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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784167136222
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映画と現実の境界を探る物語が展開され、主人公は三流怪奇映画の監督、マックス・キャッスルの正体を追い求めます。彼の作品に秘められた得体の知れない魅力が次第に明らかになり、怪しい孤児たちや宗教団体が絡む複...
感想・レビュー・書評
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上巻よりもダークで迫力があります。
映画の歴史としてはある程度まで史実にのっとり、思いもよらない陰謀を疑いながらも、先が読めない展開の連続で、おおっと呻らされます。
20年後、ジョニー・ゲイツは、大学の映画学科教授となっていた。
怪しげなホラー映画を遺して1940年代に消えた監督マックス・キャッスルのことは、学生時代以来、ずっと調べ続けている。
キャッスルの作品には、技巧を凝らした陰のメッセージがあるらしいのだ。
アングラ映画が流行る時代となり、クラシック座にはマリファナをやりながらきわどい映画を見る若い連中がたむろしていた。
見るのが苦痛なほどやたらとスキャンダラスな映像ばかりなのだが、研究者の義務として見続けるうちに、ジョニーは毒されていく自分に気づく。
そんな中で、恐ろしい内容だが技巧が際立つ映画を発表して人気が出始めた監督サイモンを紹介されることに。
まだ10代のサイモンは、マックス・キャッスルを尊敬している様子が作品にも表れていて、ジョニーとの面会を望んだのだ。
キャッスルが子供の頃に育ったのと同じ孤児院で暮らしているサイモン。
キャッスルの作品に出てくる謎の象徴は、孤児院を経営する修道会のものらしい。
サイモンを評価するジョニーを歓迎する様子の教団だが、どういう教義なのか問うと言を左右にはぐらかす。
若い恋人と上手くいかなくなったジョニーは、クレアのいるニューヨークに旅立つ。
洗練された裕福な女性になっているクレアだが、ジョニーの話を親身に聞く。
紹介されたアンジェロッティは、かってキャッスルのことを調べていくうちに見つけた論文の作者で、元ドミニコ会修道士だった。
今も暗躍するカタリ派の陰謀を探るよう、協力を申し出られるが‥?
映画の成り立ちに関わる内容が興味深く、そのへんについては‥ネタばれしないほうがいいかな。
中世史の教授など、ジョニーが教えを請う人物は広範囲にわたります。
この世界が破滅に向かっているのかどうか?
映画はそれにどう関わっているのか‥
考えたこともないことが印象に残り、一部はうっすらと気づいていたような気にもなってきたりします。
ちょっと「薔薇の名前」と「ダ・ヴィンチ・コード」を連想しますね。
キリスト教カタリ派に興味があればケイト・モス「ラビリンス」をおすすめします。雰囲気は違いますけど~面白い歴史ミステリです。
著者は1933年生まれ。主人公と同じくUCLAに学び、大学教授となる。文明批評家でもあり、全米図書賞を2度受賞。
1991年この作品を発表。小説としては4冊目。
1999年版(1998年12月発行)「このミステリーがすごい!」の海外編年間ベスト1を獲得。
2008年までの20年間のベスト・オブ・ベストでも7位に。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロサンゼルスの映画学科大学教授である「僕」はふとしたことからマックス・キャッスルという監督のことを知る。作品は三流怪奇映画ですが、映像にある得体の知れないものに魅せられる。次第に明らかになるキャッスルの正体。彼はフィルムの中にある何かを隠していたのです。やがて、彼の黒幕には、怪しい孤児たち、宗教団体が絡んでいて…。
小説には「マルタの鷹」のジョン・ヒューストン監督、「市民ケーン」のオーソン・ウェルズ監督も登場。マックス・キャッスルなる監督は実在したのか?読者は戸惑いながらも、虚実を行き交うストーリーの面白さに先を急ぐでしょう。
最初はややゆっくりな展開に感じますが、キャッスル監督の幻の作品がふとしたことから見つかるところくらいになると、止まらない。
この小説のすごいところは、読者はキャッスル監督の映画を見ることができないのに、それを見たような気分になること。映画ファンなら、次々と出てくる映画の古典の題名にも、興味を覚えるだろう。特に、ウェルズが製作、キャッスルはこの撮影に協力しながらも、完成しなかったジョセフ・コンラッド原作の「闇の奥」のエピソードは面白い。
「闇の奥」は後にフランシス・コッポラが「地獄の黙示録」の原作としても知られている。
この小説の虚実皮膜の構成は、映画そのものとシンクロする。つまり、映画というのは、現代が発明した「ペテン装置」とも言える。映像は動いているように見えますが、それを構成しているのは1秒24コマの写真の連続で、光と影で構成されている。
普通の監督は、いかにフィルムに光を焼き付けるかに腐心するわけですが、キャッスルは映画の中に隠す。この辺りの発想が面白い。
それを突き止めようとする主人公は”闇の奥”へと進んでいく。文庫版はすごく分厚い上下巻ですが、読み始めると、気にならない。ミステリーファン、映画ファンを魅了する一冊。 -
宗教(神学)的ミステリーとしては、かなり食い足りない。が、物語としては、構成も上手いし、読者を惹きつけるところがあると思う。ただし、下巻では、青年の成長物語と時代背景とに乖離があることを前提としているため、上巻の興味がそがれた感がある。時代への批評的スタンスはあり。下巻は★3.5くらい。全体にセンスのいい小説…という印象。
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一見凡作にしか見えないフィルムの何がここまで主人公の心を惹きつけるのか?
