新装版 鬼平犯科帳 (11) (文春文庫) (文春文庫 い 4-62)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142636

作品紹介・あらすじ

鬼の平蔵のもとで働くのは勇猛な者ばかりではない。勘定掛としてはまことに有能な川村弥助は、小心で地震が大の苦手。しかし愛する妻をさらわれた時、この臆病者は変貌した──鬼平の部下への思いやりが光る「泣き味噌屋」。木村忠吾が男色の侍にさらわれ危機一髪!の「男色一本饂飩」。長谷川平蔵が長谷川平蔵に闇討ちされる? 奇想天外な「土蜘蛛の金五郎」。盗んだ金を元に返した老盗人の名人芸「穴」。他に「密告」「毒」「雨隠れの鶴吉」と七篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「男色一本饂飩」いきなり忠吾の受難。男色の盗賊のお頭に監禁されて忠吾貞操のピンチで笑い事ではないけど笑ってしまった。なるほど、忠吾は今でいうところの「マシュマロ男子……」なのである。(池波風)
    「穴」元盗賊のご隠居が隣の家からお金を盗んで人知れず返しに行く話。同じような粋ないたずらを鬼平さんにしかけた盗賊のじいちゃんがいたなぁと思い出した。
    「毒」で鬼平さんの最期がさらりと語られていてびっくりした。シリーズはまだまだ続くけど、いつかは終わってしまうんだなぁと思うと悲しくなった。

  • 鬼平犯科帳 (11)

    「男色一本饂飩」では、“兎”こと木村忠吾さんの“操”が大ピンチ!忠吾さんて、“トホホ・・”な事になる事が多いですが、今回はその最たるものですね。お気の毒でしたが、そんな彼が皆に愛されている事もわかりました。
    「泣き味噌屋」では、臆病すぎる同心・川村さんが登場。
    改めて鬼平さんが、部下に対して平等に思いやる事ができる方だと実感。本当、素敵なお頭ですよね。

  • 10巻まで読んでて間が空いてしまって、
    登場人物(特に悪い人達)を忘れかけていましたが
    やっぱり面白かったです。

    個人的には鬼平が奥さんに「・・・肥えたな」という
    シーンが一番です(笑)

  • 「男色一本饂飩」忠吾ほられかける
    「土蜘蛛の金五郎」平蔵vs.左馬之助
    「穴」いたずらもほどほどに
    「泣き味噌屋」弱虫同心頑張る
    「密告」隠し子(嘘)
    「毒」毒を掏ってしまった
    「雨隠れの鶴吉」録之助の持ち込み

  • ※読了2回目と思われる
     売却済み

  • 映像の鬼平犯科帳、最近ちょこちょこ見てますが、当時は全然見てません。平蔵は、松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之助と続いたのですね。池波正太郎 著「鬼平犯科帳 11」、2000.8発行。7話が収録されてます。第1話「男色一本饂飩」での豊島屋女中お静の活躍が見事。第2話「土蜘蛛の金五郎」での平蔵の乞食浪人姿での振る舞いが愉快。

  • 雨隠れの鶴吉。引き込みの鶴吉が、乞食坊主の井関緑之助に語った言葉も、身に染みます。
    「物事には、いちいち理屈をつけるものではない。人間という生きものは理屈とは全く無縁のものなのに‥‥どうも、得てして理づめに生きたがるのがおかしい、とね」
    池波正太郎先生からの奥深いメッセージが感じられて、グッときますね。
    鬼平ワールドはいい。たまに帰ってきたくなります。

  • 男色一本饂飩
    土蜘蛛の金五郎

    泣き味噌屋
    密告

    雨隠れの鶴吉

    「泣き味噌屋」同心 川村弥助と同様、妻を失った小柳が川村の心情を汲んで奔走しているのを想像するとぐっとくる。

  • 面白い盗賊は救われるのか。
    今回は救われてる人多いですね。どうにもならない人はどうにもならないですが…。
    左馬之助さんのしゃべり方ってあんな感じだったっけ…。小関さんとキャラが被らないようにちょっとイメチェンしたのかな。

  • 初っ端の「男色一本饂飩」は強烈だった。忠吾貞操の危機に、読み手は可笑しいやら胸が悪くなるやら。盗賊とはいえ、こんなお頭はイヤだ。「毒」の印象も深い。結局真相は闇に葬られたかたちに、江戸城中枢の空恐ろしさを感じる。解説のTVシリーズ裏話も良い。私が見て(再放送だが)覚えているのが松本幸四郎の平蔵だった。今もCATV時代劇チャンネルで鬼平をやっているのを観ると、懐かしさがこみ上げてくる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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