新装版 鬼平犯科帳 (10) (文春文庫) (文春文庫 い 4-61)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142629

作品紹介・あらすじ

相模の彦十の様子がこのごろ何となくおかしい。むかしとった杵柄というやつかもしれぬ。人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ。彦十をみはる平蔵、密偵たちの活躍を描く「むかしなじみ」他、「犬神の権三」「蛙の長助」「追跡」「五月雨坊主」「消えた男」「お熊と茂平」の七篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (10)

    密偵・彦十さんが昔の知り合いにほだされそうになる「むかしなじみ」。
    キレ者与力・佐嶋さんの過去の部下が登場する「消えた男」。
    この“過去エピソード系”二篇をはじめ、今回も安定のラインナップです。
    異色だったのが狂人剣客が登場する「追跡」。鬼平さんが頭のおかしい剣客に追い回されて、リアルに困るという、シュールな仕上がりとなっております。
    「お熊と茂平」は、あの毒舌・お熊婆さんが大活躍し、鬼平さんの仲間に加わる事に。今後のお熊さんの活躍が楽しみです。

  • ぽつぽつ読んでいる鬼平シリーズももう10冊目。
    「犬神の権三」鬼平が見込んで密偵に加えた雨引きの文五郎の裏切り。義理人情に駆られ、捕らえられた元盗賊仲間を脱獄させた文五郎だが…何ともやりきれない結末だった。
    「鬼の平蔵」が「本所の銕」に戻る瞬間が好き。おまささんとおしげさんの百合シーン(?)もあったりで、鬼平犯科帳に死角なし。
    「むかしなじみ」も同じようなストーリーで、彦十お前もか…!となったけど、こちらは密偵たちが一丸となり、未遂に終わる。よかった。
    「消えた男」生真面目な佐嶋のキャラが良い。高松繁太郎も鬼平という理想の上司の元で密偵として腕を振るってくれることを期待したのにあっさり殺されてしまい、残念。
    「お熊と茂平」お熊ばあさんが なかまに くわわった!
    今後の活躍を期待しております。

  • 「犬神の権三」は何だか切なかった(´・ω・`)
    「むかしなじみ」は平蔵の優しさはもちろん
    まわりのみんなも、すごくステキな仲間だなと思った☆

  • 「犬神の権三」文五郎退場。
    「蛙の長助」元盗賊借金取り
    「追跡」狂人に刃物
    「五月雨坊主」忠吾危なかった
    「むかしなじみ」彦十危なかった
    「消えた男」不憫な元同心
    「お熊と茂平」お熊、密偵にな

  • 密偵たちの活躍半端ない。ほとんど鬼平と密偵で解決しているような。同じぐらい盗賊も出てくる。

  • 鬼平犯科帳シリーズは、「〇〇の〇〇」と、盗人や密偵がやたら多く出てくる感じがします。ちょっと食傷気味w。「鬼平犯科帳 10」、2000.7発行、7話。第2話の蛙の長助と第7話のお熊がお気に入りです。

  • 2021.1.8 読了


    部下が平蔵を信頼してるのが、伝わってくる。
    ほんと カッコええ!長谷川平蔵!

    お熊婆ぁの話もよかった!



  • 平富は、川魚料理で知られている。先ず、そぎとった鯉の皮の酢の物。同じく鯉の肋肉をたたいて団子にし、これを焙ったものへとろみのついた熱い甘酢をたっぷりとかくまわした一皿など。

    池波先生の小説は奥が深いですね。目に見えてきそうな料理の描写です。

  • 犬神の権三
    蛙の長助
    追跡
    五月雨坊主
    むかしなじみ
    消えた男
    お熊と茂平

    「犬神の権三」の雨引の文五郎に始まり、しっとりとしたエピソードが多かった。

  • 早かったな。
    有能すぎたのか。
    人情は身を助け、また人情は身を滅ぼす。
    人と人との世の中だものね。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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