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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167139186
作品紹介・あらすじ
三井物産に三十五年間在職、華々しい業績をあげた後、七十八歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”の堂々たる人生を描く大ベストセラー長篇。(佐高信)
感想・レビュー・書評
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著者、城山三郎さん(1927~2007年)の作品、ブクログ登録は14冊目になります。
本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”―。明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を著者は克明な取材と温かな視線で描いた。ベストセラー作品の待望の文庫化。
---引用終了
で、石田礼助さんは、ウィキペディアに次のように書かれています。
---引用開始
石田 礼助(いしだ れいすけ、1886年(明治19年)2月20日 - 1978年(昭和53年)7月27日)は、日本の実業家。
三井物産代表取締役社長・日本国有鉄道総裁。本名・石田 禮助(読みは同じ)。
---引用終了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国鉄総裁を勤めた石田礼助の生涯を描いた小説。78才の石田は、公共サービスと安全対策に心を砕いた。終章に書かれている、暮らしぶりや簡素な葬儀の話に心を打たれる。
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おはようございます。
この作品は読んでいないと思います。
国鉄総裁に興味をもつことはなかったので。
でも、ダイちゃんさんの簡潔なレビュ...おはようございます。
この作品は読んでいないと思います。
国鉄総裁に興味をもつことはなかったので。
でも、ダイちゃんさんの簡潔なレビューを読み、本作で、昭和の国鉄時代を振り返るのもいいかもと、思いました。
2022/08/02 -
2022/08/02
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三井物産に35年勤め、戦後78歳にして国鉄総裁になった明治生まれの豪傑の話。昔の商社マンとしての働きも面白いが、パブリックサービスの精神で活躍した国鉄総裁としてのエピソードが先見の明もあり、とても興味深い。特に国会答弁や記者への歯に衣着せぬ物言い、対応は読んでいて痛快。今はいないだろうなあ、こういう人。でも是非現れて欲しい。
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2014.12 記。
サラリーマン小説の書き手としてはやはり城山三郎氏は別格だと思う。
本書の主人公石田礼助は元三井物産社長という生粋の商社マンにして、請われて国鉄総裁に就任。戦後の混乱期、初代総裁が「不審死」するような時代だった。大赤字と非効率経営がはびこるなか、国会で議員を前に「国鉄が今日のような状態になったのは、諸君たちにも責任がある」と言い放った男。彼の奮闘を描く。
「能率を上げるにはね、全体の統制を乱さない範囲において、独断専行をできるだけ許す」。戦前に満州の大豆投機で稼ぎまくったビジネス感覚を国鉄に持ち込むべく腐心する。それは赤字路線のバスへの切り替えから青函連絡船の安全スペックの引き上げまで、収益の観点からだけ見ればプラスなものとマイナスなものの両方を含んでいた。そこを貫くのは、徹底してリスクを取って金儲けをした経験があってこそパブリックな仕事を徹底できる、という姿勢であった。これは実感としてよく分かる。
今ネット上には「ファッションとしてのワークスタイル」を巡るカタカナだらけの言説が溢れている。が、読み終えてみて、「時代が変わって働き方が変わる」危機感なんて不要だな、と感じる。
カネを稼いだ経験と使命感。これがあれば時代を問わず働く場所はあるよ、と再確認できたことが私にとっての成果であった -
「昭和の日』に、昭和の傑物の伝記を読み終えた。
日米開戦前の三井物産社長、国鉄第五代総裁、石田禮助の生涯。
戦前、物産ニューヨーク支店長時代、大西洋(太平洋ではなく)横断の海底通信ケーブルの最大ユーザーが三井物産だった、というのは、何だか誇らしい。一方、そこまで世界経済と密着してたのに開戦に流れていったのが、悔やまれる。石田禮助自身は、職を賭して反対し、財界を通じての反対活動もしたようだけど。
国鉄総裁時代の国会答弁のくだりは、痛快で溜飲が下がる。経営者の視点とパブリックサービスに奉仕する精神のバランスが最高だ。 -
