新装版 鬼平犯科帳 (2) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 875
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142544

作品紹介・あらすじ

四季おりおりの江戸の風物を背景に、喜びや悲しみを秘めた江戸の人間が生きている。そこに生まれる事件のサスペスンが、こころよい人情と溶けあう独自の境地。ご存じ鬼平シリーズの第二巻は、「蛇の眼」「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」の七篇を収めている。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 二冊目。一冊目よりちょっと作者に容赦がでてきたというか、この登場人物が一冊目に出てたらもっと破滅しただろうなーと思ったり(笑)

    テレビで放送されたものも見てみました。
    吉衛門版と萬屋錦之助版各2話ずつ。
    吉衛門は格好良くて「鬼」と言う感じではなかったかなあ。むしろ上司だったら頼りになりそうなお方。そしてエンディングのジプシーキングスの曲が格好いいですねえ。江戸時代の捕り物帳とメキシカン音楽がこんなにあうなんて。
    萬屋錦之介も演じていたのは知らなかったのですが、こちらの方が「鬼」ですね。しかし「小太りの浪人風」ではないですね(笑)。観た回が一巻で読んだ話で原作の人物は原作イメージ通りでよかったですが、原作で他の人物の活躍の場と名台詞が鬼平の独壇場となっていた、連続テレビの事情か(笑)

    ★★★

    「鬼の平蔵がお役目を務めている間はとても江戸でお盗み(おつとめ)はできねえ」。鬼平暗殺に失敗した”蛇(くちなわ)の平十郎”は、ついに大仕事を決意する。
    平十郎のやり口は残虐だ。大金のため盗みに入った家の住人を皆殺す。
    こいつだけは許せない、鬼平の捜査の目が広がる。
     /「蛇の目」

    鬼平の部下、木村忠吾は遊び茶屋で知り合った女に夢中。
    のんびりしてすっとぼけて仕事も有能とは言い難い忠吾がさらに女に狂ってさあどうなる。
     /「谷中・いろは茶屋」

    お富は掏摸の養父に育てられた凄腕の掏摸師。
    今では足を洗いこじんまりと幸せな暮らしをしている。
    だがお富の過去を知る男に金を強請られ、過去の腕を振るうことに。
    始めは仕方なく始めた掏摸だが、次第に快感も思いだし…。
     /「女掏摸お富」

    鬼平をてこずらせた妖盗葵小僧。
    目を付けた家の知己の声色を使い入り込み、女を犯して大した金も盗まず消える。旗本のような着こなしに高々とした鼻、紋付の紋は葵の紋、ふざけた戯言で女を犯す。葵のご紋を謀るとは徳川治世を愚弄するが行為。
    鬼平の全力の捜査にもかかわらず、せせら笑うように押し込みを続ける葵小僧一味。
     /「妖盗葵小僧」
    押し入られた家のおかみが犯されたと噂が立つと見物人が押し寄せ、堪らなくなったおかみが実家に帰ると実家に見物人がおしよせ…、
    セカンドレイプという言葉やそれが人を傷つけるという概念ができたのはほんの近年だなあとつくずく。


    もと盗賊の弥市は、鬼平の与力佐島忠介の人柄に惚れ密偵となった。
    所帯を持ち思いもしなかった平穏な日々を過ごしている。
    だが弥市を恨む盗賊が江戸にもどったと知った弥市は…。
     /「密偵」

    お騒がせの木村忠吾がまた女に惚れた。今度は素人娘。所帯を持つところまで考えている。ところがこの娘の父、実は往年の大盗賊だったから鬼平たちが動き出す。役に立つのか立たないのかよく分からん忠吾の騒動ははたしていかに。
     /「お雪の乳房」

    大店の隠居と言った風体の万五郎だが、実はもと大盗賊、荒稼ぎと急ぎ働きで多くの血を浴びてきた。
    そんな万五郎もついに病に倒れ、内縁の女に金の隠し場所を知らせるが…。
     /「埋蔵金千両」
    まあ金を巡ってすったもんだで人間心情はかなりドロドロなはずなのに案外さっぱりした結末…なのかなあ。

