男の一生 下 (文春文庫 え-1-14)

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167120146

みんなの感想まとめ

物語は、姉川の戦いを経て秀吉が天下人となる時代に進み、彼の変貌や権力の影響を描いています。秀吉はかつての姿とは異なり、傲慢な態度を見せるようになり、彼に仕える将右衛門の人生にも暗い影が差し込む様子が印...

感想・レビュー・書評

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  • 一介の地侍だった前野将右衛門は秀吉に仕え、但馬十一万石の大名に。しかし主人の秀吉は人が変わったように自分の権勢に執着。更に生まれた我が子のために、徐々に後継者・秀次を疎みはじめる…。

    上巻は将右衛門、小六、秀吉の関係が良かったのに…。秀吉の人が変わり、小六が死に淀君の暗躍で徐々におかしくなっていく感じが悲しい。秀次事件のあたりは、なんだか迫力があり引き込まれた。良い本だった。

  • 下巻では、姉川の戦いで信長が浅井・朝倉連合軍を破ったあと、十八年という時間を超えて秀吉が天下人となったころに話が進みます。

    秀吉は、かつての彼とはちがって傲岸な態度を示すようになり、彼に仕える将右衛門の晩年に暗い影が差すようになります。淀殿は、みずからの子を太閤の跡継ぎにしようと画策して、関白の秀次を追い落とすための工作をおこない、将右衛門はその陰謀に巻き込まれることになります。

    キリスト教の信仰に忠実に生きる道をえらんだ高山右近や、「死ぬ時は、死ぬがよし」と語った千利休の生きざまに強い印象を受けた将右衛門は、故郷の木曾川に帰りたいという思いをいだきながら、その生涯を終えます。ここには、著者の代表作の一つである『深い河』に通じるモティーフが感じました。

  • 下巻は秀吉を間接的に表現する事で晩年の権力者の凄味が出て面白かった。

  • 小六の死後は、特に前野の寂しさは募るよな。

    どうして権力を持つと、秀吉もこうなってしまうのか。

    早く引退しないといかんよな。

  • <本の紹介>
    秀吉に仕えて一介の野武士から十一万石の大名に、やがて悲運の最期をとげる前野将右衛門の生涯を、新史料を駆使して描く戦国ロマン。
    -----

    上巻を忘れないうちに一気に読もうと思って読んだ本。

    時代が違えば生き方も変わったろうに、本当に難儀な時代だったなと思いました。
    あと、上司(この場合秀吉)が暴走してしまったときの部下の悲惨さ。

    戦う理由も、勝てる見込みもない戦いを強いられた朝鮮出兵。大将不在の戦線で苦戦を強いられ、報告すべき実情を報告できない(悪い報告をすれば殺されるから)内情とそれによりますます弱体化する戦力(補強を求める報告じゃないんだからしょうがないけど)。。。
    この時代にもあるんじゃないかな。

    自分(秀吉)が立身出世を夢見て、部下をおだてて、同僚をうまく使い、底辺からやっと手にした頂点。
    でもそこに立った途端に自分が全権を握ってふんぞりかえって、ろくに下の面倒も見なくなったら部下の心は離れていく。部下が上司についていく理由が、「この人についてくと偉くなれるから」って理由なら、ある程度までは許容するかもしれない。
    でも、「この人の下で働きたいから」なら、求心力を失えば離れていくんじゃないかな。どんなに上司が偉かろうが。
    そして、それはイコール「対抗勢力の台頭」を意味する。そっちに勢いがあれば、「妻子を守るため」って理由で仕えてた部下は元々忠誠心より一族優先であれば離れるかもしれない。

    部下が何に自分の価値観を置いていて、なぜ自分と一緒にいるのか、その理由がわかってない上司は、危険かもしれないすね。その人が近くにいてくれて当たり前、何でも言うこと聞くのが当たり前、そんな当たり前はない。
    翻って、俺はどうだろう。一緒にいてもらえるだけの理由を持ってもらえてるだろうか。
    そんなに一緒にいることでメリットや楽しみを感じてもらえる人ではない気もするし、まだまだ頑張んないとですかね。

    この本、最後ちょっと劇的な終わり方をするんですが、それも端を発したのは秀吉だった。
    ちょっと離れたところから冷静に助言を与えてくれる仲間を持たなかった彼は、結局自分が偏っていくことに歯止めをかけることができなかった。後に引けないって思いもあったのかもしれないけど、相手をどれだけ軽視していたかが最後に露呈してしまったのは、彼が自分の成長を止めてしまったからじゃないか、そんな気もしました。

    いろいろ思うところのある、一生でした。
    自分はこの乱世にどう生きるのか。よく考えないとですね。

  • 前野将右衛門の物語

  • 秀吉に仕えて一介の野武士から十一万石の大名に、やがて悲運の最期をとげる前野将右衛門の生涯を、新史料を駆使して描く戦国ロマン

    2008.6 読了

  • 豊臣秀吉に仕えていた前野将衛門て方のお話し。
    蜂須賀小六でもなく、竹中半兵衛でもないのが通ね。通。
    下巻に続くのでありんす。

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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