新装版 鬼平犯科帳 (9) (文春文庫) (文春文庫 い 4-60)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142612

作品紹介・あらすじ

おなじみの密偵おまさと、大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった。実はおまさは、少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せていた。平蔵もそれを知らぬわけはないのだが…苦労人鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀」「本門寺暮雪」「浅草鳥越橋」「白い粉」「狐雨」の七篇収録。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (9)

    左馬之助さんに続き、密偵のおまささんと五郎蔵さんが夫婦になりました。
    おまささんは、鬼平さんへの想いもあったと思いますが、お幸せになって頂きたいです。
    そして、「本門寺暮雪」で登場した柴犬のクマ。鬼平さん曰く、忠吾さんより役に立ちそうとの事で(笑)、今後の活躍に期待です。

  • 今回収録されている話は、
    「雨引の文五郎」、「鯉肝のお里」、「泥亀」、「本門寺暮雪」、
    「浅草・鳥越橋」、「白い粉」、「狐雨」の七篇。
    「本門寺暮雪」では凄腕の刺客が登場する。丹波哲郎主演の『鬼平犯科帳』では、それこそ作中の刺客を表現する「凄い奴」というタイトルに変更されていた。
    「血闘」の時なども読んでいて思ったが、長谷川平蔵は決してスーパーマンではない。確かに剣の腕は素晴らしいのだが、だからといって10人以上を相手に、ズバズバ斬っていけるわけではない。そういうところが、よりリアルに感じる。
    「浅草・鳥越橋」はなんとなく話が途中で終わっているような気がしてしまう。捕り物があったわけではないからか。…しかし、この話、読んでいるうちに定七がもしかしたら男色なのかもしれないと考えてしまう。仁助のことが…なんて。
    「狐雨」はまるで古典落語のような話。狐憑というのは、もしかしたら今でもあるのかもしれない。顔の表情が大きく変わるという。しかし、このような不思議な話でも、『鬼平犯科帳』の一篇に加えられているのは実に面白く、興味深い。

  • 本巻のクライマックスは「本門寺暮雪」だろうな。平蔵間一髪のところを柴犬が活路を開くなんて洒落ている。でも「狐雨」が心に残ったかな。盗賊からの情報と賄賂で身を立てる同心の末路が『狐憑き』として描かれている。陰と陽、狂気と正気、そして闇に潜む得体の知れない何かと隣り合わせの江戸の暮らしが見えたような感じがした。

  • 足を洗って以後20余年、煙管作りに打ち込んで、今その出来は名人芸の域に達する元盗人。捕えるよりも生きさせて、よい煙管を作り続けたほうが世の中こころ豊かになるではないか――。
    はたまた密偵のおまさ。少女のころから平蔵に想いを寄せていた。平蔵もそれを知らないわけではない、知っているからこそ、彼女の幸せを願っている。
    「雨引の文五郎」「鯉肝のお里」「泥亀」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「白い粉」「狐雨」……苦労人だが、だからこそ洒脱な鬼平の差配が光る第9巻。

    『狐雨』ではまさかの狐の霊がぶっちゃけた話を証言として採用!(笑)で部下の疑惑の真相解明。
    さすがの鬼平親分も狐の祟りには腰が引けがちで、意外な一面を発見した。

  • あいかわらずおもしろい。
    個人的にはおまさと五郎蔵の結婚がうれしかった♪

  • 本門寺暮雪
    鬼平の命を助ける柴犬のお話しが大好きです。のちに クマ と名付けられ 鬼平の心を癒した 柴犬との交流が 心を温めてくれました。鬼平も人の子。クマとの戯れで肩の力が抜け、疲れが和らいだことでしょう。

  • 「雨引の文五郎」いい盗賊と悪い盗賊
    「鯉肝のお里」五郎蔵とおまさが夫婦に
    「泥亀」痔
    「本門寺暮雪」凄い奴が出て犬を飼う話
    「浅草・鳥越橋」盗人内で騙し殺し
    「白い粉」毒殺されかかる
    「狐雨」狐憑き

  • 2020.12.1 読了


    面白かった!

  • 本門寺暮雪で鬼平を助けた柴犬のクマ。狐雨での天日狐など、人間だけでなく、動物からも目が離せない。

  • 雨引の文五郎
    鯉肝のお里
    泥亀(すっぽん)
    本門寺暮雪
    浅草・鳥越橋
    白い粉
    狐雨

    「鯉肝のお里」おまささんには今度こそ幸せになってほしい。
    「本門寺暮雪」柴犬の恩返し。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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