天と地と 上 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年3月10日発売)
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感想 : 49
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  • 本 ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167135430

感想・レビュー・書評

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  •  主人公である上杉謙信の先代から幼少期にかけてが描かれている。当時の社会や風景、そして価値観の描写について、なるべく現代の善悪論や価値観というフィルターを通さずに描かれているように感じられた。現代的にまとめられた勧善懲悪のドラマを求めると、面白みに欠けるのかも知れないが、現代風のアレンジがないところに、歴史小説としてリアリティを感じられた。物語序章であり、ドラマチックな展開は少ないが、今後の展開に期待が持てる序章であった。

  • 長尾景虎の幼少期から青年初期の人物像を思い描けた。賢く勘が鋭く潔癖。そして激情的。景虎が自分の息子ならどんなふうに接していたかな。

  • 主人公は長尾景虎(のちの上杉謙信)だが、上巻はほとんど父・為景の活躍が中心で景虎は幼少期ということもあり、存在感は薄い。リアルな戦国時代の雰囲気が伝わってくる作品ではある。今後面白くなると期待して、読み進める。

  • 上杉謙信幼少時代。始めに父・長尾為景と猛将柿崎景家の話が多く必要ないんじゃと思ったが、読み進むうちにそんなことはないと。史実をドラマティックに描く力が凄い。

  • 感想は「下」で書く予定

  • ~全巻通してのレビューです~

    上杉謙信の物語。

    本作は私が生まれるより前に書かれた作品ですが、
    司馬先生の戦国物にちょくちょく謙信が出てきて興味がわいたので読んでみました。

    父為景から実子でないのでは?と疎んぜられて養子に出されたりした少年時代から、ライバル信玄と川中島で決戦するまでが描かれています。

    海音寺さんの小説は読んだの初めてですが、少し時代背景や景色・地形の説明が多く読んでてリズムが生まれにくかったですね。
    でも、謙信の人柄はよくわかりましたし、成長過程も理解できました。

    謙信は女を絶ったのですが、当時は珍しいことではなかったようです。
    武勇を重んじる人に多かったようです。

    あとがきで作者は日本人は歴史上に6つの大ロマンを持っていると書いています。
    1.源平の争覇の物語
    2.楠木正成を中心にする南北朝の抗争の物語
    3.川中島合戦を中心にする甲越両雄の争戦の物語
    4.織田、豊臣、徳川の覇者交代の物語
    5.赤穂浪士の物語
    6.明治維新の話

    2と5はほとんど知らないので(テレビドラマで見ただけのレベル)、また時間的余裕ができたら読んでみようと思います

  • 羽生結弦選手がプログラムの題材に選んだということで興味を持ち、読み始めました。景虎(虎千代)の人生が中心になってはいますが彼の周辺についての記述も多く、周辺人物や環境についても理解しながら読み進めることができます。

    そのため、今までは上杉謙信についてはほとんど知らずという状況でしたが、難なくページを繰ることができました。戦に優れながらも人情に厚く、学もあったという謙信の後世の評価を念頭におきながらこの幼年時代のエピソードを読むととても面白かったです。その完璧に見える中でも人間味のある部分、子供らしい部分は親しみ深く、景虎という人物の魅力に惹かれました。

    兵を上げ、この先景虎はどういう人生を辿っていくのか。続きを読むのがとても楽しみです。

  • 景虎の幼少期、青年になってからのことしか知らなかったので父親に疎んじられていたとは知らなかった。

    昔の文章で書かれているので読みづらいのであまり進まず。

  • 父親の長尾為景の物語(前半)はかなり退屈だけど、
    景虎(のちの上杉謙信)が少年になる後半から一気に面白くなる!

  • 上杉謙信、十五歳までを描く上巻。
    父や兄たちから見捨てられ、孤独な幼少期を過ごした。
    不遇の時を経て、乱れた越後の国をどう、平定していくのか。
    海音寺潮五郎、会心の一作。

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著者プロフィール

(かいおんじ・ちょうごろう)1901~1977。鹿児島県生まれ。國學院大學卒業後に中学校教諭となるが、1929年に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募した「うたかた草紙」が入選、1932年にも「風雲」が入選したことで専業作家となる。1936年「天正女合戦」と「武道伝来記」で直木賞を受賞。戦後は『海と風と虹と』、『天と地と』といった歴史小説と並行して、丹念な史料調査で歴史の真実に迫る史伝の復権にも力を入れ、連作集『武将列伝』、『列藩騒動録』などを発表している。晩年は郷土の英雄の生涯をまとめる大長編史伝『西郷隆盛』に取り組むが、その死で未完となった。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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