ペット・セマタリー(下) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1989年8月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167148041

作品紹介・あらすじ

都会を逃れてメイン州の片田舎に越してきた一家が、ペットの墓場で体験する恐怖。

みんなの感想まとめ

家族愛と喪失をテーマにした物語は、ペットの墓場を舞台にした恐怖と切なさが交錯します。愛する者を失った際の人間の弱さや、どうしても戻りたいという願望が引き起こす悲劇が描かれ、読者はその苦しみを共感せざる...

感想・レビュー・書評

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  • 約30年ぶり???位のS・キング、想定よりもかなり時間がかかりましたが読了です。

    上巻に記した私の疑問、巻末の訳者あとがきにて解決しました\(^o^)/

    『ペット・セメタリー』ですが、原題"Pet Sematary”は《ペット霊園》をつくった子供たちによるスペルまちがいをそのまま生かしたものですので、この本でもそれをあえて踏襲して、『ペット・セマタリー』としました。

    そういう事だったんですね、いやぁ〜スッキリ〜☆

    本作の主人公は医師であるルイス・クリード。

    愛する妻レーチェル、長女エリー、長男ゲージとエリーの愛猫チャーチ、4人+1匹の幸せな家族。

    都会を離れ移り住んだメイン州の美しく小さな町で隣人ジャド・クランドルとその妻ノーマ、主要登場人物はほぼこの6人+1匹です。

    家の前にある道路は大型トラックがスピードを出して我がもの顔で走り抜け、輪禍にあう犬や猫のために「ペットの共同墓地」があります。

    しかし、この町にあるのはそれだけではありません。

    その奥の山中には限られた人だけに語り継がれて来た秘密の場所があり、家族の留守中にチャーチが亡くなったルイスはクランドルからその秘密の場所を教えら、死んだチャーチをそこに埋葬。

    すると死んだはずのチャーチが...

    そうです、いわゆるゾンビ物。
    (ここで思い出したのはベタですが、小野不由美「屍鬼」でした)

    腐臭を纏い、どことなく変わってしまったチャーチがこの後の恐怖へ誘う布石。

    その後、あろうことか夫婦の目の前で大型トラックにはねられ命を落としてしまった最愛の息子ゲージ。

    悲しみに暮れる家族、そして...

    ここまで来ればわかりますよね^^;

    そう、ルイスはゲージの遺体を墓から掘り起こし、禁断の場所へ...

    苦しく、悲しい家族の愛の物語。

    もっと凍りつくような恐怖を期待していたことに読み終えて気づかされ、それが本書を手にした理由のように感じました。



    内容(「BOOK」データベースより)
    猫のチャーチがひょっこり戻ってきた。腐った土のにおいをさせて、森の奥から戻ってきた。ならば、愛する息子ゲージが帰ってきてもいいではないか!愛していればこそ呪われた力まで借りようとする人間の哀しさ。モダン・ホラーの第一人者S・キングが“死”を真っ向から描ききった、恐ろしくも哀切きわまりない“愛”の物語。

  • かなり怖いですが、切ない話ですね。家族を愛するがゆえに、「どうなるか分かっているのにやってしまう」行為だと思う。ペット霊園の先にある、死者を甦らせる墓。死んでしまった愛する人には誰でも会いたいし、しかもそれが死んだばかりとなれば、甦らせようとするのが人だろう。たとえ別人になって甦る、と言われようとも。結果、とんでもない悲劇ぐ待っているのだが…。

  • 上巻から転じて下巻は一気に話が展開。
    ルイスそれあかん、の連続。
    それやっちゃうのはわかるけど、予想より上行く悪い結果がついてくる。
    読んでいて辛い...救いがない最後。
    苦しくなったけど、読むのが止められず、
    ああ、なんて読後感。
    誰も悪くないのに...なんで家族の幸せは差し出されてしまったのか。
    特にエリーの今後を思うとたまらない。

