若きサムライのために (文春文庫 み 4-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167124038

感想・レビュー・書評

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  • 戦後20年が経過した頃に書かれたもので、当時の社会問題である学生運動、左翼・右翼、安保条約、自衛隊問題などの状況を踏まえて書かれている。明治、大正、戦前戦後の昭和の流れについても触れていて、そのあたりが少し明らかになった。どの話にも一貫していることは、三島が憂いや将来の可能性を抱きつつ「日本」や「日本人」について言及していたということ。

  • 話がズレルけど。掲示板っていうのがますます問題になってるでしょ。ボクも見たことあるけどあまり気分のいいものじゃない。いろんな事情があるんだろうけどそれを差し引いても人を血祭りにあげるような文章を武器にしちゃツライよ。「なんでダメかって?」ミシマは掲示板を見たことも聞いたこともなかったけれど日本刀でバッサリ斬っっちゃったよ。気になる人は91Pを見てください。そういう他人の言葉を拝借してしまうのもなんなんだけどさ。「ダメなものはダメ」って伝えにくいでしょ。精神と肉体の関係についてそれが美だそれが行為だとか。ああだこうだいってもそうだけど。目の前のおばあちゃんに席を譲ってあげることにフクザツな理由はないでしょ。って。ミシマを肯定的に考えるってそういう地点からじゃないのかなあ。

  • 三島由紀夫を、惚れ直すに違いない。この絶妙なバランス感覚、そして誇り高き美意識。三島の最期は、三島の生きた証に、更なるスパイスを加えたのだと私は思っている。どこまでかっこいいんだ、三島由紀夫。今も決して色褪せることを知らない三島の言葉の数々と先見の明には脱帽するしかない。これほどまで誇り高き日本人が確かに存在したことを、決して忘れまい。

  • 三島の神髄を見た気がします。

    本当の芸術とは、真の文学とは、ナショナリズムとは、知識人はどうあるべきか、「若きサムライ」とはどうあるべきか。

    三島の小説は、人間の醜さや弱さ、運命の過酷さなんかがむきだしにされて書かれてあって、読むのがしんどい。三島を読む前には、気合いを入れないと読めない。お手軽に読める小説じゃない。
    でも、それこそが真の芸術としての小説。吉川英治じゃダメ。

    三島の文章からは、『奔馬』の飯沼勲の言動を思い起こされる文章がたくさんあって、(剣道と神前、にぎりめし、切腹、憂国)やっぱり勲は三島なんだと改めて思う。

    エッセイ「お茶漬けナショナリズム」にはやられた。中国に住んで、日本の時代小説ばかり読んでる私のナショナリズムはお茶漬けナショナリズムだ。。

  • 三島由紀夫のエッセイと対談内容。書き文章とは違い、喋りは結構くだけているのが特徴的。内容的にはイデオロギーが中心、特に若い人向けとは感じない。こういう内容の本を読むのならこれでなくても(例えば田原×石原対談の本とか)他に優れた候補があるように感じる。

  • 激烈な批評だと思います。人間の精神に対する。日本人への。特に青年への。そして、大いなる鼓舞だと思います。日本という文化、それを担う当時の日本人の若者、その当時だけでなく、現在のそして未来への若者へのほとばしる情熱の受け渡しだと思いました。三島由紀夫という日本人としての個が、次世代の若者に懸命に語っている感じです。彼は自負していたのでしょう。自分がこういう役目をすべきだという、自負があったのでしょう。そして、彼は現状に失望しながらも、未来を信じている。だからこそ、このエッセイを書いたのだろうなぁと思いました。

  • よむよむ第55回

  • 武士道とは死ぬこと見つけたりぃぃいーー。
    いつ死んでも後悔がないように本気で生きる。

  • 三島由紀夫が死ぬ1年前に書かれた本。

    三島由紀夫の強烈なメッセージというか

    本心みたいのがすごい感じました。

    小説はまだ読んだことないけど、読んでみたいです。

  • 若い人たちがどのようなことを考えていけばいいか、教えられますが、偏りがあるような・・・。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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