- 文藝春秋 (2012年2月10日発売)
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感想 : 60件
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Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784167137113
作品紹介・あらすじ
舞台は有名商社の社宅。妻たちの情報戦、子供の
教育問題、夫たちの出世レース、そして…
昭和も令和も変わらない人間描写、
普遍のドラマがジェットコースターばりに展開する
元祖・タワマン文学!
令和の大ヒット『青い壺』につづくのはコレ!
一流会社勤務の夫の転勤に伴い、東京で憧れの
社宅暮らしをスタートした専業主婦の音子。
喜びも束の間、社宅内の人間関係に振り回されてゆく。
一人息子・悟の教育問題、本音がどこにあるのか
わからない、妻たちの情報戦に追い詰められ、
焦った音子は、挽回すべくある行動に出るが、痛恨の
ミスをおかしてしまい――
見栄と本音と不安…それでこそ、人生は味わい深い。
傑作長編エンターテインメント。
みんなの感想まとめ
人間関係の複雑さと教育問題に振り回される専業主婦の姿を描いた物語は、社宅という特異な環境での普遍的なドラマを浮き彫りにしています。主人公の音子は、東京の社宅で新しい生活を始めるものの、周囲の噂や子ども...
感想・レビュー・書評
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一流商社に勤める夫の転勤に伴い、東京で社宅暮らしをスタートした音子が、社宅内の人間関係に振り回されていく姿を描いた物語。
一人息子の教育問題に振り回されるのは、いつの時代でもあることかもしれないが、同じ年頃の子どもがいる社宅となるといろんな情報に惑わされる。
新しく建った五号館には外国の支店から帰った人ばかりが入居するなかで、大阪にいた頃仲良くしていた山野夫人がいるのに驚き、そのあと一悶着があったり、子どもは伸び伸びと育てる方針で口出ししないと言っていた井本夫人が、離婚までして息子に東京の都立高を受験させ合格していたというのには、驚愕した。
社宅という箱の中で、主婦が一日中いると見栄と欺瞞ばかり。
尾ひれがついた噂が蔓延して、追い詰められたり孤立したりと悩みの種は尽きないだろうと思う。
とてもじゃないが、社宅には住めないだろうなと感じた。
あまりにも人間描写がリアルで怖くなる。
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有吉佐和子さんブームに乗って「悪女について」以来久しぶりに有吉作品を読んでみました。
エリート商社マンを夫に持つ音子。夫が大阪から東京に転勤となり、念願の新築社宅に入居。新しい暮らしに心躍るのものの社宅内での噂話、子どもの成績の優劣や進学などに振り回されていくお話です。
家電が進化し「女が閑になった」と言われた時代。時間ができた専業主婦のエネルギーは子どもの教育問題へと向かっていきます。結果、音子は息子の一挙手一投足に一喜一憂するようになり、同じ社宅に住む主婦の言動にも被害妄想とも取れる反応を示し、時にヒステリックに泣いたりご近所を罵ったり。その様子には恐怖すら覚えました。
個人的には音子が特に敵対心を燃やした平野夫人が音子をどう思っていたのかが気になります。本当にカラッとしていてライバル心など持ち合わせていなかったのかどうか。もしそうではなく計算した上でのことだとしたら。怖い怖い。
元祖タワマン小説とはよく言ったもので社宅に住む主婦たちの人間関係は現代にも通ずるものがあります。人間には距離感が大切ですね。
そして感情は一度寝かせる。これに限るということを改めて学びました。
気持ちに余裕のある時に読むことをおすすめします。でないとこちらも毒されてしまうかも。
本作を総じて大変美しい文章で本書き上げているのが有吉さんの素晴らしさです。 -
おそらく1975年前後の東京の有名商社の社宅に住む奥さまの話
2012年に新装版がでた時に読んで今回は再読
その時に読んだ時は面白く感じたけど、今回読むと社宅での人間関係の煩わしさが今の時代からみるとある意味ゾッとする。
俯瞰してみると、夫人たちが自身の虚栄心に振りまわされているのは滑稽であるけど、当時の日本の急激な経済成長に従って、文化的な生活を与えられた主婦たちはこのようなものだったんだと改めて思った。
そして、有吉佐和子はその女性とその内面を描くことが巧みだと感じた。
