新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.92
  • (290)
  • (218)
  • (317)
  • (17)
  • (2)
本棚登録 : 1958
感想 : 260
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142537

作品紹介・あらすじ

斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵。盗賊たちには"鬼の平蔵"と恐れられている。しかし、その素顔は義理も人情も心得た苦労人であ。彼を主人公に、さまざまな浮世の出来事を描き出し、新感覚の時代小説として評判高く、テレビに舞台に人気の集まる鬼平シリーズ第一巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 会社の方から鬼平犯科帳全24冊いただいたのでちょっとずつ楽しんでゆく。
    鬼平はドラマを見たことも漫画を読んだこともないのですが、
    それでも中村吉衛門の二枚目っぷり、さいとうたかお絵の強面っぷりがすぐ浮かぶくらい。
    原作でもそのイメージで読もうとしたら、”小太りで笑うと深い笑窪が浮かぶ穏やかな風貌の持ち主で、市中見回りの時はどこのくたびれた浪人かと思われるような服装”だというのだから、私の吉衛門&さいとうたかおのイメージからうまく変換できずちょっと混乱(苦笑)

    そんな穏やかな見かけの平蔵だが、若い頃は力に任せての暴力沙汰やら遊蕩三昧やら女遊びやら一通りの悪さは経験し、剣の技は常人をはるかに凌ぎ、盗人を捕まえれば自らが熾烈な拷問を加えて自白させるというかなりの剛健な男。
    そんな鬼の平蔵、鬼平が江戸の盗人たちに睨みを利かす短編集。

    ===
    盗賊追捕のお役目の十蔵が出会った盗人の妻。
    そのころ火付け盗賊改めの新たな御頭として、鬼平の異名を持つ長谷川平蔵が赴任してきて…
     /「唖の十蔵」
    市中警備の解説など、ご挨拶代わりの一作か。


    鬼平は、かつて父の屋敷のあった場所で過去に思いを馳せる。
    再会したかつての剣の友。そしてかつて憧れた女性は今では盗人の女房となっていた。
     /「本所・桜屋敷」
    鬼平の生い立ちが紹介されるエピソード。


    元盗人の粂八は、かつて自分の親分であった丹兵衛の新たな強盗の噂を聞く。かつては「人を殺さない、女を手込めにしない、貧しいものからは盗まない」の仁義溢れる盗賊だった。しかし今では目を付けた屋敷に押し入り皆殺しにし女は犯す最低のクズ野郎となっているという…。
     /「血頭の丹兵衛」
    盗人集団同士で手下の貸し借りしたり、大掛かりだと数年かけて家に入り込んだり、その後の換金方法など…当時の盗人のやり口が描かれていく。


    小料理屋の亭主岩五郎は、かつて盗人一味だった。
    岩五郎の元に仕事の話が舞い込み…
     /「浅草・御厩河岸」
    生きるために運命は過酷だったり、弱者は生きづらかったり、ちょっとの偶然で命運が崩れたり…


    盗人を隠居したはずの蓑火の喜之助は、自らの血をたぎらせる女に出逢い、昔の仕事へと戻ろうと…
     /「老盗の夢」
    女の私からすれば「な~にやってんだ」と思わないでもないんですが、男性からすると気持ちは分かるのでしょうか?


    親の仇討のため国を出た男は、それから二十四年、殺しで生計を立てていた。
    血の匂いを隠すための香油を纏い、狙うは長谷川平蔵…
     /「暗剣白梅香」


    盲按摩を装う彦の市は、狙う屋敷に入り込み、中から盗人仲間を手引きする役目。
    そんな彦の市は、情人としている女に間男がいると知り…
     /「座頭と猿」


    鬼平は、かつての女に声をかけられる。女は昔の男たちを強請り同然で金を得ていた。そこに便乗する浪人崩れの無法者たち。
     /「むかしの女」
    鬼平は、捕えた盗人たちを働かせる施設を管理してもいますが、
    働かせることも改心させることもおとなしくさせることも全く不可能な悪党どももいるといいます。
    P301「雷神党のような浪人崩れには打つ手がないのだよ。おそらく大丸屋へゆすりをかけたのもこいつらだろうが…そのゆすり方ひとつ見ても分かる。まるで獣だよ。世の中の仕組みが何も分かってねえのだ。獣には人間のことばが通じねえわさ。刈り取るよりほかに仕方はあるまい」
    取り締まる相手の悪党たちの特性を瞬時に察し、捕えるか殺すか判断し、そして実行できるのが鬼平なんですね。

  • 1982年 第14版で読んだのですが、古くてバーコードもなくて…とりあえず、こちらに感想を。

    実はドラマの存在は知っているものの、一度も見たことがない。おもしろいんだろうな、とは思っていたけれど、今回、職場の方が全巻貸してくださるというので、今年は鬼平の年になりそうです!

