行動学入門 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 859
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167124014

作品紹介・あらすじ

行動は肉体の芸術である。にもかかわらず行動を忘れ、弁舌だけが横行する風潮を憂えて、男としての爽快な生き方のモデルを示したエッセイ集。死の直前に刊行された。(虫明亜呂無)

感想・レビュー・書評

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  • 明るい時の三島由紀夫・・・好きだー!読んでいて、なんだか興奮してくる感じが面白かった表題のエッセイ「行動学入門」も好きだけど「おわりの美学」が個人的には好きだった。文章の硬さと内容の軽さのバランスがちょうどよかった。

  • 以下引用。

    清潔なものは必ず汚され、白いシャツは必ず鼠色になる。人々は、残酷にも、この世の中では、新鮮、清潔、真白、などというものが永保ちしないことを知っている。だから大いそぎで、熱狂的にこれを愛し、愛するから忽ち手垢で汚してしまう。

  • 普通の小説も書けるし、こういうエッセイも書ける。
    あんな極端な死に方をする人には思えないけれど、所々にその片鱗を見せています。

  • 本書に収録されている、「革命哲学としての陽明学」に三島自死の理論的背景を垣間見る。
    中国で生まれた陽明学が大塩、松蔭、西郷、乃木と日本で濾過されてきたことを根拠に、陽明学のナショナリズム化を図っている……と、この小論を単純化することは易しいだろう。いずれにせよ反時代性を貫くことのできる純粋な理論であれば、それは何ものであろうとも三島的であったのだと思う。たまたま先の大戦をまさに戦中世代として経験したが故に、平和な時代の空気やポリティカルコレクトネスとなったた左派思想に大衆社会的な欺瞞性や醜悪さを感じていたのではないだろうか。
    理念の未達を前提とした政治、それでも極めて有効的な政治。それらに対する、精神的な闘いの手法として陽明学を提示する。しかし陽明学はそれ自身が現実的には無効であるが故に価値をもつ思想である。有効に対する無効。にもかかわらずなぜ三島は迷わず無効を選択することができるのか。それはニヒリズムを通過した上で価値の選択しているからだ。
    その闘いには敗北が運命付けられているように見える。また三島も確信していたのではないだろか。しかし、行動への衝動を抑えることはできなかった。時代の欺瞞性を看過することのできなかった三島が、いかに潔癖なまでに行動を重視したか。そんなことをあらためて思い知らされる。

  •  
    ── 三島 由紀夫《行動学入門 19741025 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167124017
     
    (20170326)
     

  • 2003 読了

  • 革命の哲学としての陽明学、のみ読了。/「良知」とは、単に認識の良知を意味するものではなく、「太虚」に入って創造と行動の原動力をなすものであり、また一見、武士的な行動原理と思われる知行合一は、認識と行動の関係にひそむもっとも危険な消息を伝えるものであった。/「身の死するを恨まず、心の死するを恨む」(大塩平八郎「洗心洞?記」)/肉体の生死をものともせず、ただ心の死んでいくことを恐れる人があるからこそ、この社会には緊張が生じ、革新の意欲が底流することになるのである。/

  • 〈われわれの肉体的行動は、男である以上戦いなしにはあり得ない〉

    三島由紀夫が全力でエッセイ書いたらこうなった。マッチョすぎる。心臓に毛が生えてる。

    Ⅰ 行動学入門
    Ⅱ おわりの美学
    Ⅲ 革命哲学としての陽明学
    正直Ⅲは難しくて分からなかった。出直します。

    Ⅱ おわりの美学 が傑作で、結婚、見合い、流行、仕事をバッサバッサと終わらせまくります。
    童貞学校ってなんだよ……。

  • 学校とは、だれしも少し気のヘンになる思春期の精神病院なのです。これは実に巧みに運営されていて入院患者(学生)たちには、決して「私は頭がヘンだ」などとは気づかせない仕組みになっている。試験とは、この頭がヘンな連中に「私は正気だ」と確信させるための手続きであって、答案を書けば自分は正気だという安心をいだける仕組みになっている。学校では完全な羞恥心の欠如がゆるされる。本当の卒業とは、「学校時代の私は頭がヘンだったんだ」と気がつくことです。「大学をでたから私はインテリだ」と思っている人はいまだに頭がヘンなのであり、学校は一向に終わっていないのだというほかありません。

  • 読書のおわり。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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