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あじゅきちさん はじめまして。フォローといいねもたくさんありがとうございます♪この本とても面白そうですね。有吉佐和子さんの文章好きなので今度...あじゅきちさん はじめまして。フォローといいねもたくさんありがとうございます♪この本とても面白そうですね。有吉佐和子さんの文章好きなので今度読んでみます!昭和の社宅の話、今ではもう別世界ですよね。社宅という概念も少なくなっていますもんね。でもその時代の価値観とか今よりも蜜な人間関係とか興味深いです。私は有吉佐和子さんの「悪女」を繰り返し読んでいます。あの世界観に入り込みたくなって。私もジャンル関係なく色々な本を読みたい派なので本棚参考にさせて頂きます!2025/07/02
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有吉佐和子さんの本は「悪女について」「青い壺」に続いて3冊目。
ページをめくると、いきなりの奥さま言葉。ちょっと戸惑いながら読み進める。
男は外で仕事をし家の事は妻に任せ仕事最優先、女性はよい妻でよい母親であるべき…なバリバリ昭和な価値観 社宅の中で奥さま同士の心理戦。
良い妻たるもの、に縛られ
社宅の中での 奥様たちの目や口に翻弄され
目立たぬように 陰口を言われないように 細心の注意をはらいながら
でも 時にあらま〜な、展開に巻き込まれたり
日常のひとコマの中での心理戦 人間描写が巧み。
最初は戸惑ったが、奥さま言葉だったからこそ読み進められたのかも。と思う。
子育ても一段落して価値観も変わりつつある令和の今だからこそ、読んでて面白いと思えたのかもしれない、母親は少し忙しいくらいがいいのかもしれないなって思った。 -
文庫本にしては長編で疲れました。
高度経済成長時代の上場会社の社員寮の話しです。
昭和の私達の母親の時代背景、うるさいくらい騒々しい井戸端会議、差別的で見栄の張り合いの主婦連中とモーレツ社員の夫達
差別用語も頻繁に出てくる。
孟母三遷の教えとか教育ママゴンとか懐かしいけれど時代遅れのところもあり、今のようにSNSなど無かった時代なので人の噂話や新聞広告や情報に振り回されていた大変な時代だったと思う。今なら主婦、夫の気持ちがよく分かる。主婦である主人公が夫→息子に期待をかけて依存するのは昭和そのものだと思う。
表面協調して心の中では相手を見下す社宅には住めない。
息子の進学の為に社宅を出た株が趣味の主婦が話していた今後の日本の経済状況、
子供に頼らず老後に向けて女性が1人でも暮らせる貯蓄を持つ自立した生活をするべきの言葉に真意を感じ著者の読みの深さに感動した。 -
一流商社の社宅を舞台に繰り広げられる、奥様方の嫉妬、マウント、見栄、妄想‥といった悲喜こもごも物語。
1970年に書かれたとは思えない、軽快で色褪せない面白さ!
戦中に子供時代を送り、戦後に親となった商社マンと奥様が主人公で、親子関係、夫婦関係、家族関係の価値観が大きく変わりゆく中戸惑ったり受け入れていく様子もリアル。
なんだかまた価値観が変わりゆく現代にも通じるおかしさがありました。
それにしても、客観的にみたらばかばかしいのだけど、本人の必死さはなんだかよくわかるし、多かれ少なかれ誰にでも起こり得そう。
途中、社宅の恐ろしさとあまりの妄想と思い込みぶりにイライラしてきたけれど、ラストが良くて、なんだか私もいろいろな試練を乗り越えて成長した気分。 -
昭和の社宅事情のお話。
一流企業といわれる伊沢商事の大阪支店から東京支店に夫が転勤になった音子は、元々 東京生まれのため、喜んでいた。
大阪でも社宅住まいだったが、建物が古く色々と難儀した。
また、大阪の雰囲気も音子には合わず馴染めなかった。
東京の社宅は新しく建ったばかりで快適だった。
でも、人間関係はどこでも同じ。
社宅は夫の仕事の関係等で、妻同士も気を遣うし、噂もあっという間に尾ひれがついて拡がっていくのだから、おそろしや…
しかも、音子は息子に対しても過保護なところがあって、要領もいまいち良くなく、危なかしい。
なので、社宅のいざこざに巻き込まれてしまうのだ。
それにしても、今も昔も女性の噂好きや派閥のようなやり取りは変わらないのだなぁと思わずにいられない。
2025.8.25
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時は高度成長期。郊外にある一流商社の社宅に住む家族同士のあれやこれや。決して遠い昔の話ではない。「家族にまつわるあれこれ」今もどこかに変わらぬ片鱗が残る。
子どもの受験、不登校、夫の学歴による出世等々、生々しい話題てんこ盛り。人は比較の中で自分の位置を確認したい生き物であるのはいつの世も同じ。
当時人々は階級・身分制度から解放され、「モーレツ」に頑張るサラリーマンたちが立身出世レースに励んだ。
一方で生活を豊かにかつ、簡便化する家電の普及により、主婦の生活様式も一変する。有り余る時間や余暇をいかに過ごすか。
女性は夫や子どもに尽くし、主婦の頑張りの成果は夫の出世や子どもの進学で測る。
夫とは? 男とは? 妻とは? 女性とは? 幸せとは?
