新装版 鬼平犯科帳 (8) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142605

作品紹介・あらすじ

悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ…とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • あきれた奴では、同心の小柳安五郎が又八という捕らえた盗賊を逃がし、自分がその責めを負って変わりに牢獄に入るというお話。
    仇を討った、又八は再び、盗賊改メ方に舞い戻ってくるという、走れメロス的な展開です。
    安五郎と又八に通う心の交流が何とも、男っていいよなぁ〜と思わせる。

  • 用心棒
    あきれた奴
    明神の次郎吉
    流星
    白と黒
    あきらめきれずに

    「流星」久しぶりに読み応えがあった。因縁の生駒の仙右衛門一味の事件が一件落着。友五郎に対する平蔵の心遣いが温かい。
    「あきらめきらずに」左馬之助に待望の奥さんが。でも一筋縄でいかないのが面白いところ。

  • 自分一人なら何とでもなる。
    危ない道に引き込まれそうになっても、なんとか這い出して来ることができる。
    しかし、人質を取られてしまってはどうにも難しい。
    周りの人たちを盾に取られてしまっては、身動きが取れない。
    それでも、悪事に加担してしまえば、罪は罪なのだ。
    厳しい世界である。

  • 久々に鬼平さんの続きを読む。
    左馬之助の実直さが好ましい。最後には惚れた娘と添い遂げられてよかったなぁ。平蔵夫婦も一安心だろう。しかし元旦那と未だに手を切れてない風?なお静さんで大丈夫なんだろうか、と少し不安になる。
    「流星」では以前平蔵に粋ないたずらをやらかした大川のご隠居が再登場。穏やかな余生を過ごしていたはずの爺っつぁんが卑劣な勤めの片棒を担がされたのには胸が痛んだ。そして平蔵の情けが泣ける…。
    悪党どもが一網打尽にされるところは何度読んでもスカッとするし「神妙にせよ!火付盗賊改メ長谷川平蔵である!!」に毎度しびれる。安定して楽しめる鬼平シリーズです。

  • 本巻でも多くの紙面を充てた「流星」は、平蔵にとっても多くの苦悩を抱えた話だった。部下とその家族の斬殺、押し込みの畜生ばたらきの頻発。火盗改メの動きを見張られているような、平蔵を嘲笑うような事件に心痛める様は、読み手の心も痛くなる。恐らくは平蔵自身も「見張られている」感が常にあったのではないだろうか。「あきらめきれずに」は二つの意が掛けられているのだろうが、左馬之助が結ばれる結末に、少し複雑な気持ちを抱いた。

  • 平蔵の動きが軽快になってきた。

  • 鬼平の強さ、優しさを見習っていきたい

  • 鬼平犯科帳 八巻目。
    今回は、平蔵さんの人への情けがあらゆる章にかかれている。
    船頭の友五郎さんへの最後の対応には、ホロリとさせるものがあった。
    無事にシャバに戻ってきて、平蔵さんと再会をしてほしいものだ。。

    「あきらめきれずに」の左馬之介は、かわいい。少し悩ましい関係になってらだろうに、最後は結婚ができて、ホッとした。

  • 鬼平の魅力を益々感じることが出来るシリーズ第八巻。
    六編を収録しているが、なかでも「流星」では火盗改メに関係する者が次々と斬殺され鬼平ピンチに。

  • 悪事を働く者も、平時は行き倒れを放っておけぬようなお人好しであったり。はたまた、かつては名の売れた盗人であったのが、仮親として世話している若者の危機に、ようやく手に入れた平穏な隠居生活を捨ててもとの家業に戻る者も。

    しかし、いくら善行を施しても、それで犯した罪のすべてを贖うことはできない。刑に服することを逃れられるはずもない。

    「こう生きたい」「ここで生きたい」と願っても、なかなかに叶うものではない切なさ。「こう生かしてやりたい」と手を差し伸べても、その手をすり抜けて行ってしまう遣る瀬無さ。

    「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」6編を収録したを収録した無常感あふれる第8巻。

    『主人のほうでは「長い年月まじめに奉公してくれたなら、しかるべきところへ嫁入りさせよう。じゅうぶんに支度をととのえてやろう」と考え、女中のほうは「一生懸命に奉公すれば、ご主人はそれだけのことをちゃんとして下さる」と将来に希望をもち、陰日向なく奉公をするというのが常道であったのに、こうした考え方、生き方が年ごとに薄れてしまい、使うほうも使われるほうも目先のことばかり追いかけるようになったのは、いったいどうしたことなのであろう……。』
    これは「白と黒」からの抜粋(中略あり)だが、作品の発表時期は昭和47年。とても江戸が舞台、昭和に描かれた物語とは思えない今どきの嘆きである。

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著者プロフィール

1923年東京浅草生まれ。60年「錯乱」で直木賞受賞。77年「鬼兵犯科帳」「剣客商売」「仕掛人藤枝梅安」の三シリーズで吉川英治文学賞を受賞した。90年没。

「2017年 『西郷隆盛 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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