開幕ベルは華やかに (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2013年12月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784167137120

作品紹介・あらすじ

人間ドラマを堪能! ベストセラーミステリー復刊名女優と歌舞伎界の大物の舞台中に、殺人事件が。舞台裏の壮絶な人間ドラマと、驚愕の幕切れに酔いしれる不朽の傑作ミステリー。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

舞台裏の緊迫した人間ドラマと驚愕の展開が織りなすミステリーで、読者を引き込む力があります。物語は、脅迫電話を受けた帝劇の関係者たちが、満員の観客の前で進行する舞台とバックステージでの駆け引きに翻弄され...

感想・レビュー・書評

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  • 舞台小説でありミステリ小説であり。
    けっこうな長編だけどぐいぐい読ませる力があって一気に読んだ。

    「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を撃ち殺す」という一本の電話が帝劇関係者に激震を起こす。
    満員の観客が見守る中舞台は進み、バックステージでは緊迫した駆け引きが繰り広げられる。

    全26章、章ごとに視点は変化してゆくのだけど、主にミステリ作家でひょんなことから舞台の演出を手掛けることになった渡紳一郎の視点で物語は進む。
    著者の有吉佐和子さんは演劇界にも明るい方だったらしく、華やかな舞台の世界の裏側も事細かく描かれていて、主演の八重垣光子の女優然とした姿が「これぞまさに女優!」と思わせてくれる。世間知らずだし嫌な女なんだけど(笑)女優ならこうであって欲しい、というような。
    妬みとか野心とかはたまた諦めとか、色んな感情が渦巻く世界。
    プラス過去に起こったとある事件が絡んで、舞台を舞台にした事件が起きる。

    ミステリの筋はもちろんだけど、人間の感情の動きやままならない想いなど、そういう描写に惹きつけられた。
    犯人の気持ちも理解出来るものだった。
    とても読み応えのある、個人的には新しい感覚の(作品自体は30年以上前のものだけど)小説でした。

  • 有吉佐和子の長篇ミステリ作品『開幕ベルは華やかに』を読みました。
    有吉佐和子の作品は約8年前に読んだ『悪女について』以来なので久しぶりですね。

    -----story-------------
    二億円用意しろ。
    さもなくば大詰めで女優を殺す。
    大ベストセラー作家の遺作、伝説の絶頂エンタテインメント!

    突然の降板を宣言した有名劇作家に代わり、帝国劇場の急場を救うことになった演出家・渡紳一郎。
    元妻で脚本家の小野寺ハルと共に土壇場で作り上げた舞台は、大女優らの名演で大入りが続く。
    だが一本の怪電話で事態は一変。
    「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を殺す」。
    舞台の裏で絡み合う愛憎劇、そして事件は驚愕の幕切れへ―。
    読者を虜にして離さない華麗なる傑作ミステリ長編。
    -----------------------

    1982年(昭和57年)に刊行された作品……有吉佐和子の遺作となった長篇ミステリです。

     ■第一章 眠れない夜
     ■第二章 眠り過ぎた朝
     ■第三章 稽古に入るまで
     ■第四章 顔寄せ
     ■第五章 青山斎場にて
     ■第六章 初日の大事件
     ■第七章 雨の朝
     ■第八章 大きな鯛
     ■第九章 二十一日
     ■第十章 二十三日午前十一時前
     ■第十一章 二十三日午前十一時
     ■第十二章 開幕ベルは華やかに
     ■第十三章 紅子への挽歌
     ■第十四章 十二時四十分
     ■第十五章 岡村警視正の登場
     ■第十六章 長い長い第二幕
     ■第十七章 次の事件
     ■第十八章 定年退職者の余生
     ■第十九章 第二の殺人
     ■第二十章 第三幕の出来ごと
     ■第二十一章 広田蟹夫の調書より
     ■第二十二章 田中清の調書より
     ■第二十三章 八重垣光子の調書より
     ■第二十四章 おでんが煮つまった
     ■第二十五章 二人の晩餐
     ■第二十六章 カーテンコール
     ■解説 長谷部浩

    「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を殺す」1本の電話が、帝劇関係者に激震を起こす……満員の観客が見守る中、演劇界の至宝2人の老優たちが繰り広げる魂の舞台の行方は果たして、、、

    バックステージで同時進行する緊迫の駆け引き、愛憎渦巻く人間ドラマ……有吉佐和子の天才が光る傑作ミステリ長篇。

    有吉佐和子の遺作にあたる作品で、帝国劇場を舞台にした演劇のバックステージものとしての面白さと、人間ドラマの濃密さが同居したミステリでしたね……読んでいて感じたのは、演劇界の空気の生々しさですねー 著者が若い頃から演劇界に深く関わっていたらしく、稽古場の張り詰めた空気やスター女優の存在感、裏方のプロ意識など、舞台に関わる人々の温度が文章に滲み出ていましたね、、、

    単なるミステリというより、舞台という社会の縮図を描いた群像劇としての読み応えが強く、印象に残りました……脅迫事件そのものは派手なトリックで驚かせるタイプではないのですが、事件を軸にして浮かび上がる人間関係の複雑さ、華やかさの裏に潜む嫉妬や孤独、プライド、それらが舞台という虚構の世界と響き合い、独特の余韻を残す作品でした。

