新装版 鬼平犯科帳 (8) (文春文庫) (文春文庫 い 4-59)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142605

作品紹介・あらすじ

悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ…とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「用心棒」強くなれ。
    「あきれた奴」でも他にもっと良い方法があったのでは
    「明神の次郎吉」いい奴なら盗賊すな
    「流星」大捕り物。流星は出ない
    「白と黒」エロと亀
    「あきらめきれずに」左馬之助、お静と夫婦に

  • 鬼平犯科帳 (8)

    「流星」:上方の“生駒の仙右衛門”と関東の“鹿山の市之助”が手を組み、鬼平さんを苦しめます。
    その手段は、火付盗賊改方の同心の家族を次々に殺害しつつ、強盗もするという卑劣極まるやり口で、流石の鬼平さんも「おれのもっとも痛いところを衝いてきた」と青ざめる程・・。
    勿論、ここまで“鬼の平蔵”を怒らせて悪党たちが無事なはずはありません。終盤の怒涛の捕り物に胸がすく思いでした。

    「あきらめきれずに」:鬼平さんの剣友、左馬之助さんの純情さが良いですね。幸せになって頂きたいです。

  • あきれた奴では、同心の小柳安五郎が又八という捕らえた盗賊を逃がし、自分がその責めを負って変わりに牢獄に入るというお話。
    仇を討った、又八は再び、盗賊改メ方に舞い戻ってくるという、走れメロス的な展開です。
    安五郎と又八に通う心の交流が何とも、男っていいよなぁ〜と思わせる。

  • ※読了2回目と思われる
     売却済み

  • 2020.10.22 読了


    安定の楽しさでした!
    左馬之助の話が印象的でした。

  • 用心棒
    あきれた奴
    明神の次郎吉
    流星
    白と黒
    あきらめきれずに

    「流星」久しぶりに読み応えがあった。因縁の生駒の仙右衛門一味の事件が一件落着。友五郎に対する平蔵の心遣いが温かい。
    「あきらめきらずに」左馬之助に待望の奥さんが。でも一筋縄でいかないのが面白いところ。

  • 自分一人なら何とでもなる。
    危ない道に引き込まれそうになっても、なんとか這い出して来ることができる。
    しかし、人質を取られてしまってはどうにも難しい。
    周りの人たちを盾に取られてしまっては、身動きが取れない。
    それでも、悪事に加担してしまえば、罪は罪なのだ。
    厳しい世界である。

  • 久々に鬼平さんの続きを読む。
    左馬之助の実直さが好ましい。最後には惚れた娘と添い遂げられてよかったなぁ。平蔵夫婦も一安心だろう。しかし元旦那と未だに手を切れてない風?なお静さんで大丈夫なんだろうか、と少し不安になる。
    「流星」では以前平蔵に粋ないたずらをやらかした大川のご隠居が再登場。穏やかな余生を過ごしていたはずの爺っつぁんが卑劣な勤めの片棒を担がされたのには胸が痛んだ。そして平蔵の情けが泣ける…。
    悪党どもが一網打尽にされるところは何度読んでもスカッとするし「神妙にせよ!火付盗賊改メ長谷川平蔵である!!」に毎度しびれる。安定して楽しめる鬼平シリーズです。

  • 本巻でも多くの紙面を充てた「流星」は、平蔵にとっても多くの苦悩を抱えた話だった。部下とその家族の斬殺、押し込みの畜生ばたらきの頻発。火盗改メの動きを見張られているような、平蔵を嘲笑うような事件に心痛める様は、読み手の心も痛くなる。恐らくは平蔵自身も「見張られている」感が常にあったのではないだろうか。「あきらめきれずに」は二つの意が掛けられているのだろうが、左馬之助が結ばれる結末に、少し複雑な気持ちを抱いた。

  • 平蔵の動きが軽快になってきた。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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