この小説を読み終えると映画の見方が少し変わると思います。
ものの見方を変えてくれる作品というのは数少ないもの。何度も読み返したくなる名作です。 -
このミス海外編1999年半1位。最近国内の簡単なやつを続けざまに読んだので、海外の骨太のやつもきちんと落ちついて読んでいけば面白いじゃんと思いながら読み始めた。上巻読んでるときはサブミナル映像を編み出した人とその影響とかが謎解きの主要テーマなのかなと思ったら、そんなものはあっさり上巻で終わって、下巻は秘密結社とのからみになってくる。そういったのは、たんなるお話かと思いきや、本当にそういう団体がいまも暗躍してるんですよって内容。でも、ほとんどは、映画における特殊効果を含む映像表現の意味や影響について語られており、最初はなんだか、文章だけで映像表現するのすごい技術だねーて、関心したけど、やっぱり本当の映画好きでないとついていけません。解説が長すぎで飽きました。って言うか下巻は急速に興味がなくなっていって、ほとんど何言ってるのかわからん状態でした。
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エンディング近くからは驚愕のストーリーとなっていったが、今でも、充分、読み応えのある小説。ただ、確かに、このままでは、トンデモ小説と思われるおそれもありか。逆に、現実の方が、小説を凌駕しているかも。
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読みたかったけど、長い間品切れ。一時帰国のとき、ブックオフで偶然見つけました。
1998年の「このミス」ベストワンであること以外は全く知らずに読書開始。すぐに、ぶったまげました。
まずは、つかみの悪さ。決して好ましい性格とは言えない登場人物の紹介が延々と続きます。本書は細かい文字で上下巻1000ページを越える大長編。しかも、セリフの中には映画の薀蓄、余計とも言える修辞的表現が続き、結構手強いです。さらには、ストーリーがなかなか進みません。
1時間で投げ出してもおかしくない本ですが、完読して、しかも満足度は★★★★★でした。
1960年代初頭、うらぶれた名画座で主人公はマックス・キャッスルの映画に出会います。キャッスルはB級ホラーの下らない映画がわずかに知られているだけの監督。しかし、彼の作品を見て、主人公はその映画に隠された魔に魅入られてしまいます。
本書は後々UCLA映画学科の教授になる主人公がキャッスルの謎に迫る姿を描きます。
圧倒的なディテールと、オーソン・ウェルズやジョン・ヒューストンなどの実在の人物を登場で、ノンフィクションではないかと錯覚を覚えてしまう上巻。テンペル騎士団やカタリ派が絡み、想像を絶する荒唐無稽なストーリー展開となる下巻。最初の数時間を我慢すれば、読書の楽しさが十分味わえるミステリーです。
ただし、やはり、ある程度の映画ファンでなければ本書はきつい思います。「ローズバッド」という言葉は知っているけど、「二十四時間の情事」は未見の映画ファン(すなわち私)であれば、十分楽しめます。「薔薇の名前」が楽しめた人は必読です。 -
高い評価を得ている作品だが、さほど映画の世界に思い入れのない私にとっては困った代物だった。
本筋を単純化して述べれば、草創期のサイレントから70年代サブカルの隆盛期まで、退廃的ホラーの制作に、十字軍の時代から迫害され続けてきたキリスト教のカルトが関わっていたという何とも暗鬱な話である。フィルムにサブリミナルなどの特殊な加工を施し、陰惨な映像を脳内に植え付けることで性的欲望を減退させ、究極的には人類滅亡を謀る。つまりはハルマゲドンを狂った宗教組織自体が企む訳である。主人公の映画研究家は、カルトの主力として過去に活動した映画監督キャッスルに入れ込み、知らずの内に闇の世界へと足を踏み入れる。そして、キャッスルを再評価することで、図らずもその新たな後継者を世に送り出すこととなるのだが、その架空の映画というのが悪趣味極まりないもので、ヘタなホラー小説よりも嫌悪感を抱かせる。
さらに終盤では唖然とする展開が待っているのだが、敢えて物語を破綻させて、全てを闇に放り込んだこの作品はミステリに非ず。だが、万人受けはせずとも一部の熱狂的ファンを獲得する異端の小説であることは間違いない。 -
候補の1つまで、あと1年ないよ?
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未読
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