「城山三郎」が78歳で国鉄総裁になった「石田礼助」の人生を描いた作品『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』を読みました。
「百田尚樹」が出光興産創業者の「出光佐三」をモデルに描いた作品『海賊とよばれた男』に続き、明治生まれの傑物を描いた作品です、、、
「城山三郎」作品は昨年の8月に読んだ『硫黄島に死す』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”―。
明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を著者は克明な取材と温かな視線で描いた。
ベストセラー作品の待望の文庫化。
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三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった「石田礼助」の半生記… 「石田礼助」が国鉄総裁に就任した後、国会での初登院で言った「粗にして野だが卑ではない」という言葉がタイトルとなっています、、、
「粗にして野だが卑ではない」という言葉、印象的だし、良い言葉だと思いますね。
■序章
■1 若き兵士の如く
■2 ひとつのロマン
■3 動くものが好き
■4 エイブル・マンは居ないか
■5 「非戦闘員」のクラブ
■6 ミスター鬼瓦
■7 降りかかる火の粉
■8 人生の達人
■9 イッツ・ユア・ビジネス
■10 座頭市がいい
■11 武士の情け
■12 首を切られた気持ち
■13 女房手当
■14 毎日の遺言
■終章
■あとがき
■解説 佐高信
国鉄総裁の起用にあたり、財界人の抜擢に執念を燃やす当時の「池田勇人首相」の強い意向により第5代国鉄総裁に就任し、在任中は、自ら「ヤング・ソルジャー」と称して「公職は奉仕すべきもの、したがって総裁報酬は返上する」と宣言し、当初は月10万円だけ貰っていたそうです… さらに鶴見事故の発生後は、給料を1円も受け取らず、1年あたり洋酒1本を受け取ったとのこと、、、
世のために尽くしたいという信念を貫いた行動だったんでしょうね… 「野心も私心もない、あるのは素心だけ」と言われただけのことはありますね。
「卑」を嫌うが故に、規律の無視や公私混同をのような社会ルールの違反については国鉄幹部にも厳しく指導したらしく… 業者からの接待ゴルフについては、「ゴルフは自分の負担で、自分の時間で、無理のない範囲で楽しむことがルール」と国鉄幹部をたしなめるなど、財界出身ながらも国鉄内部に対して堂々と意見を発したり、、、
国会答弁で「国鉄が今日の様な状態になったのは、諸君(国会議員)たちにも責任がある」とか「人命を預かる鉄道員と、たばこ巻きの専売が同じ給料なのはおかしい」等、「粗にして野」だが、痛烈かつ率直な発言をしたり等、発言を巡るエピソードには事欠かなったようですね… でも、周囲の一般庶民からすると痛快な発言だっただろうなぁ。
また、過去の慣例にとらわれず有能なノンキャリアを重要なポストに登用したり、安全に関する予算を確保したりと、硬直した大組織の変革を進めることにも成功したようです… 簡単にできることではないですよね。
「出光佐三」との接点もあったようで、本書でも気のおけぬ友人として紹介されていました、、、
二人の生き方には共通する、日本人としての誇りや信念があったんだと思いますね… 明治生まれの気骨を持った人たちの生き方って、学ぶべきところがあると思いますね。
自分の生き方や仕事の仕方について考えさせられたし、とても参考になりました… この時代に日本を牽引した人たちのことをもっともっと知りたくなりました。 -
・もう一度読みたいか:
・仕事に活かせるか:
・プライベートに影響するか:
・読めない漢字の量は:
(1非常に 2多い 3普通 4少し 5無い)
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久々の経済人の本を新幹線の中で読みました。
仕事を生きがいにしつつも家族を愛する姿は理想の姿である。
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国鉄総裁 石田 禮助(れいすけ)
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タイトルから中味を期待したのと、kindleに手頃な小説が見つからず、購入。期待ほどの中身ではなかった。
確かに人物だし、魅力的なのだ、書きっぷりが余りに平坦。ビジネス書なのか娯楽なのか、はさ伝記なのか小説なのか、定めかねているうちに読了。
ブクログで帯を見て、驚愕。日本人に遺された城山文学の最高峰なのか、これが!
