ロマネ・コンティ・一九三五年 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1981年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167127046

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

深いテーマと緻密な描写が織りなす短編集は、読者を魅了する多様な物語を提供します。各短編は、釣りやワイン、阿片といった特異なテーマを通じて、怠惰や死の気配、静かな絶望を描き出し、時代の記憶を呼び起こしま...

感想・レビュー・書評

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  • なんだか旅をしたくなる。
    食べたことがないものを食べてみたいと感じた。

  • 古本屋でハードカバーのものを購入したが、文庫しか出てこなかったので古い方のこちらで登録。
    阿片やワイン、釣りの話から展開していく短篇6篇。
    「渚にて」は釧路が出てくる。何度も行ったことがある土地ということもあり強く惹かれたが、悲しくもあった。
    「ロマネ・コンティ・一九三五年」はロマンティックな話だった。何度も読み直したい。
    読み終わってから、以前から持っている開高さんのエッセイを読み直した。この短篇の中に出てくる内容と同じ話があった。実話を膨らまし展開することで、短篇が1つ出来上がったことを知れて良かった。

  • 再読。
    深く、濃厚。雨の日だとか夜だとか、明るすぎない、薄暗く静かな空間で読みたい短編集。

    「玉、砕ける」
    己の皮膚から削り取られ丸められた垢の玉と、時代の変化に翻弄され不審死を遂げた老作家の記憶。

    「飽満の種子」
    阿片の魔力と、それに取り憑かれた人間に迫る死の気配。怠惰で鬱々とした空気

    「貝塚をつくる」
    ベトナム戦争から脱走し、無人島に隠れ住む若者が積み上げる貝塚。いつ終わるかも分からぬ戦争と、1人の男の生の営みから生まれる地層の記憶

    「黄昏の力」
    うらぶれたストリップ劇場の湿った臭い。生命力とは反対の、冷え冷えとした感覚と物悲しさすら感じられる倦んだショウと、それをじっと見つめる観客たち

    「渚にて」
    釣り狂の男達。北の大地で自然と共に暮らす男の静かな絶望

    「ロマネ・コンティ・一九三五年」
    1本のワインから蘇る、時代の記憶。眠り続けたぶどう酒の上澄みが見せる、死の舞踏の人形劇と未練と共に踊る女の記憶…

    開高先生と言えば…な食の描写も、それ以外の描写も緻密だが「どろん」とした柔らかさ、怠惰の気配が短編集全体にある。それが自分としては心地好い。リラックスして手足を伸ばし、ゆったりと読みながら 作家「私」の記憶に思いを馳せる

  • 釣り、阿片、ワインなど6つの短編それぞれにテーマがあり、それらの持つ魔力を圧倒的な表現力で描いている。
    表現や比喩、言葉の豊富さにはまさに圧倒された。それらから描写されるテーマごとの魅力は、『魔力』と呼ぶにふさわしく、読者自身がどうしても手を出してみたくなってしまう。どれも一般人には簡単に手を出せるものではない。だからこそ、渇望を生まれ、魔力を大きくする。

    名酒中の名酒ロマネコンティは枯れていた。しかし、その中からも飲むものの奥底にあった記憶を想起させるような魔力は失せていなかった…。その味わいを賛美し、千の言葉で褒め称えるのが当然だと思っていた私には衝撃だった。

  • 著者の作品はほぼ読んでいると思う。
    この珠玉の短編集は大変読み応えがあって再読した。

  • 読後感が村上龍に似てる気がする、勘違いかもしれませんが。個人的には好みではない文体で正直あまり入り込めなかったけれど、それでも読ませる圧が確かにあります。
    酒と食べ物の描写の生々しさは秀逸かと。

  • 猥雑で混沌としてた少し前の日本や世界の情景を感じさせるリアルな文体。とりわけ酒に対する描写は秀逸

  • 「GRAND BAR by TOHUEMON」おすすめの一冊
    http://www.omn.ne.jp/~goody/grandbar.htm

  • 日本の短編集の中でも最上質の一つと信じる。
    僕はこれを大学時代に読もうと思ったけど、最初の「玉、砕ける」で全然手ごたえがなく面白みも感じなかったので、あとが進まなかった。
    僕は今40代後半だが、ちょっと年をとらないと分らない味というのが、文学でも音楽でもあるように思う。いろんな段階がありえるだろうが、僕が唯一はっきり意識できたのが、30歳あたりにあるそういう境目。それまで良さが分らなかったものの多くのものの良さが分った。あとは僕の場合、35歳でも45歳でもあんまり変わりないように思うのだが。
    これは40歳を過ぎてから読んだけれど、濃くて深い味のあるフランス料理の一品をたべたような満足感をどれも与えてくれた。
    大学の時分らなかった「玉、砕ける」は、人間の無力感がテーマなのだと思い、いいと思った。

  • 開高健はどれを読んでも面白い。これもかなりオススメできる。なにせ読みやすい。6編の短編小説が収録されている。うち、前から4つが面白い。タイトルにもなっている6編目のロマネ・コンティだけは平凡な気がする。

  • 読み手の感性に問いかける内容です。一文一文味わってみてください。

  • 語彙力に脱帽。これはかなわん。

  • 傑作!!!

  • 6つの短編小説を収めた短編小説集。それぞれがいつ書かれたのかは分からないけれども、晩年の作かと思う。それぞれの小説は酒やグルメ、阿片、釣り等がテーマ、というよりはモチーフとなって書かれている。阿片はともかく、酒・美食・釣りは開高健が生涯愛したものであるが、これらの小説は、酒について/美食について/釣りについて書かれたものではなく、それらは単なる小説の中の道具立てとして使われているだけである。それぞれの作品毎にテイストも違うが、例えば、希望、というような明るいものを書こうとした訳ではないだろう。どちらかと言えば、重い、悲しい、というようなカラーの小説ばかりである。6編全部でも文庫で200ページに満たない本ではあるが、軽く読み流すことが出来ず、読むのに非常に時間がかかった。

  • 2007/2/9読了

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著者プロフィール

開高 健(かいこう・たけし):1930年、大阪生まれ。大阪市立大学を卒業後、壽屋宣伝部(現サントリー)にてコピーライターとして活躍。同時に創作を続け、57年『パニック』でデビュー。58年『裸の王様』で芥川賞、ベトナム戦争現地へ赴いた経験に基づく『輝ける闇』で68年に毎日出版文化賞、79年『玉、砕ける』で川端康成文学賞、81年に一連のルポルタージュ文学について菊池寛賞を受賞。ほか『日本三文オペラ』『ロビンソンの末裔』『オーパ!』『最後の晩餐』など、代表作・受賞歴多数。89年逝去。

「2024年 『新しい天体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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