新装版 鬼平犯科帳 (23) (文春文庫) (文春文庫 い 4-74)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142759

作品紹介・あらすじ

夜鴉(よがらす)が鳴くのを聞いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられた。「頼みがある。荒神の二代目に力をかしてもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」──荒神の先代に世話になったおまさの心が騒いだ。初蔵には得体のしれないところがある。そして二代目はどんな女なのか……平蔵の亡父・宣雄の隠し子(お園)と盗賊の隠し子(二代目)がからんで、事件は複雑な様相を呈してゆく! 長篇〈炎の色〉と、お園が初登場する「隠し子」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (23)

    今回は短編「隠し子」と長編「炎の色」の2話構成です。

    「隠し子」は「炎の色」の前座というか、連作のようになっていて、ここで登場する鬼平さんの異母妹(!)・お園さんは「炎の色」でもなかなかの活躍をしています。
    で、このお園さんが味のあるキャラで、男勝りなのに、同心の小柳さんの前では“乙女”になってしまうところが微笑ましいです。
    そして長編「炎の色」は、女密偵・おまさがメインです。おまさが大活躍するのは良いのですが、私まで夜鴉に不吉なものを感じたようで「これって“死亡フラグ”じゃないよね・・・?」と心配しながら読みました。とりあえず本書においては杞憂でホッとしています。
    同じ隠し子でも、お園さんとは対照的な女盗賊・お夏の行方が知れないことと、それが今後おまさに影響するのかが気になるところですが、なんだかんだでこのシリーズも残り一冊となりました。
    名残惜しいですが、24巻に進みたいと思います。

  • 妹の登場が無理やり。小柳の結婚もやっつけ。
    しかし前作よりも明るく終わってよかった。
    おまさのキャラが未だつかめない…

  • シリーズの中でも好きな作品。
    お園とお夏、どちらも隠し子なんだけど
    対照的。

    池波正太郎の人間観がうかがわれる。

    おまさとの「つなぎ」(連絡)のつけ方で
    平蔵たちが悩むくだりは、
    スマホ時代から見ると新鮮(笑)

  • 主役はおまささんです。
    ほんと色んなこと経験してきたのね、おまささん。

    で、剣客さんはそれで納得したのだろうか。

  • いよいよシリーズも残り2冊だと思うと、読むのを躊躇うというか、読み終わりたくないというか…。
     今回は短編と長編。短編もまるっきり別な話というわけでもなく、関連性があります。二つとも隠し子に係る話です。一人は平蔵の亡き父の隠し子、もう一人は盗賊の頭の隠し子。平蔵にとっては妹になるお園。真実を話す時がくるのか分かりませんが、彼女が幸せになれそうで良かったです。
    そしてもう一人の隠し子、盗賊の二代目頭となるお夏。彼女は火盗改めの手を逃れたようですが、今後登場するのかしら。おまさのことも心配です。

  • 連続の長編。前巻とは打って変わり安心して読めたのは、何の罪もない人が殺められるシーンがなかったせいかも知れない。おまさが大店に引き込みに入ってからの緊張感が程よく、平蔵の采配の冴えが良かった。盗人同士の会話に『二人の低い声が、さらに低くなったので、筆者の耳へ届かなくなってしまった。』なんていう書きぶりにクスッと笑い、著者自身が楽しんで筆を走らせているようすを想像した。

  • 鬼平シリーズ23巻。平蔵の異母妹・お園が初登場する短編「隠し子」と特別長編「炎の色」の2作品。「炎の色」ではおまさが旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられ助けばたらきを依頼される。

  • ハラハラ、ドキドキ、の連続。
    いろいろな人物の心の中を自在に出入りしていた語り手が、時々、顔を出し、ハッとした。
    鬼平の父の隠し子とは…なんとも、味のある、というか、奥行きのあるドラマだ。

  • 平蔵の腹違いの妹が登場。

    もっと続きをよみたかった。

    池波先生・・・

  • ここにきて腹違いの妹登場!

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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