快楽主義の哲学 (文春文庫 し 21-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 162
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167140038

感想・レビュー・書評

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  • ちっとも頭に入ってこなかった…

  • 日常の幸福ではなく、非日常の快楽について、考えさせられる本です。週末のレジャーやちょっとした遊びが、どれほど、不自由な思想で動いているか、気づきになります。
    自分にとっては、変わった視点でしたが、共感できるところも納得できるところも多数あり、よかったです。

  • 結構、内容は哲学的で面白いのだけれども、ほんの少しエロさも混じっている。読むのに時間が掛るが悪くない。

  • 仕事を楽しむ

    快楽が義務になったとき快楽主義が破綻する

  •  幸福は主観的なものであるが、快楽は客観的なものである。快楽とは「感覚に根ざしたもので、万人に共通したもの」と定義し、これを求めて不断に突き進む快楽主義を薦めていく。幸福などというあやふやなものにすがって、ちっちゃくまとまろうとする青年に向かって、揺さぶりをかけるために、意図的に挑発的な論考を彼は提示する。自分でつくりだす快楽、実践のうちにつかみ取る快楽こそ、ほんとうに魅力あるものなのだと発破をかける。ところで、快楽への追求は、ひとつのism、つまり主義になった瞬間にある種の禁欲主義と漸近することになる。幸福より快楽を―――その道は決して平坦ではないのである。

    第一章 幸福より快楽を
    第二章 快楽を拒む、けちくさい思想
    第三章 快楽主義とは何か
    第四章 性的快楽の研究
    第五章 快楽主義の巨人たち
    第六章 あなたも、快楽主義者になれる

  • シブタツ流ユートピアイズムのアジテーション。30年以上前の作だが、今でも通用する。こういうのは十代で一度はかぶれておくもの。昔の哲学は、ある種の娯楽だったんだなあ。

  • 詳しくはあとがきを参照されたいが、この本はどうにも澁澤の手によるものとは思えない、或る種の鈍さがある。澁澤が勧める「快楽」はおおよそこの程度のものとは思えないし、おそらくは大衆に向け、大衆にぎりぎり受け止められる程度の快楽、そういうなんともケチくさい快楽が不自然に語られているように思われた。(本書の中で、幸福をして「ケチくさい」と言うが、むしろ大衆受けする快楽こそがケチくさいのではないか。)その意味では「実用的快楽主義」と言えるだろうし、人生のどこかで躓いた時にこの本を捲るならば、このダンディズムに溢れた碩学のつむぐ言葉は大いに貴方の心をこのみみっちい世上から解き放ってくれるであろう。

    しかしながら忘れずにとどめておきたいことは、澁澤の快楽主義、彼の多くの著書から横溢している真の快楽主義の哲学が存在するということである。その面妖な筆勢が惜しげもなく繰り広げられた多くの著作には、本書には到底描かれていないであろうさまざまな快楽主義の有り体が見受けられる。我々はそこに、澁澤龍彦というひとつの生をもって成し遂げられた<快楽>のより多くを知ることとなるだろう。

  • 詳しくはあとがきを参照されたいが、この本はどうにも澁澤の手によるものとは思えない、或る種の鈍さがある。澁澤が勧める「快楽」はおおよそこの程度のものとは思えないし、おそらくは大衆に向け、大衆にぎりぎり受け止められる程度の快楽、そういうなんともケチくさい快楽が不自然に語られているように思われた。(本書の中で、幸福をして「ケチくさい」と言うが、むしろ大衆受けする快楽こそがケチくさいのではないか。)その意味では「実用的快楽主義」と言えるだろうし、人生のどこかで躓いた時にこの本を捲るならば、このダンディズムに溢れた碩学のつむぐ言葉は大いに貴方の心をこのみみっちい世上から解き放ってくれるであろう。

    しかしながら忘れずにとどめておきたいことは、澁澤の快楽主義、彼の多くの著書から横溢している真の快楽主義の哲学が存在するということである。その面妖な筆勢が惜しげもなく繰り広げられた多くの著作には、本書には到底描かれていないであろうさまざまな快楽主義の有り体が見受けられる。我々はそこに、澁澤龍彦というひとつの生をもって成し遂げられた<快楽>のより多くを知ることとなるだろう。

  • たまに読み返すと、元気が出る。

  • バイブルになりうる。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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