赫奕(かくやく)たる逆光 (文春文庫 の-1-12)

  • 文藝春秋 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167119126

みんなの感想まとめ

テーマは、著者が三島由紀夫との関係を通じて、自らの人生や日本の文化を深く掘り下げることにあります。三島との交流や彼の影響を受けた著者の視点から、三島の華やかな才能や社会的な敏感さが描かれています。特に...

感想・レビュー・書評

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  • 野坂昭如の目から見た三島由紀夫。実際に交流があった際のエピソード、丁寧な姿勢を崩さず話しかけられ、アメリカでの野坂作品の出版に骨をおってくれた姿。三島の一族と野坂の一族の類似性と対比、など。正直、一族の対比や詳細なバイオグラフィーは、そこまで必要だったのか、と。三島、野坂への影響は認められるにしろ。実際に対面した際の印象や三島文学への見方などは興味深く読んだ。/性倒錯も三島においては擬態でしかなかった。さらにその下に、死への憧れがひそむ、これは分析する必要のない、三島の根っこみたいなものだ。(p.35)/三島は、自らの存在について抱く違和感を、文章を書くことで、まぎらわしたらしい。ぼくは盗みだった。(p.102)/四十五年の生を通じて、しかし三島は胎児のままだった。仮面は胞衣。能面、剣道の面、軍帽、ヘルメット、まことに冠ることが好きであった。(p.152)/

  • 3部構成(オール読物昭和62年1.5.6)
    掲載分をそのまま残したものであろう。

    生前の三島との交流が語られている。現在、三島が生きていれば87歳である。米寿だ。生の記録を最早、書物として残っているものしかなくなってきている。生前の姿を知る生き証人も少ないだろう。三島のイメージ才能あふれる華やかさ、日本美、また、社会的に流行する話題には敏感、才能あふれる新人には助力、勉強する時間は、どうやって作っていたのだろう?ノーベル賞候補の噂があり、海外での著作出版にはお金がかかることなどが書いてあった。あとがきにも示されていたが、本書が書かれた時代が、過渡期であった。三島の幼少時代を知る人々が、死んでいくときであり、著者も、生の声を聞いて書くよりも、前研究者の参考文献を基本とすることが多かったようだ。

    三島誕生以前のことは、明治期の出世没落物語

    幼少時期、戦中戦後、作者を記憶と三島の記録が交錯する。三島は生活上は裕福であるが、心情では浮き沈みがあるように語られる。作者は実生活で変転流布があったようである。
    男色ついて、三島&作者ともに経験はないように書かれている。オチンチンを崇拝すること、男らしさへの憧れなのだろう。しかしこれも一つの「仮面」である。母や女へのあこがれ、求めていることが。深層にあるのではないか。


    三島のキーワードを考えた
    華族、男色、
    詳細な調査(事件見識)
    日本の美(歌舞伎)

  • (1996.12.17読了)(1991.05.11購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    焼跡で読んだ短篇に強姦されたような衝撃を受けて以来、深く三島由紀夫を意識し、三島の激賞によって文壇にデビュー、70年11月の突然の自裁まで、さまざまな形で一方的な「恩恵」を受け続けた著者が、父祖の地、幼時体験をはじめとする三島と自らとの数奇な共通項をたどりながら、十七回忌にあえて描いた三島由紀夫の禁忌。

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著者プロフィール

野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

「2020年 『「終戦日記」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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