    ★★★

  •  『鬼平犯科帳』第2巻、これもするすると、水が引く気に流れるが如く読んでしまった。思うに、TV版でもそうだが、欲に捉われた人がもたらす思わぬ結果やその空しさ、呆気なく失われる命の儚さとそれへの哀惜に、日々の生活の中で「諸行無常」を感じている私の心が感応してしまうからだろう。そして、何故か「こういうものだ」と安堵してしまうのである、人も生命体であるのだから、と。そのなかで「兎忠さん」こと、木村忠吾の有り様は、何処か明るく微笑ましい。そして、その無邪気と言っていいぐらいの仕事以外への欲が、事件解決へと繋がっていく。世上の欲が事を起こすのだから、それに通じている者がそこに近くある(自覚的かどうかは別にして)、平蔵はその事をよく分かっていたからこそ、忠吾を仕事があまりできないからといって邪険にはしなかったのだろうし、若い頃の自分の無軌道さからも、理解していたのだろう。その意味では、最後の「埋蔵金千両」のおけいも、「無邪気」と言っていいぐらいの欲の持ち主。それが「執念」と言っていい欲の持ち主の元盗賊の亭主の上前を撥ねるのだから、面白い。
     「欲さない」のではなく、「欲に捉われない」。これが世俗の人間として良き在り様なのかな、と感じた一冊でした。

  • ドラマでは尾美としのりさん扮する木村忠吾登場。忠吾のとぼけぶりが人間くさくて、このシリーズの面白さを増している。

  • 蛇の眼
    谷中・いろは茶屋
    女掏摸お富
    妖盗葵小僧
    密偵
    お雪の乳房
    埋蔵金千両

    「谷中・いろは茶屋」鬼平シリーズに欠かせない木村忠吾の登場。

  • サクッと二巻。この流れはヤバイかもしれない。。。(笑)

  • 非道いな、木村忠吾。
    葵小僧は言うまでもなく非道だけど、木村忠吾も相当なものだと思うよ。
    結局女性のことを考えてくれる人は、この時代にはいないのね。

  •  切なめの話もあれば、何だか笑える話もあって、バラエティに富んでるなぁ、という感じ。
     木村さんがね。

     それにしても、平蔵さんがこれだけ手を焼いた葵小僧はすごいと思うけど、いろんな人の簡単に声色を真似る小四郎さんがすごすぎると思うんだけど。

  • まるで講談を聞いているように、すいすいと読めてしまう。鬼平の「時」に心地よく酔いしれ、いつの間にやら2巻を読了という感じ。盗賊の掟や、日本全国を股にかけたシンジケートの存在など、興味がつきない。本巻の「妖盗葵小僧」で手こずる鬼平の人間味。「密偵(いぬ)」に描かれた火盗改メの密偵となった元盗賊の最期の悲しさ。そして、男女の濡れ場など、エンターテイメント性に富んだ小説なのだと感心しきりである。あとがきも解説もなく、たっぷりと堪能できた。

  • 読んでいる間は、時間の経つのを忘れることができる。一話ごとの長さも、負担にならないので、エンターテインメントとして秀逸。

  • 鬼平犯科帳2巻目。
    1巻目よりも、平蔵さんの対処が丸い気がする。
    そして、よく街中に出ている。
    木村忠吾が出てきたが、変わり身の早さに笑ってしまった(笑)この方、憎めないけど、一緒にいたら振り回されそう(笑)

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著者プロフィール

1923年東京浅草生まれ。60年「錯乱」で直木賞受賞。77年「鬼兵犯科帳」「剣客商売」「仕掛人藤枝梅安」の三シリーズで吉川英治文学賞を受賞した。90年没。

「2017年 『西郷隆盛 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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