追いつけ追い越せと戦後復興にまい進してきた日本社会の末端組織である「家族」「家庭」の変容が垣間見える実に興味深い1冊だった。
橋田壽賀子さんの「渡鬼」のような確執にまみれた家族と隣人たちのエピソードで、苦笑いの連続。
1970年に毎日新聞に掲載され、1971年から約半年にわたり八千草薫さん主演でTBSドラマ化されていた。記憶が薄っすら蘇る世代笑。
「社宅」という狭い限定されたコミュニティの中の比較は本来、局所的なもの。それにも関わらず、家庭同士の競争にいったん巻き込まれると、それがすべてとなる。
他人の動きに敏感になり、◯◯でなければならないと視野狭窄になり強迫的な観念から逃れられない。まるで蟻地獄。
さらに油を注ぐのは噂話。伝聞が形を変えて一周周り、別ものの出来事となって戻ってくる。あるある…。
実態不明の伝聞や、出所が曖昧なTwitterなどで怒りが増幅する現代と何ら変わりがない。
私自身は海外駐在時、夫の会社のご夫人たちや子どもの日本人学校のママさん達とあった苦々しい思い出が重なって読み進んだ。
分限を維持する、或いは今以上の豊かさを手に入れるためには階層移動のごとく、教育へ投資するというのは今の韓国や中国も同じ。日本以上に過熱した教育熱を目の当たりにした。事の是非は別として。
教育は選択肢を増やすためにはとても有効かつ有益な手段ではあるが、それが目的となる危うさは付きまとう。翻弄されてはいけないよなあ。
まして夫の立身出世は運が大きい。仕事ができる人が偉くなるとは限らないし、あの人が?というタイプがちゃっかり役員になったりもする笑。
作品の舞台となった社宅のある場所は、一説にとても馴染みのある神奈川県の某団地とのこと。調べてみると、私が勤務していた会社の社宅もその近くにあったので、がぜん親近感。
気持ちの良い話ではなかったけれど、読ませる文章はさすが有吉さんでした。 -
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1970年毎日新聞にて連載→71年ドラマ化らしい。
有吉佐和子に詳しい友人のすすめで読む。
女って怖いな、という感想を抱かせるために作られたのかなと思うほど、おえー、と疲れる一冊だった。
有吉氏はなんでこんなに団地族の教育ママに厳しいの?と思ったけど、まあ70年代高度成長期ではこんな世界が話題になっていたのだなと思った。
夫はハードワークで不在がち、一家では子供の数も少なくなり、家電の普及で妻は手持ち無沙汰になり、近所ではくだらないお喋り、子供や夫の成績でレースしては牽制し合い、小人閑居して不善を為す…?という話。
当時の日本の都会のあり方がわかってきて面白い。
それにしても、すべては家庭の主婦があまりに孤独だから、ではないのか?