  • 哀しみに溢れた作品。 ルイスが一番苦しんだか。
    エリーは第六感がすごく、それがせいで母親を死に追いやったのを知ったら苦しむだろうな。

  • ゲージが帰ってくるのは終盤の終盤。そこに至るまでのルイスの葛藤、レーチェルやエリーの手に取るようにわかる焦りや不安、恐怖の描写にみるみる引き込まれる。
    ジャドがあの場所を知ったのも、ルイスにそれを教えてしまったことも、全てはあの土地によって"必然"とされた出来事なのだろうな、と思う。もっと言えば、ルイスが都会での生活に疲れて大学に転職する、という決断を下したことも。あの悲劇は必然だったのだろう。
    映画を観た時は、ルイスもレーチェルも、それぞれが死とちゃんと向き合わなかったことによって報いを受ける話、という風に受け取ったけど、原作は、あの不思議な魅力を持った土地に取り憑かれたために起きた悲劇、という印象を受ける。
    あの土地に取り憑かれるか否かは一体何の違いなのだろう。ルイスの助手はあと一歩のところで踏み止まれた。ルイスをあれだけ慕っていただけに、彼もなかなか気の毒だなと思う。
    ラストの一行は怖いと言うより哀しい、という言葉がしっくりくる。
    あのあとルイスはレーチェルに殺されるのだろうか?私は違うと思う。数日、いや、数時間、明らかにおかしくなった、かつては愛する妻だったそれと過ごしたのち、自分の手で殺め、焼身自殺を図るだろう。かつてのベータマン親子のように。
    エリーはどうなるだろう。あの子はかなり利発そうだし感覚も鋭そうなので、何かは察するだろうことは予想できる。ゴールドマン夫妻に大事に育ててもらい、愛する弟の事故死、次ぐ両親の不幸な死からは立ち直って、真っ直ぐに生きていく将来を願いたい。
    どうか、両親の死の真相を知るためにまたあの土地に引き寄せられるようなことにはなってほしくないと願わずにはいられない。
    絶対に誰も幸せにならないだろう結末を予想できるのにこんなにも引き込まれるのは、私たち読者もまたこの小説を通して、あのおぞましい"ペット霊園"の魅力に取り憑かれてしまっているからなのかな。そう考えると恐ろしい。
    いろいろなことを一気に考えて本を閉じた時に目に入る表紙。これがまた胸を強く締め付ける。
    ゲージじゃなくてレーチェルだったか……………。

  • 下巻の冒頭で起こった悲劇は非常に痛ましく、裏表紙で触れられていたため展開に驚きはなかったものの、それ自体には何の予兆もなかっただけに衝撃が強い。転じて、それ自体が幼児のいる家族のリアリティでもあり、その不幸の事故こそが恐怖の源泉でもある。

    蘇りの力を持つペット用の墓地という設定に留まらず、土地にまつわる忌まわしい呪いの物語という膨らませ方は上手い。加えて、指向性のない真の邪悪には人間の善意すらも容易く汲み取られてしまう。愛する者の死に対してできない納得を弱さと断じるには残酷ではあるのだが、そこから目を背けた結果としてより残酷なしっぺ返しが起こるというのは非常に忌まわしく、物悲しい。キング作品に通じるテーマとして「信じる心」があるわけだが『猿の手』の翻案だけあってそれを逆手にとった怪作である。そして蘇りが失敗したその瞬間に、抱いていた思い出すらも漆黒に塗り潰されてしまう。その代償は非常に重く、個人的にはクライマックスにもう一捻り欲しいなとは思いつつも後味はかなり悪く、その不幸な一連の事件が忌憚として語り継がれていき、いずれ怪談と成り果てるという意味では一級品のホラーであると思う。

  • ゲージの葬儀からレーチェルが実家に帰るまでの間が死者を生き返らすことの道徳観を考えてしまいました。凡人な私はミクマク族の埋葬地に行かないで欲しいと思いながら読み続けましたが、最後はさすがスティーヴン・キングという展開になっています。

  • 愛しているからこそ、取り返したい。その方法はもう自分の手の中にあったのなら、私はやってみたいとの誘惑に負ける気がする。知らなければ、ひたすら嘆くばかりだったのだろうか。
    進んだ先には、もっともっと辛い現実が待ち受けていたのだけれど、この弱さを責めれるほど私は立派ではない。

  • 映画を先に観ました。ペットセメタリー2019。
    結論から言うと、全くの別物です。

    内容も結末も全く別物。

    映画は、やはり時間の関係や映像として見せるうえでは、あれで面白かったし、小説は、読み物として全く面白い。

  • 内容
    猫のチャーチがひょっこり戻ってきた。腐った土のにおいをさせて、森の奥から戻ってきた。ならば、愛する息子ゲージが帰ってきてもいいではないか!愛していればこそ呪われた力まで借りようとする人間の哀しさ。モダン・ホラーの第一人者S・キングが"死"を真っ向から描ききった、恐ろしくも哀切きわまりない"愛"の物語。

  • 上巻はなかなかページが進まなかった。文章が読みづらくて。
    それでもなんとか読み切って下巻。私は下巻の方が面白くスラスラ読めました。
    どんどん悪い方へと進んでいく感じがよかったですね。
    でももっと復活した後のところを読みたかったな。悪霊として蘇って終わりーで物足りなかったです。

