月とメロン (文春文庫 ま 2-24)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167138240

感想・レビュー・書評

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  • 著者が読んだ本や経験したことをもとに、ああでもないこうでもないと蘊蓄を傾けながら論じる。あっちこっち脱線しまくりだし、あやふやなことがあると本や資料を探そうとするが、適当なところで打ち切って「多分こうでせう」とするところなんかとっても気楽さを感じていい。高尚のようでいて卑近だし、エロい話題も著者は大好き。楽しいひと時を過ごせる。
    歴史の書き方・強盗の十則・ネクタイとバッジ・投石的人間・歴史の研究・バンドネオン・中庸その他について・首狩り族の唄・目黒三田論・出版社の社史・デズモンドとラナーナと赤ん坊・明治維新と商品・日本で最も好ましくない医者・陰謀理論のこと・スッポン論

  • 尊敬する丸谷才一。
    「尊敬なのに呼び捨て?!」
    知識と教養と博識と賞嘆する言葉は全部!
    それでいて
    適当にユーモア、諧謔、
    笑える。だから難しくても読めるかな。
    昔読んでて、最近は久しぶりの丸谷才一。

    長いよー「レビュー」
    でてくる人がすごい。、森鴎外、斎藤茂吉、与謝野鉄幹、高須梅渓、鳳昌子、井上ひさし、吉行淳之介、囃子節雄、エドマクベイン、グレアムグリーン
    ヘミングウェイ、マークトェイン、渡辺恒雄、夏目漱石、まだまだ〜
    いろいろ知らないことを教わる。

    歴史の書き方、  鉄幹のはなし最高、そうだったのか!
    強盗の十則
    ネクタイとバッジーなるほど
       そういう意味か〜  確かに保守だよね
       蘊蓄すごっ
        
    それぞれの項目が面白くて

    中庸その他について  
        あまり自分が中庸とか
        おもったことないなあ。
    出版社の社史ーとか興味なしだったけど
        読むと面白い
    目黒三田論
        目黒の三田、知ってる?
        さんま坂?これもグッド。
        坂が好きなんだって「同じ」
    ソニーの会社の名前
        そうだったのだ。
        この話は速攻、人に話したい。しったかぶりして!

    なーんも知らないなぁ
    だから丸谷才一氏ー尊敬致します。

    この程度しか〜かけません。

         
         




  • いつものことながら本を読みたくなるエッセイ集。「マン・ウォッチング」気になるなあ。

  • いつもの通り旧かなづかひが心地よい。
    中で紹介されてたマンウォッチングという本が気になる。

  • エッセイで片付けられない含蓄ある本。この人の話は本に対する愛情をかんじる。

  • 読ませる文章とはこういうことか。流石上手い。テーマも、ハッとさせられること多々。

  •  ヒトの赤ん坊が泪を流して泣きはじめる平均年齢は生後五週から六週までのあひだ。この能力は六歳から九歳ごろに頂点に達し、その後は次第に見られなくなる。
     ところが人間は感泣する。共感によって泣くといふ行動は社会的反応である。人類がこのやうに、共感、仲間意識、協調性を示して泣くといふのはネオテニー的である、とモンターギュは説くのですね。
     それから彼はまた、男が女に言ひ寄るとき、ふざけたり、からかったり、おどけたり、ほほえんだり、笑ったりするのも、つまり子供っぽい動作をすることで、これも「女性の保護行動という母性面を刺戟するもの」と述べてますから、これもネオテニー。女の前では何か冗談を言ひたくなるのは、あれはネオテニーだったのだ。なるほどなあと思ったり、びっくりしたりするね。

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著者プロフィール

大正14年8月27日、山形県生まれ。昭和25年東京大学文学部英文学科卒。作家。日本芸術院会員。大学卒業後、昭和40年まで國學院大學に勤務。小説・評論・随筆・翻訳・対談と幅広く活躍。43年芥川賞を、47年谷崎賞を、49年谷崎賞・読売文学賞を、60年野間文芸賞を、63年川端賞を、平成3年インデペンデント外国文学賞を受賞するなど受賞多数。平成23年、文化勲章受章。著書に『笹まくら』(昭41 河出書房)『丸谷才一批評集』全6巻(平7〜8 文藝春秋)『耀く日の宮』(平15 講談社)『持ち重りする薔薇の花』(平24 新潮社)など。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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