新装版 鬼平犯科帳 (22) (文春文庫) (文春文庫 い 4-73)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142742

作品紹介・あらすじ

盗賊改方の水も洩らさぬ探索網により、薬種屋を狙った大がかりな押し込みは未遂に終わった。しかし、安堵の空気もまもないころ、夕闇を切り裂いて疾って来た半弓の矢が、与力・秋本源蔵の頸すじへ突き立った──。与力暗殺! 同じころ平蔵も襲われ、長男の辰蔵も命を狙われる。そればかりか、盗賊改方の下僕にまで魔の手がのびる。生涯の怪事件に苦悩し、追詰められた平蔵の胸に去来するものは……。〈雲竜剣〉〈鬼火〉につづく感動のシリーズ長篇〈迷路〉。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (22)

    特別長篇「迷路」。

    薬種屋を狙った盗賊一味を捕縛した後から、鬼平さんの周辺の方々が次々と殺されていきます。
    捕縛された一味と縁のある者の犯行にしても、鬼平さんへの恨みが尋常でない為、過去に別件で何かあったように思われる黒幕。
    周りの方々が殺されてしまうというのは、鬼平さんが最も苦悩するパターンで、今回も火盗改方メンバー総動員は勿論、鬼平さん自ら頭を剃り上げ、托鉢坊主の姿となり事件解決に全力を注ぐ姿勢には頭が下がります。
    一旦は、幕府から火盗改方長官を罷免の話が出てしまう鬼平さんでしたが、ラストで返り咲きました。やはりこの人でないとね!と、皆思っているはずです。
    それにしても、細川同心の人間的な弱さはどうしたものでしょう(呆)。本当、鬼平さんや佐嶋さんの爪の垢を煎じて飲んで頂きたいです。

  • ※2008.7.3読書開始
     2008.7.12読了(2回目と思われる)
     売却済み

  • 特別長篇 迷路

    なんだか暗ぁい。
    次々と火付け盗賊改めの関係者、というか平蔵の関係者が殺されていく。最後の方までよくわからない。
    前作で密偵になった玉村の弥吉が活躍した…らしいのだが、活躍というよりただデーンと構えてつなぎを待っていただけのような気がする。

  • このシリーズ初めて読んだ、一巻から読むべきであるが
    違和感なく楽しめた、FM東京メロディアスライブラリー紹介作品

  • 特別長編。平蔵が狙われ、平蔵ばかりか、平蔵に関係している者が、ことごとく凶刃に倒されてしまう。さすがの平蔵もげっそりとやつれ、ついには頭をまるめて、托鉢坊主の姿となり、探索を続ける。
    長編であり、読み応えもあり、大変面白い。

  • 博打に女、堕ちて行く一方に見える細川峯太郎さん。
    死亡フラグが立ちすぎてて、逆に生存フラグに見えるパターンか…。
    無敵とも言える長谷川平蔵さんだけど、それはあくまで個人戦での話。関わる人たち全員をひとりで守り切ることは不可能で。
    しかし、近しい人をも守れないようでは、何の盗賊改かと、平蔵さんの苦悩は深かっただろうなと思うのです。

  • 盗賊の捕縛から生まれた怨恨が、これほどまで平蔵を追い詰めるなんて……雲竜剣でも火盗改メの関係者が次々に斃されたが、今回はその範囲が拡大し、緊迫感が一層増した。序盤の流れからおまさの身に何か起こってしまうかと心配したが、著者の筆はそのようには動かなかったようでホッとした。最終巻まであと2巻。著者が長編に込めた思いを想像しながら楽しみたい。

  • このシリーズの中で長編は少なく、短編の方がキレがあって好きなのですが、この巻は読み応えがありました。平蔵に近しい者が次々と殺され平蔵自身も襲われる、というハラハラの展開。平蔵の苦悩と、それを目にし何とか力になろうと必死で働く密偵達。平蔵が如何に部下や密偵達に慕われているのか、読んでいて胸が熱くなりました。あと二巻で終わりだなんて寂しい…。

  • 鬼平犯科帳22、特別長編「迷路」
    生涯の怪事件に苦悩する平蔵、髪を落とし托鉢坊主の姿になってまで必死の捜査を続ける平蔵。

  • 鬼平犯科帳 22巻目。

    今回は、平蔵さんの窮地だ。
    21巻目で、感じた「こんなに密偵がいたら、現役盗賊にバレないのか?」の疑問が現実となる。
    そして、21巻目の最後の章が、この長編に繋がっていたとは。
    平蔵さんや、その周りの方々、江戸の市民を救ったのは、平蔵さんの勘働きに他ならないだろうな。あと、自分から率先して動く行動力。
    密偵の方々や、部下の心情を思うと、読み手も泣けてくる。
    最後の文章では、本当に泣きそうになった。
    面白かった。。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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