  • アメリカのホラーは騒がしいなあ。
    まるで映画を観ているような小説だった。

  • 2025.9.4読了

    正直、下巻はパワーダウンが否めなかった。特に後半の展開は完全に『シャイニング』の二番煎じ。亡霊ホテルをミクマク族の埋葬地に置き換えただけ。
    キングの中では凡作の部類だと思う。

    作品中言及されてた『猿の手』とか、日本でも『古事記』のイザナギとイザナミの神話とか(最近観た読んだ中でいうと『死国』や『鋼の錬金術師』)
    “最愛のひとを復活させたらヤベーヤツきた!”は古今東西にあるジャンルなんですね。
    生死の運命に逆らうと大体痛い目みるというか、、、

    クライマックスは結構ヤケクソ気味の惨劇。ラストシーンはホラーコンテンツにおいてベタベタにみる演出でこれは逆にイイ!

    あとは〈訳者あとがき〉にもあるけど、ルイスの心理モノローグめっちゃ多い、「オズの大魔王」は死のメタファーとかが読んでて思った感想かなぁ。自分にも子供がいれば、この小説をもっと切実さを感じられて読めたかも、、

    キングのホラー作品は面白いが、読んでてあまりコワイと思ったことはない。『黒い家』(貴志祐介)のような人怖ジャンルのほうが恐怖を感じますね、個人的には。
    キングでは『ミザリー』がそのジャンルなので読むのが楽しみです。


  • 映画は見たことないのでガチ初見。
    あらすじは知っていたので構えていたけれどやっぱり悲しくてつらくて恐ろしい話でズシンとなるやつだった…。
    一晩経ってこうしてまた感想を書いているんだけど、眠る前に話の重さがボディーブローみたいに効いてきてベッドのなかでおいおい泣いてしまった。

    わたしの読むスピードが基本亀だから読了まで時間かかっちゃったのですがわりと短めのお話だったなって体感。それでもあんな泣いてしまったのってクリード家が眩いくらい幸せだったときをあまりに美しく描写していたせいだったし、キングの濃厚な筆致がキャラたちを隣人みたいに近くに感じさせてくるからじゃないかなって思う。父の面影を見せながらもかけがえのない友人としてのジャド、最初は神経質で苦手だと思ったレイチェルも読み進めていくうちに彼女のトラウマに寄り添えるようになっていく。チャーチやゲージ、それにエリーにしても。
    あの場所が悲劇を誘発し引き寄せる力を持っているとしても残された子がいるんだ、その子のことを考えろって再三お話の中で言われてたのにそれでも抗えないほど愛しい者に会いたいって気持ちが悲しいくらい厄介。正直、エリーのことをあまり考えたくない。悲しすぎて。

    しばらく思い出すたびに泣けてくるかもしれん。

  • 最後のシーンで妻が帰ってきたシーン、ここだけは鮮明に覚えてる

  • 映像では怖くて観られないけど、ストーリーは楽しみたいって人にはオススメです
    文字なのでトラウマになるような恐怖はなく、単純にアメリカンなホラーを楽しめる

  • 読み始め古い本だからか漢字や意味を調べながらちまちま読みました。少しずつストーリーに引き込まれていきます。

    一言で感想を言うと胸糞ではあるのだけど
    親の立場だったらどうするだろうかと考えてしまう。
    やり直せるならルイスと同じことをやるだろうか。

    私は幼い息子がいますが答えは間違いなくNOだな。
    気持ちは痛いほど分かる。あの時間に合ってたらと。
    でも時は戻らない。どんなに悲しくても。
    戻ってきた猫を見ただろうに。ガワが同じでも別のものなんだ。

    後半ルイスはゲージの生前の顔を思い出せなくなってた。埋葬地に魅せられ囚われてしまったんだなあと。
    パスコー最初めっちゃ怖かったけどいい人だったね。警告をしに現れてたんだけど怖すぎるって…笑

  • 「おれは聖トマスに似てるのかもしれんな。イエスが復活したと聞いて、“その手に釘の穴を見、自分の手をその脇腹の傷にさしこんでみなければ”、けっしてイエスがよみがえったことを信じない、と言ったあのトマスさ。おれに言わせれば、トマスこそは弟子たちのうちの真の医者だったんだ—―聖ルカじゃなく」

    ……ていう、主人公の同僚の台詞。「信じるのが宗教で、疑うのが科学」みたいな事を予備校時代、講師の誰かが言って、この ”doubting Thomas” のエピソードを連想したが、光栄な事にキングも同じ事を考えたらしい。そういえば、医師である筈のルカは『キリストの変容』のエピソードでも、神がかった少年の症状を癲癇発作と記述していない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/781904

  • 上巻の感想にまとめた。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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