- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167138189
感想・レビュー・書評
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確かに面白いですよ。
・忠臣蔵の大星由良之助の由良の由来
・本のジャッケトの考察
・長い槍と短い槍の優劣の顛末
・徳富蘇峰論ー政府寄りだったが、日露戦争時の判断は見事
・糖尿病に効くシャーマンの薬
・明治天皇も大正天皇も養子だったこと
・獄中で敬愛された市島謙吉と安部譲二
・古代のチーズの蘇と栗の話
・名講義の大学教授
・野球に熱中したインディアンのプエプロ族
・児雷也の由来
どれもかなりの蘊蓄で、読んで満足。しかし、「あのボタン」ではエロ爺大爆発。クリトリスを発見したマテオ・レアルド・コロンボ(16世紀の解剖学者)を大絶賛して、発見時を描写した文章を引用し、クリトリスに関することを長々と論じる。実に楽しそうなんだよなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
丸谷才一のエッセイは大好きだ。どれをとってもはずれがない。楽しく読めます。
・・・が、今回はちょっとだけ「ん?」と思った。前に読んだ話だなぁとか(もちろんまったく同じではなく、その続きであったりするのだけど)、話が脱線するなぁとか、ちょっと残念なところもあった。(ので、星ひとつを減じて4つとしよう)
扉のところの文章がとてもよかった。
老いの寂しさと、その中にある風雅、とでも言おうか。 -
丸谷さんを読むたびに思うのですが 自分が少し賢くなったような気がします。 学生時代、本屋でバイトしていたのですがその本屋によく丸谷さんがいらっしゃっていました。当時はまだ読んだことがなく 今思うと大変もったいなかったなと・・・
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今週読んだのは、仕事がらみのものは除いて、これ1冊。
相変わらずの丸谷大先生の博覧強記ぶり。
どんなことにも、背後には恐ろしく広い文脈がある。
多くの知識に支えられている。
それが惜しみなく披歴されるのがこの人のエッセイであった。
何の役に立つか、なんて気にしちゃいない。
読者もそんなこと求めちゃいない。
朝鮮出兵をした秀吉が、明・清の小説でどんな風に出てくるか。
徳富蘇峰、国民新聞と桂内閣の「癒着」。
しかめっ面で扱われそうなこんな話題も、さらりと扱われる。
「蘇甘栗使」(大饗の時朝廷から大臣に贈られる甘栗と蘇の使い)なるものが存在したこと。
甘栗談義はなかなか面白く、日本の、水飴を使って煎る「天津甘栗」は、中国にも進出してなかなか好評だとかいう話に、むしろ反応してしまう。
この巻では割とお色気ネタが多いかも。