無責任なコピーライターだ。 -
「粗にして野だが卑ではない」
という生き方を貫いた石田禮助氏(元国鉄総裁)の人生。
地位と名誉を手にしても驕ることをしない。
慣習にとらわれず、人におもねることをしない。
部下に仕事を任せる。
自分は自分にしか出来ない仕事をして、全ての責任は負う。
上に立つ人間はこうであって欲しいと思うような、力強い、そして人間的な魅力にも溢れた人。
最近はまりつつある城山三郎作品。これで3作目になるけど、今まで読んだものに比べると軽めでさわやかな読み心地だった。 -
こういう、もはや歴史となりつつあり、だけど案外近い過去である時代に、こういう変な傑物がいたことを知れてよかった。石田のあらゆる「卑」との闘いが、パブリック・サーバントであり続けるという信念が、城山さんの熱っぽい筆で描かれている。鋭い目をしたジイさんが背筋を伸ばした表紙の石田が話す声まで聞こえてきそう。
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大正から昭和にかけて三井物産代表取締役、国鉄総裁などを歴任した大物財界人である石田禮助の半生を痛快に描いた伝記である。書評雑誌などでは「経営者が読むべき書」として紹介されていることが多い。
元々、この書を手に取ったきっかけは、「官僚たちの夏」を読んでいたときに巻末に著作一覧が掲載されており、この独特の書名が妙に気になったからである。
石田禮助という人物を、私は初めて本書で知ったのだが、このような一本筋の通った生き方を、現代において体現できる人は中々いないだろうと思う。「祖にして野だが卑ではない」という強烈なフレーズは頭にこべりついて離れない。私の日々の行動など正に「卑」である。
自分が与えられた職務に対し頑固なまでに懸命に取り組み、更に無欲。私が最も達したい境地である。本書の記述のほとんどが高齢期以降であることから「こんな格好いい老人になりたい」と思った。
最近、本書のほか「官僚たちの夏」「坂の上の雲」などの小説を楽しんで読んでいるが、共通の魅力は「恐れを知らぬ豪快な仕事人」というところか。仕事において、ともすれば置かれた立場や上下関係から、過剰なまでに周りを気にしたり恐縮したりすることが多い。それが標準的な勤め人の姿だろう。しかし、本書を含め上記の小説の主人公は豪放磊落そのものであり、「こんな感じで仕事が出来たら…」という勤め人の理想形である。理想形である主人公を題材にしているからこそ、サラリーマンによく読まれている訳である。一歩でも彼らに近づきたいものだ。そのためには、仕事で実力をつけることに他ならない。
非常に読みやすく、気がついたらどんどん読み進めている感じの書であった。それはやはり、作り上げの小説ではなく、実在した人物を綿密な取材の裏打ちによって描いているからであろう。今後、もっと城山三郎氏の作品を読んでみようと思う。 -
何だか少し期待外れ。ベストセラーだったようだが、石田禮助の凄さがもっと伝わるエピソードはもっとあったのではないか、と思えるほど。波乱万丈とまではならなくとも、この人らしさが伝わってくるといいと思った。読み物としても少し残念な感じ。
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言ってしまえば豪放磊落で、確かに「粗」かもしれない。勧善懲悪といえども水戸黄門は好みではなく、「卑ではない」かもしれない。けど、はたして「野」なのかは私には解からなかった。ただ、卓越した先見性と、大局にたった視野をもち、まっすぐなスジをもって思考のできる人だったのでしょう。読んでいて清々しく気持ちいい。
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すごい生き様だとは思うけど、時代のせいか共感できない部分も多かった。
完璧な人なんていないし、トータルで見るとすごい人だし、今いる会社の経営層にすぐにとって変わって欲しいぐらいだけど。 -
仕事が忙しくなったりして、少しくたびれたときにこの本を取り出します。ぐっと元気になります。5回くらい読んだ。これまでに4冊くらい買って、人に勧めた。25才くらい年が離れた恩師も、この本を好んでおられることを知って、うれしくなりました。
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こういう私心のない人に国を運営してもらいたいな。
今の政界を見たら卒倒するんじゃないか。 -
石田さんは、国鉄の総裁にまでなった方なのですごい人物なのは分かるが、城山さんがことさら取り上げた理由はいまいち分かりませんでした。ただ、「粗にして野だが卑ではない」という題名はとても好きです
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