- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167142537
作品紹介・あらすじ
斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
感想・レビュー・書評
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会社の方から鬼平犯科帳全24冊いただいたのでちょっとずつ楽しんでゆく。
鬼平はドラマを見たことも漫画を読んだこともないのですが、
それでも中村吉衛門の二枚目っぷり、さいとうたかお絵の強面っぷりがすぐ浮かぶくらい。
原作でもそのイメージで読もうとしたら、”小太りで笑うと深い笑窪が浮かぶ穏やかな風貌の持ち主で、市中見回りの時はどこのくたびれた浪人かと思われるような服装”だというのだから、私の吉衛門&さいとうたかおのイメージからうまく変換できずちょっと混乱(苦笑)
そんな穏やかな見かけの平蔵だが、若い頃は力に任せての暴力沙汰やら遊蕩三昧やら女遊びやら一通りの悪さは経験し、剣の技は常人をはるかに凌ぎ、盗人を捕まえれば自らが熾烈な拷問を加えて自白させるというかなりの剛健な男。
そんな鬼の平蔵、鬼平が江戸の盗人たちに睨みを利かす短編集。
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盗賊追捕のお役目の十蔵が出会った盗人の妻。
そのころ火付け盗賊改めの新たな御頭として、鬼平の異名を持つ長谷川平蔵が赴任してきて…
/「唖の十蔵」
市中警備の解説など、ご挨拶代わりの一作か。
鬼平は、かつて父の屋敷のあった場所で過去に思いを馳せる。
再会したかつての剣の友。そしてかつて憧れた女性は今では盗人の女房となっていた。
/「本所・桜屋敷」
鬼平の生い立ちが紹介されるエピソード。
元盗人の粂八は、かつて自分の親分であった丹兵衛の新たな強盗の噂を聞く。かつては「人を殺さない、女を手込めにしない、貧しいものからは盗まない」の仁義溢れる盗賊だった。しかし今では目を付けた屋敷に押し入り皆殺しにし女は犯す最低のクズ野郎となっているという…。
/「血頭の丹兵衛」
盗人集団同士で手下の貸し借りしたり、大掛かりだと数年かけて家に入り込んだり、その後の換金方法など…当時の盗人のやり口が描かれていく。
小料理屋の亭主岩五郎は、かつて盗人一味だった。
岩五郎の元に仕事の話が舞い込み…
/「浅草・御厩河岸」
生きるために運命は過酷だったり、弱者は生きづらかったり、ちょっとの偶然で命運が崩れたり…
盗人を隠居したはずの蓑火の喜之助は、自らの血をたぎらせる女に出逢い、昔の仕事へと戻ろうと…
/「老盗の夢」
女の私からすれば「な~にやってんだ」と思わないでもないんですが、男性からすると気持ちは分かるのでしょうか?
親の仇討のため国を出た男は、それから二十四年、殺しで生計を立てていた。
血の匂いを隠すための香油を纏い、狙うは長谷川平蔵…
/「暗剣白梅香」
盲按摩を装う彦の市は、狙う屋敷に入り込み、中から盗人仲間を手引きする役目。
そんな彦の市は、情人としている女に間男がいると知り…
/「座頭と猿」
鬼平は、かつての女に声をかけられる。女は昔の男たちを強請り同然で金を得ていた。そこに便乗する浪人崩れの無法者たち。
/「むかしの女」
鬼平は、捕えた盗人たちを働かせる施設を管理してもいますが、
働かせることも改心させることもおとなしくさせることも全く不可能な悪党どももいるといいます。
P301「雷神党のような浪人崩れには打つ手がないのだよ。おそらく大丸屋へゆすりをかけたのもこいつらだろうが…そのゆすり方ひとつ見ても分かる。まるで獣だよ。世の中の仕組みが何も分かってねえのだ。獣には人間のことばが通じねえわさ。刈り取るよりほかに仕方はあるまい」
取り締まる相手の悪党たちの特性を瞬時に察し、捕えるか殺すか判断し、そして実行できるのが鬼平なんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1982年 第14版で読んだのですが、古くてバーコードもなくて…とりあえず、こちらに感想を。
実はドラマの存在は知っているものの、一度も見たことがない。おもしろいんだろうな、とは思っていたけれど、今回、職場の方が全巻貸してくださるというので、今年は鬼平の年になりそうです!