    事件の真相よりも、登場人物たちの生き方に目が向いてしまうのも特徴的かな……華やかなタイトルとは裏腹に、読み終えて残るのはどこかほろ苦い感触でしたね、、、

    その苦味こそが、舞台という世界のリアリティなのかもしれないですね……ミステリとしても、演劇小説としても楽しめる一冊でした。

  • 40年以上前の作品であることに驚き

  • かねてより読みたかったが、程度のよい古書を入手。主役の八重垣光子は初代水谷八重子がモデルなのだそうだ。なかなか面白い一冊。
    読了の日に八千草薫逝去が報じられる。

  • 登場人物ごっちゃになりがち

  • 読みたい本がなくて、文庫本コーナーを見てたら見つけた。有吉佐和子さんの話は、悪女について以来だったから楽しかった。


    脚本家が降りてしまった舞台に、女流作家の小野寺ハルが代わりに本を書くことになった。しかし、この本が実際にやると5時間近くかかる大作で、演出家でありハルの元夫の渡が大幅に削る。それだけでもハルは、大激怒だったのに主役の二人の老優がセリフを覚えてこない。こんなんで舞台は大丈夫かと心配するも幕は上がった。
    そして、舞台の最中に劇場に脅迫電話がかかってくる。果たして、舞台の行方は。



    大女優の八重垣光子…なんかすごい女優だった。カマトトぶるとはこのことか…!と実感したし、若い頃から蝶よ花よと育てられた女優というのは、きっとこんなかんじなんだろうとも思った。
    セリフは年だから覚えられないのは仕方ない。だけど、若くて未来ある俳優を自分の都合で潰すのはね…付き人の波ちゃんも可哀想だったな。



    『悪女について』もそうだったけど、有吉佐和子さんが書く女は、どこかイラッとさせるが女を最大の武器としてあざとく生きてるかんじがする…
    八重垣光子は特に嫌いだな。


    2016.11.6 読了

  • 期待してたよりドロドロしていなかった。物足りない!

  • 【人間ドラマを堪能! ベストセラーミステリー復刊】名女優と歌舞伎界の大物の舞台中に、殺人事件が。舞台裏の壮絶な人間ドラマと、驚愕の幕切れに酔いしれる不朽の傑作ミステリー。

  • 途中、第二幕のセリフを膨大にしたせいで、
    共演女優があたふたしたり、
    観客がトイレを必死に我慢した下りに思わず
    笑ってしまいました。
    芝桜の時も思ったけれど、登場人物のせりふの書き方で
    キャラを表現できている有吉佐和子はすごい。
    今回の八重垣光子の、演劇をやっていないときの、とぎれとぎれの話し方は特徴が出てました。

  • 有吉佐和子の作品と言えば…
    ぎょっとするほど美しくて、
    それでいて性格は常軌を逸していると言うか、
    完全にはた迷惑と言うか、
    そんな女の人が出てきて面白い作品が多い、
    と言う印象なのだったけれど…
    そんな人は今回一人も出てこなかったよ。

    今回の作品は、
    突然作家がおりてしまった舞台の脚本を
    元妻が引き受けてしまい、
    その演出を急遽頼まれてしまった、男。

    日本を代表する老優二人が出演する舞台は
    大当たりとなり、連日大満員。

    そんな中…ある脅迫電話がかかってきて…

    こんな粗筋と、すてきな題名に期待して
    手に取ったのじゃが。

    事件の種明かしも、特に伏線が張られているわけではなく、
    独白の中で明かされる、と言うパターン。

    だからと言って人間模様に感情移入できるかと言えば、
    話はあっちこっち飛ぶし、
    エピソードが「この人はこういう人」と言う
    ちょっとした説明に終始していて、
    結局応援したい人も、憧れる人も、
    嫌いな人も、特に現れず…。

    あれ?
    この本、本当に有吉先生がお書きになったのかなあ?

    それでも休まず読み続けあっという間に読了したので
    つまらないという訳ではないみたい。

  • 舞台の上演中に主演の八重垣光子を殺害する。そんな予告電話が入り、帝劇内はそう然とする。犯人は一体どこの誰なのか…。
    物語は、ひょんなことからその舞台の脚本と演出を手掛けることになった元 夫婦の紳一郎とハルのやり取りから始まる。
    前半、七十を過ぎた大女優の素顔や演劇界の裏側がたっぷり描かれて、なかなか事件が見えてこないため、あまり関心のない身には少々退屈だった。
    と思ったら事件の真相は後の関係者の調書と紳一郎の語りだけで締められてしまい、肝心の事件の展開中には何のヒントもなく…。
    もっと全体的にミステリーらしい緩急が欲しかった。

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著者プロフィール

有吉 佐和子(ありよし・さわこ):1931年、和歌山市生まれ。作家。東京女子大学短期大学部英語科卒。1956年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』『和宮様御留』など話題作を発表し続けた昭和を代表するベストセラー作家。1984年没。

「2025年 『有吉佐和子ベスト・エッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有吉佐和子の作品

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