主人公の音子も非常に馬鹿っぽく描かれているが、彼女は東京育ちだけど実家や親族がないからあの孤独ゆえに思い込んだら一直線で失敗ばかりしているんだろうね。
一方的に思い込んでは喋り倒し、妄想のあげく変な行動に出やすい点は、《氷点》の母親・夏枝を思い出す性格で、見ていてしんどかった。
サブキャラの山野さん、やり手の井本夫人がパワフルで面白い。
しかしまあ、噂話って怖いよなあ…。
同じく有吉氏の『和宮様御留』のホラー感と、山田風太郎『夜より他に聞くものもなし』の新興ベッドタウン団地の人間関係のドロドロ話を思い出した。
こんなにコテコテドロドロなのに、ラストはなんだか爽やか。これが有吉氏の上手さなんだなあ。-
初コメント失礼いたします。
読んでいて衝撃に何度ものけぞりながら読みました(笑)
氷点の夏枝…、私もそうおまいました…。初コメント失礼いたします。
読んでいて衝撃に何度ものけぞりながら読みました(笑)
氷点の夏枝…、私もそうおまいました…。2026/04/10 -
さえさん、ありがとうございます。
同意いただけてすごく嬉しかったです!
おっしゃる通り、衝撃の多い一冊でした。
氷点の夏枝目線で物語を読む...さえさん、ありがとうございます。
同意いただけてすごく嬉しかったです!
おっしゃる通り、衝撃の多い一冊でした。
氷点の夏枝目線で物語を読むことのストレス、かなり大きいですね…笑2026/04/11 -
誰かに似てる誰かに似てる…と思いながら読みました(笑)
音子の猪突猛進で、傲慢で、浅はかで…。
ナイショですが、私の姑に似てます。ちょうど...誰かに似てる誰かに似てる…と思いながら読みました(笑)
音子の猪突猛進で、傲慢で、浅はかで…。
ナイショですが、私の姑に似てます。ちょうど音子の年代辺りだと思います。2026/04/11
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面白かった 昔の日本の一般的な家庭のお話しでしたが最後まで興味深く楽しめました
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私の母より少し上の話かな。子供も私より10くらい上かな?スマホとか出てこないだけで今と通じる話。有吉佐和子ってすごいなぁ。たつき諒並にすごいな。
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40過ぎの夫は「同級生には戦争で死んだやつもいる」と言っているので昭和元年生まれで昭和40年過ぎくらいがお話でしょうか。だとするとここに出てきた中学校1年生も今や70半ばかと思われます。
60年たってカタチは変われど、嫉妬、見栄、派閥、集団での生きづらさといった日本人の本質はなんら変わらなくて唖然とします。
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有吉佐和子さんの作品はいつも色褪せないと感じる。昭和の一流商社の社宅。きっと綿密な取材をされての上梓だと思う。夫の浩一郎が音子に、ら抜き言葉を注意しているところ等も面白く読んだ。
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これエンタメと言うより恐怖小説だね。多少の時代の古さはあるけど、有吉佐和子の描く人間の愚かさ滑稽さ、今でも本質は変わらないのでは。
LINEでの無視や、裏サイトでの陰湿なイジメを聞くと、この小説で語られている社宅の世界となんら変わらない。
夫婦間のやりとりなども、うちと驚くほど似ている。 -
社宅の「渡る世間は鬼〜」
の、展開⁉︎と、面白がって、読み進めましたが。
三号館に越してきた主人公家族。
同じ面積に建つ一号館、二号館は世帯数が倍。
だって三号館はメゾネットタイプ‼︎
でも、四号館建ち始めたら、赤とんぼ→カラーテレビのアンテナが‼︎
そして、五号館に駐在員の家族たち⁉︎
振り幅が広く。極端⁉︎かも。
渡鬼ではなく…って。
笑えなくって、怕さを感じた次第。 -
昭和、高度成長を始めたばかりの日本が舞台。一流企業に勤めるサラリーマンたちの家族が主人公である。現代では、団地一棟に同じ会社の人たちを住まわせる、という形態の社宅は少なくなっていると思う。
同じ棟の中、家族も巻き込む会社の姿は当時としては、普通だったのかもしれない。夫ばかりでなく、家族全員が出世競争に巻き込まれていく姿が滑稽とも言える。
また、現代とは違う、子供たちの進学、受験の姿も描かれる。ここに登場する母親たちが現代の小学校受験から大学受験までの姿を見ると、一体どのような感想をもらすのであろう。
会社、日常生活、学校事情など、当時を辛辣に描いている有吉佐和子の才能に驚かされる。
著者プロフィール
有吉佐和子の作品
