天と地と 上 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167135430

作品紹介・あらすじ

戦乱の続く越後の国。守護代・長尾為景を父とする虎千代は、幼くして母を失し、父に故なくして疎んじられた挙句、養子に出されるも、忠臣金津新兵衛や百姓出の娘松江らに守られて武将の子として成長していく。天文五年(1536)に元服、喜平二景虎と名乗った。後の上杉謙信である。

感想・レビュー・書評

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  • 感想は「下」で書く予定

  • 長尾景虎の幼少期から青年初期の人物像を思い描けた。賢く勘が鋭く潔癖。そして激情的。景虎が自分の息子ならどんなふうに接していたかな。

  • ~全巻通してのレビューです~

    上杉謙信の物語。

    本作は私が生まれるより前に書かれた作品ですが、
    司馬先生の戦国物にちょくちょく謙信が出てきて興味がわいたので読んでみました。

    父為景から実子でないのでは?と疎んぜられて養子に出されたりした少年時代から、ライバル信玄と川中島で決戦するまでが描かれています。

    海音寺さんの小説は読んだの初めてですが、少し時代背景や景色・地形の説明が多く読んでてリズムが生まれにくかったですね。
    でも、謙信の人柄はよくわかりましたし、成長過程も理解できました。

    謙信は女を絶ったのですが、当時は珍しいことではなかったようです。
    武勇を重んじる人に多かったようです。

    あとがきで作者は日本人は歴史上に6つの大ロマンを持っていると書いています。
    1.源平の争覇の物語
    2.楠木正成を中心にする南北朝の抗争の物語
    3.川中島合戦を中心にする甲越両雄の争戦の物語
    4.織田、豊臣、徳川の覇者交代の物語
    5.赤穂浪士の物語
    6.明治維新の話

    2と5はほとんど知らないので(テレビドラマで見ただけのレベル)、また時間的余裕ができたら読んでみようと思います

  • 羽生結弦選手がプログラムの題材に選んだということで興味を持ち、読み始めました。景虎(虎千代)の人生が中心になってはいますが彼の周辺についての記述も多く、周辺人物や環境についても理解しながら読み進めることができます。

    そのため、今までは上杉謙信についてはほとんど知らずという状況でしたが、難なくページを繰ることができました。戦に優れながらも人情に厚く、学もあったという謙信の後世の評価を念頭におきながらこの幼年時代のエピソードを読むととても面白かったです。その完璧に見える中でも人間味のある部分、子供らしい部分は親しみ深く、景虎という人物の魅力に惹かれました。

    兵を上げ、この先景虎はどういう人生を辿っていくのか。続きを読むのがとても楽しみです。

  • 景虎の幼少期、青年になってからのことしか知らなかったので父親に疎んじられていたとは知らなかった。

    昔の文章で書かれているので読みづらいのであまり進まず。

  • 父親の長尾為景の物語(前半)はかなり退屈だけど、
    景虎(のちの上杉謙信)が少年になる後半から一気に面白くなる!

  • 上杉謙信、十五歳までを描く上巻。
    父や兄たちから見捨てられ、孤独な幼少期を過ごした。
    不遇の時を経て、乱れた越後の国をどう、平定していくのか。
    海音寺潮五郎、会心の一作。

  • 長尾景虎がいかなる幼少期を過ごしたのか。という話で終わったな。
    簡単に調べて見たけど、景虎の幼少期は大雑把にしか分かっていないみたいだから、大部分を創作と考えた方がいいんだろうな。まあ、それでも面白かったけどな。
    これを読むと戦国大名の長尾家は為景の時代に成立し、それでも完全には統治できていない事がよくわかる。この辺りが景虎、景勝時代まで残り続けていたんだなとよくわかる。

  • 1970年代 読了

  • 2017.7.23
    景虎の幼少期の話。ずば抜けて賢い。海音寺潮五郎の小説は重みがあります。

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著者プロフィール

(かいおんじ・ちょうごろう)1901~1977。鹿児島県生まれ。國學院大學卒業後に中学校教諭となるが、1929年に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募した「うたかた草紙」が入選、1932年にも「風雲」が入選したことで専業作家となる。1936年「天正女合戦」と「武道伝来記」で直木賞を受賞。戦後は『海と風と虹と』、『天と地と』といった歴史小説と並行して、丹念な史料調査で歴史の真実に迫る史伝の復権にも力を入れ、連作集『武将列伝』、『列藩騒動録』などを発表している。晩年は郷土の英雄の生涯をまとめる大長編史伝『西郷隆盛』に取り組むが、その死で未完となった。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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