説にあるように最初の発行時1947年(わたしが読んだのは1958年!)の時代性で、アンネのオリジナル日記には現代において当たり前のこと、十代における女性の体のことやセックスの興味について忌憚なく書かれていたのを省いていたのであったということ。また他に対するはっきりした批判や自己主張が激しかったのであったから。

    ほんとにしっかりした女の子のアンネ・フランク。思索のしっかりした組み立てなどは将来物書きになりたかったそうだが、なれたよね。「わたしのしの望みは死んでからもなお生きつづけること!」と日記に綴ったその通りに、短い人生がぎゅっと詰まった日記はやはり青春の読書本なり。

  • 最初の方は、アンネはおてんばでお喋り好きなトットちゃんのような女の子だという印象を受けたけれど、読み進めていくにつれて、アンネがユダヤ人であるというだけで背負わなければいけない多大な困難がだんだんと見えてきた。
    ユダヤ人が外に出ることもできずに、怯えながら隠れ家に閉じこもるということが現実に起こっていたと考えると戦争と人種差別の恐ろしさにゾッとする。
    読んでよかった。

  • もし、アンネが生きてりゃ、
    間違いなくノーベル文学賞を貰ってたね。

    これ、俺が今まで読んだ本でも、ベスト3に入る良書だね。
    もし自分が推薦する本を挙げろって言われたら、
    間違いなくこの本を挙げる。

    因みに、この本を読んだのは、
    今から20年くらい前の話。

    でも、この本の内容は今でも深く残ってる。

    だけど、先に断言しておくぜ❓️
    つまんねーから。読み物としては・・

    そりゃそーだべさ❓だって、他人の日記だもんさ。
    他人の日記見てそんな、スゲー面白い❗感動したわー❗
    ・・とか無ぇーだろ❓普通。。

    延々と他人の日記を見るんだもんさ、、
    途中でちょっと嫌気差してくる。

    でも、我慢して最後まで読んでみ❓️
    絶対いいから❗❗

    アンネから学ぶこと、気付かされること、
    この本からたくさんの事を得ると思う。

    そして、今の時代がどんなに自由で幸せで、
    この今の時代、この国に生まれて来たことが、
    どんなにラッキーなのかって事に気付かされるよ。


    多分、アンネって子は、頭いい子だったと思うんよ。
    しっかりしてて、きっといい子だったと思うよ❓️

    当時、14~5才くらいの女の子の日記だよ。

    多感な時じゃん❓️やりたいこともたくさんあったと思う。
    生きることさえさ❓時代が許してくれなかったんだよ。
    そう考えると、俺は何か不憫でならんよ・・

    アンネが生きてた時代に比べりゃ、
    俺らが生きる今の時代ってすげーいい時代なんだよ。

    でも、この時代ってのも、
    自然発生的に生まれた訳じゃ無ぇーんだよな❓️

    そこには多くの血が流れ、先人の尊い犠牲があって、
    この平和な時代を造り上げた、俺らの先祖がいるんだよ。

    アンネの日記を読んでさ❓️色々考えちまうんだよな。
    俺らはこの時代をしっかり生きなきゃいけないんだよ。


    結局、今の時代こうして、平穏無事に生きられるのも、
    そういう時代を作ってくれた人のおかげ。
    その時代をムダにしちゃいけねーんだよ。俺らは。

    この平和な時代をしっかり生きて、
    次の世代にちゃんと紡いでやんなきゃいけないって
    俺は思うんだよな。

  • アンネが文章を書き記したい衝動に駆られ、木の棒で地面に文字を書いて怒られる場面が印象的でした。

  • 10代の女の子が書いた日記とは思えない…面白い

  • 当時のユダヤ人への迫害の様子が眼に浮かぶ。

  • 中学生以来の再読。
    「ずっと昔の遠い国の話」だと思っていたけど、大人になって読み直すと、アンネとの距離がグッと近く感じた。

    10代らしいボーイフレンドの自慢や恋の悩みがあったり、隠れ家での食糧事情など、日々の生活が活き活きと描かれている一方で、ゲシュタポの恐怖に怯えながら暮らす様子の緊迫感たるや…

    ユダヤ人に対する迫害がなければ、勉強も恋も好きなことだってたくさんできたのに、わずか15歳で命が奪われてしまうなんて。
    戦争の愚かさをアンネの日記から、改めて教わった。

  • 2021/1/11 読了
    反省 の箇所から一気に大人びた文章になったように感じた。
    自分だけではなく、他人ともしっかりと向き合う。嫌なことがあっても、理由を見つけて納得し、心の中で消化し、軽快に前に進む。アンネは強い女性だなと尊敬する。

  •  『アンネの日記』は、アンネの13歳の誕生日である42年6月12日から始まります。「あなたなら、これまで誰にも打ち明けれられなかったことを、なにもかもお話できそうです。どうかわたしのために、大きな心の支えと慰めになってくださいね。」第一日の日記にはこう記されています。キティーという友達への手紙というかたちで書かれた日記には、隠れ家生活にはいり、密告によって連行される直前の44年8月1日までの、アンネ・フランクという一人の少女の成長が生き生きと記録されている。

    アンネ・フランク(1929年~1945年)
    ドイツのフランクフルトで裕福なドイツ系ユダヤ人家庭の二女に生まれる。1933年、迫害を逃れオランダのアムステルダムに移住し、42年7月隠れ家生活に入る。44年8月4日密告により連行され、アウシュビッツ強制収容所からベルゲン=ベルゼン強制収容所に送られ、そこでチフスのため死亡。

    (Z会『ほんとうの「国語力」が身につく教科書』より紹介)

  • 想像していたよりも面白かった。
    日記は自分に宛てた手紙の形式で綴られており、約2年2ヶ月の間、毎日ではなく数日おきに書かれている。終了は突然で、日常がプツッと途切れている。
    隠れ家生活がこんなに賑やかで大丈夫かというほどで、みな我が強く摩擦も多い。日記の中の出来事やアンネの考察がなかなかに面白い。感受性がとても強いだけでなく表現力が豊かなため読み手の心にも伝わる。当初はガキだった彼女が、出来事を通して自分を見つめ心身ともに大人になっていく様子が飾らずに描かれている。思春期の子供の思考や行動は自分と重なる部分も多く、時代や文化を超えて共感できる内容だ。
    私は当時の日記を捨ててしまった。思春期を超えて振り返ると恥ずかしく思えたからだ。アンネの日記がそのまま発表となったことは貴重なことだと思う。

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