新装版 鬼平犯科帳 (23) (文春文庫) (文春文庫 い 4-74)
- 文藝春秋 (2001年2月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167142759
作品紹介・あらすじ
夜鴉(よがらす)が鳴くのを聞いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられた。「頼みがある。荒神の二代目に力をかしてもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」──荒神の先代に世話になったおまさの心が騒いだ。初蔵には得体のしれないところがある。そして二代目はどんな女なのか……平蔵の亡父・宣雄の隠し子(お園)と盗賊の隠し子(二代目)がからんで、事件は複雑な様相を呈してゆく! 長篇〈炎の色〉と、お園が初登場する「隠し子」を収録。
感想・レビュー・書評
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鬼平犯科帳 (23)
今回は短編「隠し子」と長編「炎の色」の2話構成です。
「隠し子」は「炎の色」の前座というか、連作のようになっていて、ここで登場する鬼平さんの異母妹(!)・お園さんは「炎の色」でもなかなかの活躍をしています。
で、このお園さんが味のあるキャラで、男勝りなのに、同心の小柳さんの前では“乙女”になってしまうところが微笑ましいです。
そして長編「炎の色」は、女密偵・おまさがメインです。おまさが大活躍するのは良いのですが、私まで夜鴉に不吉なものを感じたようで「これって“死亡フラグ”じゃないよね・・・?」と心配しながら読みました。とりあえず本書においては杞憂でホッとしています。
同じ隠し子でも、お園さんとは対照的な女盗賊・お夏の行方が知れないことと、それが今後おまさに影響するのかが気になるところですが、なんだかんだでこのシリーズも残り一冊となりました。
名残惜しいですが、24巻に進みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
妹の登場が無理やり。小柳の結婚もやっつけ。
しかし前作よりも明るく終わってよかった。
おまさのキャラが未だつかめない… -
シリーズの中でも好きな作品。
お園とお夏、どちらも隠し子なんだけど
対照的。
池波正太郎の人間観がうかがわれる。
おまさとの「つなぎ」(連絡)のつけ方で
平蔵たちが悩むくだりは、
スマホ時代から見ると新鮮(笑) -
主役はおまささんです。
ほんと色んなこと経験してきたのね、おまささん。
で、剣客さんはそれで納得したのだろうか。 -
連続の長編。前巻とは打って変わり安心して読めたのは、何の罪もない人が殺められるシーンがなかったせいかも知れない。おまさが大店に引き込みに入ってからの緊張感が程よく、平蔵の采配の冴えが良かった。盗人同士の会話に『二人の低い声が、さらに低くなったので、筆者の耳へ届かなくなってしまった。』なんていう書きぶりにクスッと笑い、著者自身が楽しんで筆を走らせているようすを想像した。
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鬼平シリーズ23巻。平蔵の異母妹・お園が初登場する短編「隠し子」と特別長編「炎の色」の2作品。「炎の色」ではおまさが旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられ助けばたらきを依頼される。
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ハラハラ、ドキドキ、の連続。
いろいろな人物の心の中を自在に出入りしていた語り手が、時々、顔を出し、ハッとした。
鬼平の父の隠し子とは…なんとも、味のある、というか、奥行きのあるドラマだ。 -
平蔵の腹違いの妹が登場。
もっと続きをよみたかった。
池波先生・・・ -
ここにきて腹違いの妹登場!