猿飛佐助 真田十勇士 (文春文庫 柴錬立川文庫 1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167143015

作品紹介・あらすじ

猿飛佐助は武田勝頼の落し子だった。戸沢白雲斎に育てられ、忍者として真田幸村の家来となり、日本中を股にかけての大活躍。美女あり豪傑あり、決闘あり淫行ありの大伝奇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 猿飛佐助という名そのものに滑稽味を感じるのは、猿に対して失礼だろうか。しかし、この忍者を媒介にして語られる小説には、飄々としたユーモアも全編に滲み出ている。ファンタスティックな忍術奥義の決闘と、エロティックな場面の頻出は当時の読者層を容易に想起させる。『梟の城』と「忍法帖」シリーズ。昭和30年代の「忍者ブーム」が起こった社会的背景は何だろうかと考えたり、KOEIの『太閤立志伝』を遊びたくなったり。

  • 2016/7/21読了。
    最近、読むと考え込んでしまう本を読むことが多いような気がして、余計なことを考えずに済む娯楽小説を読もうと思った。荒唐無稽な忍者小説なんかどうだろう。
    そうなると山田風太郎忍法帖かニンジャスレイヤーの出番だが、山田風太郎は不戦日記の作家だし、ニンジャスレイヤーは格差社会を告発するプロレタリア文学だし、読んでる間はともかく読んだ後でやっぱり余計なところへ連想が飛んでいきそうな気がする。
    柴田錬三郎は眠狂四郎シリーズをよく読んだものだが、あの反骨ニヒリズムなら飛んで行っても安心だ。ニヒリズム、よいではないか。当節もっとも得難いものだ。……おっと、また余計なことを。
    さて、本書。期待通りの荒唐無稽で愉快な忍者小説。昭和の娯楽小説のレベルの高さを堪能。満足した。

  • 猿飛佐助は武田勝頼の子、霧隠才蔵は毛唐人、三好清海入道は石川五右衛門の一粒種、奇想天外な設定。忍術、妖術ありの娯楽もの。

  • 「真田幸村」の方に感想書いた。

  • 猿飛佐助、霧隠才蔵、三好清海入道などなど、忍びの一冊。

    戦闘場が少なく、随分と放蕩具合が多い。これが、痛快劇なのだろうか。

    がっかり感は否めないが、こんなにも日本語があったのかと言うことに改めて驚かされた。
    慣用句、四字熟語、単語、漢字、と。
    物語の内容よりも、そちらの方が勉強になりました。

  • 佐助の生い立ちと幸村に仕えるまでの話が軽くあって、それ以降佐助や幸村に関わるさまざまな人物の話がオムニバス的に続きます。そのため、佐助と幸村の出番は多くはありません。でも、美貌の智将幸村と、矮躯だけれど優れた忍者・佐助のキャラクターには魅力がありました。主従関係という目で見ると、言葉少なな幸村の唐突な命を二つ返事で引き受けて難事もするりと成し遂げる佐助、というやりとりに、信頼関係が現れているように見えました。随所に現れる佐助の態度からも、主を慕う様子が見て取れます。

  • 初めて読んだ柴田錬三郎作品。独特の文体と難しい言葉に多少戸惑ったが、これはこれで味がある文章だった。内容も奇想天外で面白かった。

  • 猿飛佐助がかの武将の孫って;いろんな意味で荒唐無稽という感じです。ここの幸村カッコよすぎw

  • 久しぶりにこういう本読んだなぁ。
    なんか凄い妖術と、昭和の時代劇エロ。フェミニストが憤死しそう。
    色んな人物が替え玉だったり別の父親の子だったり。
    真田幸村が秀麗極まりない怜悧な知将で、佐助は短躯の背中にコブがある善良は男で、武田信玄の孫。
    とりあえず真田幸村編も読んでみよう。

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著者プロフィール

1917年-1978年.岡山県生れ。慶應義塾大学支那文学科卒業。在学中より「三田文学」に現代ものの短編を発表。戦後、「書評」の編集長を経て、創作に専念。1951年、『イエスの裔』で第26回直木賞を受賞。以後、時代小説を中心に創作し1956年より「週刊新潮」連載開始の『眠狂四郎無頼控』は、剣豪小説の一大ブームを起こす。1969年に『三国志英雄ここにあり』で第4回吉川英治文学賞を受賞主な作品に『赤い影法師』『御家人斬九郎』『剣は知っていた』『決闘者 宮本武蔵』『チャンスは三度ある』など多数。

「2022年 『第8監房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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