    鬼平さん、ちょっと不良だった過去があったのか!と新鮮な気持ちに。

    様々な人間模様が書かれているけれど、人って変わってしまうんだな。という悲しさと、やっぱり人情だな!と思う温かさが印象的な第1巻だった。

    個人的には、元盗賊が狗になるというシステムが、ものすごく好き。

    まだ先は長い。どんどん読まないと、今年が終わってしまう(笑)

  • 多分、初池波正太郎。
    読みやすく、それぞれの人物が立体的に浮かび上がって来る。
    人の情けと欲、澄んだものと濁ったものが上手く織り込まれていて、人気が高いのも納得。
    鬼平よりも、彼に捕まる側が主軸の話が多いのが意外だったが、話が広がって良かった。
    以前出てきた人物が絡んで来るのも嬉しい。
    ずっと前にちらっと見ただけのドラマも見たいなー。

  • 鬼の平蔵、ファンになりました。
    若い頃は無頼放埒のかぎりをつくした本所の銕さんは、火付盗賊改方の長官、長谷川平蔵となって戻ってきます。悪い奴には拷問凄まじく、躊躇もせずバッサバッサ切りまくる。けれど義理と人情の人でもあるので盗賊の子を引き取ったり、昔のおんなが苦労してるとなると、ポンと財布ごと渡してしまう。うーん奥さんも肝っ玉の据わった出来た人じゃないと務まりませんね。
    粂八や彦十が平蔵のために命惜しまず狗になる気持ちもわかりますよ。魅力的ですもの。普段はおだやかで笑うと右頬にふかい笑くぼのできるなんて、そんなギャップにやられてしまいます(笑)

  • 鬼平犯科帳 (1)

    職場の方が貸してくださるというので、ついに“鬼平”に手を出してしまいました(笑)。
    個性豊かな盗賊達VS“鬼平”こと、長谷川平蔵率いる火付盗賊改方。
    連作短編で、話と話がリンクしていく展開なので、スイスイ読めます。
    昔はワルだったという、鬼平さんの過去も興味深かったです。

  • 名前は聞いたことがあるけれど、実はよく知らなかった鬼平さんの世界。

    短いお話が進むにつれて、大きなお話がわかっていく構造で、これはハマるかも…。

    せっかく東京に住んでいるんだから、舞台にあるあたりを涼しくなったら散策してみたいな。

    今の司法と比べて悪人を証拠がなくても逮捕できるし、あっさりと処刑できるのがスゴイね。

  • 最初はどうなるかと思ったけど、途中から、ぱっと開けた感じ。余韻が残るし、先への期待が高まる。

  • 長谷川平蔵は斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官にして、盗賊たちから“鬼の平蔵”と怖れられている。
    が、その素顔は義理も人情も心得た苦労人である。
    さまざまな浮き世の出来事を描き出す、鬼平シリーズ第一巻。八話収録。

    舞台が「剣客商売」では華の盛りの田沼意次から松平定信政権へ移った頃なのね-
    ある話に出てきた人物がまた別の話に、な連作なので、ついつい次の話へと読み進んじゃいます。
    平蔵の奥方はできたひとだわ-私はこちらのシリーズの方が好みかな-
    こちらも少しづつ読み進めていきたいと。

    おしの十蔵―火付盗賊改方長官の交代。拷問がエグイ。
    本所・桜屋敷―平蔵の生い立ちと若かりし頃の剣術同門人・岸井左馬之助との再会。憧れの存在が…切ない
    血頭の丹兵衛―〔急ぎ盗〕を繰り返す怪盗と粂八の密偵就任。尊敬していた者の変節…切ない
    浅草・御厩河岸―昔の恩義と現在の暮らしの板挟み。長命の相という占いが当たってるといいな-
    老盗の夢―女との将来のために隠居撤回しひと盗きを画策。あーあ…差し違えたのがまだ救いかな。
    暗剣白梅香―平蔵を付け狙う刺客と敵討ちと返り討ち。まさかの邂逅。せっかくの堅気の暮らしが-もういつ出くわすかビクビクしなくていいのは良いかな。
    座頭と猿―ある女を巡る悪党たちの思惑。どっちもどっち。
    むかしの女―平蔵が荒れていた頃世話になった女の末路。人の口には…ってやつですな-

  • 時代小説。鬼平シリーズ1。短編8作。

    「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厠河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」

    火付盗賊改方の長官、鬼平こと長谷川平蔵を中心に物語は続く。
    盗みが「おつとめ」と呼ばれた訳とか、盗賊にも様々な種類の人間がいること。そして鬼平と左馬之介、小房の粂八などの昔のことも書かれている。

    作者のシリーズの中で「剣客商売」を読み終えたので、こちらか仕掛人のどちらかを読もうと思っていますが、只今考え中です。
    江戸の「粋」が、自分が関西人なのでもうひとつピンときていないのかもしれません。

  • 鬼平かっこいい
    こんな上司ほしいよ。
    そしてまた食べ物がおいしそうなんです。たまらん。

全260件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大正12年(1923)、東京・浅草生まれ。戦後を代表する時代小説・歴史小説作家。下谷・西町小学校を卒業後、株式仲買店に勤める。戦後、下谷区役所に勤務して長谷川伸の門下に入り新国劇の脚本を書いて演出の腕も磨く。昭和35年(1960)、「錯乱」で直木賞を受賞。52年(1977)、吉川英治文学賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三大シリーズが人気絶頂のさなか、急性白血病で逝去。

「2022年 『仇討ち物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池波正太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×