参謀 上 (文春文庫 141-3)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167141035

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  • まえがき
    石原莞爾
    中沢 佑
    辻 正信
    富岡定俊
    草鹿龍之介
    前田正美
    宇垣 纏
    井本熊男
    野々山秀美
    藤原岩市
    大谷藤之助
    今井武夫
    八原博道
    池田純久
    杉山 元

  • 前々から読みたかった戦前の参謀の話。ダメダメな何かに抗する参謀の生き方が期待通りの面白さ。ダメダメな何かの要因の一つがクラウゼビッツの精神論の取り違いだな。クラウゼビッツは民主化なる前のプロイセンで、フランスのような国民自ら闘うような精神のことを言っていて、当時の日本は日清日露を経て十分であることが証明されていたのに、いつまでも見直しをかけずに同じことを言い続けたので、意味が変化していったのだと思う。そのダメダメの権化のような参謀についても載せられている。

  • 「参謀」の上下を読み終えた。おもしろかった。
    「参謀」は、第二次大戦下の、日本陸海軍、アメリカ陸海軍、ドイツ陸軍の参謀たちの列伝である。
    特に興味深かったのは、日本陸軍井本熊男中佐と、ドイツ陸軍アルツール・シュミット少将の二人。どちらも、負け戦でそれぞれの活躍が語られる。

    井本熊男中佐は、第八方面軍の参謀である。昭和17年、第八方面軍は第二師団、第三十八師団で編成される第十七軍を隷下にしている。井本参謀は、ガダルカナルで米海兵隊と対峙している第十七軍に、ガダルカナルからの撤退命令を伝えに行く。

    ガダルカナルからの撤退は、日本の根拠地であるラバウルからの距離、補給が侭ならず消耗している将兵、そして撤退を潔しとしない軍や師団の司令部の方針など、難しい条件があったが、結果的には撤退は成功する。ガダルカナルに投入された陸軍兵力は31,400人、そのうち9,800人が撤退した。

    アルツール・シュミット少将は、ソ連スターリングラードの攻略を目指すドイツ第六軍の参謀長である。第六軍のスターリングラード攻略は失敗し、逆にソ連軍に包囲される。

    シュミット少将は、包囲網の弱点を突破し、戦略的撤退をフリードリッヒ・パウレル第六軍司令官に進言する。パウレル大将は、ヒトラーにその方針を打電する。ヒトラーから返電は、撤退ならず。結局第六軍は、包囲から抜け出せず、ソ連軍に降伏、このときソ連軍の捕虜になったドイツ軍将兵は107,800人、そのうち戦後ドイツに帰ったのは6,000人足らずである。

    負け戦の処理は、勝ち戦よりはるかに難しいものだ。

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