鬼平さん、ちょっと不良だった過去があったのか!と新鮮な気持ちに。
様々な人間模様が書かれているけれど、人って変わってしまうんだな。という悲しさと、やっぱり人情だな!と思う温かさが印象的な第1巻だった。
個人的には、元盗賊が狗になるというシステムが、ものすごく好き。
まだ先は長い。どんどん読まないと、今年が終わってしまう(笑) -
多分、初池波正太郎。
読みやすく、それぞれの人物が立体的に浮かび上がって来る。
人の情けと欲、澄んだものと濁ったものが上手く織り込まれていて、人気が高いのも納得。
鬼平よりも、彼に捕まる側が主軸の話が多いのが意外だったが、話が広がって良かった。
以前出てきた人物が絡んで来るのも嬉しい。
ずっと前にちらっと見ただけのドラマも見たいなー。 -
鬼の平蔵、ファンになりました。
若い頃は無頼放埒のかぎりをつくした本所の銕さんは、火付盗賊改方の長官、長谷川平蔵となって戻ってきます。悪い奴には拷問凄まじく、躊躇もせずバッサバッサ切りまくる。けれど義理と人情の人でもあるので盗賊の子を引き取ったり、昔のおんなが苦労してるとなると、ポンと財布ごと渡してしまう。うーん奥さんも肝っ玉の据わった出来た人じゃないと務まりませんね。
粂八や彦十が平蔵のために命惜しまず狗になる気持ちもわかりますよ。魅力的ですもの。普段はおだやかで笑うと右頬にふかい笑くぼのできるなんて、そんなギャップにやられてしまいます(笑) -
鬼平犯科帳 (1)
職場の方が貸してくださるというので、ついに“鬼平”に手を出してしまいました(笑)。
個性豊かな盗賊達VS“鬼平”こと、長谷川平蔵率いる火付盗賊改方。
連作短編で、話と話がリンクしていく展開なので、スイスイ読めます。
昔はワルだったという、鬼平さんの過去も興味深かったです。-
こんばんは。初めましてあやごぜさん。
村上マシュマロと申します。
遅くなりましたが、いいね!とフォローをしていただき、ありがとうございます。...こんばんは。初めましてあやごぜさん。
村上マシュマロと申します。
遅くなりましたが、いいね!とフォローをしていただき、ありがとうございます。
私は鬼平を最後まで読了しておりませんが、本当に鬼平を初めとする登場人物達は個性豊かで魅力的!だと思います。
読むのがとてもスローでなかなか感想をアップ出来ませんが、今後ともよろしくお願い致します。2023/09/08 -
村上マシュマロさん。初めまして(^^♪
こちらこそ、いいね!とフォロー。そしてコメントをありがとうございます!
「鬼平」面白いですよ...村上マシュマロさん。初めまして(^^♪
こちらこそ、いいね!とフォロー。そしてコメントをありがとうございます!
「鬼平」面白いですよね~。
キレキレの鬼平さんはじめ、味のあるの密偵達。
そして、“兎”こと忠吾さんみたいなお間抜けキャラ等々・・個性的な登場人物達が、魅力ですよね。
村上マシュマロさんがレビューを書かれた時点では11巻まで読了されていらっしゃるとのことで、あれから巻が進まれたかもしれませんが、まだ最終巻の24巻まで、じっくりとお楽しみできるのが羨ましいです。
因みに、私も村上春樹さんの“食べ物描写”が大好きです。
どうぞよろしくお願いいたします♪2023/09/09 -
こんばんは、あやごぜさん。
丁重な返信コメントといいね!をありがとうございます。
鬼平は、いまだに11巻止まりです(苦笑)。
あやごぜさ...こんばんは、あやごぜさん。
丁重な返信コメントといいね!をありがとうございます。
鬼平は、いまだに11巻止まりです(苦笑)。
あやごぜさんも村上春樹さんの“食べ物描写“がお好きなのですね。いつか村上春樹さんの“食べ物描写“談義が出来たら良いなぁと思います(おそらく何年も先になるかと思いますが‥苦笑)。
改めてどうぞ宜しくお願い申し上げます(^^)2023/09/09
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池波正太郎代表作のひとつ。
50年経ってもまったく色褪せない傑作。
これは鬼平シリーズの記念すべき第一巻。
〝鬼の平蔵〟の素顔を知れば知るほど
深みにハマっていきそうだ。
全巻揃えます❢ -
江戸の盗賊改め方の長谷川平蔵が盗賊を追い詰める。
話が泥棒ばかりだからちょっと飽きるかも!? -
狗となった粂八が全般通して平蔵達に重宝がられれるところが単純で印象深く、お江戸の色事情もなかなか艶めかしい。「迷わず切っちまえ」の心意気が痛快で話しの後半になるとスカッと爽快で一件落着、あい終わり。
2巻からもこの展開が続くのだろうか、気になるが読むかどうか悩む。 -
テレビ版なども見たことが無かった私は、
鬼平こと長谷川平蔵が悪人をやっつけてめでたしめでたし。みたいな話を想像してました。
そこには長谷川平蔵を中心にした江戸の民の生活があり、そこで起きる事件が1エピソードごとの短編になっている。
長谷川平蔵が中心にいる訳ではなく、エピソードごとのメインの人物がいる。
エピソードを跨いで出てくる登場人物もいて、他のエピソードに出てくるとなぜか嬉しい。
物語の最後は少し寂しい終わり方をするものばかりだが、それがまた良い。
著者プロフィール
池波正太郎の作品





