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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167117030
感想・レビュー・書評
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本棚整理中につき再読 86
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今読むと価値観的にかなり厳しい…という部分があるかもしれないが、非常に理知的にメディアの安易なフェミニズム利用を暴き、かつそれに乗せられる女たちの主体性のなさをインタビューから炙り出しており、なかなか良い本だと思いました。なにより、フェミニズム万歳、女はとにかく正しい、という昨今の風潮にやられている私としましては、女の女の中にある甘さや弱さを直視する姿勢、しかしそれを馬鹿にするわけではなく、慈愛を持って暴く姿勢には大変好感が持てた。もちろん彼女たちは時代の中で苦しんだのかもしれないが、柳のようのフラフラと流されていってしまった部分もあったのだ。
しかし、クロワッサン症候群とは1980年代版東京タラレバ娘といった感じで(というか時代的には彼女たちの方が先輩なのだが)、いつの時代にもこういう女の問題はあるのだなあ…とつくづく感じてしまった。もちろんどちらも「女は結婚すべし!」とか「女の幸せは結婚にある!」などと言って結婚していないことを責めるわけではい。夢もなく、目的意識もなく、人生の意味も見いだせていないのになんとなくつかの間の夢みたいなものを見てしまって、今更後悔して「あ〜結婚さえすれば、私安泰なのにな…」とか思っちゃっているそのタラレバ感を指摘しているのである。どちらの作品もずいぶんと責められたようだけれど、このフラフラとしたタラレバ感というのは日本の女に何十年前からある問題なのだと知ったらなんだか少し安心して笑ってしまったな。 -
雑誌「クロワッサン」に唆されて(?)キャリアウーマンの道を「歩まざるを得なくなった」女性たちを取材。
最近の「クロワッサン」のイメージしかないので、ここで書かれている創刊当時の「クロワッサン」の志向があまり想像できないのだけど・・・。
創刊当時(1970年代末)、「クロワッサン」が提示した「新しい女性像」(働き、恋をし、自由に生きる)に影響を受け、同じような道を目指した女性たちがいた。
そんな彼女たちが「クロワッサン」から10年経ち、実際は行き場をなくしているのではないか、というのがこの本の視点。
この本が書かれたのが1980年代後期(クロワッサン創刊から約10年後)。今となってはそれからさらに30年近く経っているので、女性たちの考え方・生き方も、著者自身の問題意識も今のそれとは当然ずれがある。
今読むと、「女は結局、仕事より結婚に行きつくのか」という印象を持った(著者の視点も、この中で出てくる女性たちの考え方も)。
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松原惇子の作品
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