綾とりで天の川 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年9月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167138202

感想・レビュー・書評

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  • 丸谷才一のエッセイにもそれなりの出来不出来があるのだが、この本のエッセイは粒ぞろいだ。話の面白さに堪能した。ライト兄弟の飛行機がスミソニアン博物館に寄贈される迄の騒動、呑気な話の徒然草、ネアンデルタール人についての蘊蓄、福沢諭吉がミイラになっていた(!)話、ヴォルガの舟歌より優れている最上川舟歌、男の子偏愛のギネスブック(ギネスは人名)、コナン・ドイルの画家の系譜、野球いろは歌留多など、これ以外も実に面白かった。

  • 2005年刊。初出は「オール讀物」03年9月号~05年1月号連載。16篇。
    いつも通りのウンチクエッセイ。今回は寄り道・回り道が多い。少々くどいのもあったりする。
    各エッセイ、冒頭の掴みはいつも通りの名人芸。たとえば、福澤諭吉は大男、大酒吞み、そしてその遺体がミイラになっていた(えーっ)、どうしたって先を読みたくなる(「ミイラの研究」)。コナン・ドイルとオスカー・ワイルドがロンドンで一度一緒に食事をしたことがあった(ほんとかよ)。アメリカの編集者と、ドイルは『四人の署名』、ワイルドは『ドリアン・グレイの肖像』の打ち合わせ。これが絵描きの家系ドイルの話につながってゆく(「シャーロック・ホームズの家系」)。「ボルガの舟歌」は実は舟歌ではなかった(そ、そんな)。これが「最上川舟歌」の由来の話につながってゆく(「舟歌考」)。
    「自転車屋の兄弟の伝記作者」はライト兄弟ネタで、トリビア満載。「生のものと火にかけたもの」はネアンデルタール人ネタ。ちょっと的を外しているかな。

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著者プロフィール

大正14年8月27日、山形県生まれ。昭和25年東京大学文学部英文学科卒。作家。日本芸術院会員。大学卒業後、昭和40年まで國學院大學に勤務。小説・評論・随筆・翻訳・対談と幅広く活躍。43年芥川賞を、47年谷崎賞を、49年谷崎賞・読売文学賞を、60年野間文芸賞を、63年川端賞を、平成3年インデペンデント外国文学賞を受賞するなど受賞多数。平成23年、文化勲章受章。著書に『笹まくら』(昭41 河出書房)『丸谷才一批評集』全6巻(平7〜8 文藝春秋)『耀く日の宮』(平15 講談社)『持ち重りする薔薇の花』(平24 新潮社)など。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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