ペット・セマタリー(下) (文春文庫)

  • 文藝春秋
3.85
  • (59)
  • (53)
  • (82)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 516
感想 : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167148041

作品紹介・あらすじ

猫のチャーチがひょっこり戻ってきた。腐った土のにおいをさせて、森の奥から戻ってきた。ならば、愛する息子ゲージが帰ってきてもいいではないか!愛していればこそ呪われた力まで借りようとする人間の哀しさ。モダン・ホラーの第一人者S・キングが"死"を真っ向から描ききった、恐ろしくも哀切きわまりない"愛"の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ゲージが帰ってくるのは終盤の終盤。そこに至るまでのルイスの葛藤、レーチェルやエリーの手に取るようにわかる焦りや不安、恐怖の描写にみるみる引き込まれる。
    ジャドがあの場所を知ったのも、ルイスにそれを教えてしまったことも、全てはあの土地によって"必然"とされた出来事なのだろうな、と思う。もっと言えば、ルイスが都会での生活に疲れて大学に転職する、という決断を下したことも。あの悲劇は必然だったのだろう。
    映画を観た時は、ルイスもレーチェルも、それぞれが死とちゃんと向き合わなかったことによって報いを受ける話、という風に受け取ったけど、原作は、あの不思議な魅力を持った土地に取り憑かれたために起きた悲劇、という印象を受ける。
    あの土地に取り憑かれるか否かは一体何の違いなのだろう。ルイスの助手はあと一歩のところで踏み止まれた。ルイスをあれだけ慕っていただけに、彼もなかなか気の毒だなと思う。
    ラストの一行は怖いと言うより哀しい、という言葉がしっくりくる。
    あのあとルイスはレーチェルに殺されるのだろうか?私は違うと思う。数日、いや、数時間、明らかにおかしくなった、かつては愛する妻だったそれと過ごしたのち、自分の手で殺め、焼身自殺を図るだろう。かつてのベータマン親子のように。
    エリーはどうなるだろう。あの子はかなり利発そうだし感覚も鋭そうなので、何かは察するだろうことは予想できる。ゴールドマン夫妻に大事に育ててもらい、愛する弟の事故死、次ぐ両親の不幸な死からは立ち直って、真っ直ぐに生きていく将来を願いたい。
    どうか、両親の死の真相を知るためにまたあの土地に引き寄せられるようなことにはなってほしくないと願わずにはいられない。
    絶対に誰も幸せにならないだろう結末を予想できるのにこんなにも引き込まれるのは、私たち読者もまたこの小説を通して、あのおぞましい"ペット霊園"の魅力に取り憑かれてしまっているからなのかな。そう考えると恐ろしい。
    いろいろなことを一気に考えて本を閉じた時に目に入る表紙。これがまた胸を強く締め付ける。
    ゲージじゃなくてレーチェルだったか……………。

  • 哀しみに溢れた作品。 ルイスが一番苦しんだか。
    エリーは第六感がすごく、それがせいで母親を死に追いやったのを知ったら苦しむだろうな。

  • 映画を先に観ました。ペットセメタリー2019。
    結論から言うと、全くの別物です。

    内容も結末も全く別物。

    映画は、やはり時間の関係や映像として見せるうえでは、あれで面白かったし、小説は、読み物として全く面白い。

  • 上巻から転じて下巻は一気に話が展開。
    ルイスそれあかん、の連続。
    それやっちゃうのはわかるけど、予想より上行く悪い結果がついてくる。
    読んでいて辛い...救いがない最後。
    苦しくなったけど、読むのが止められず、
    ああ、なんて読後感。
    誰も悪くないのに...なんで家族の幸せは差し出されてしまったのか。
    特にエリーの今後を思うとたまらない。

  • ルイスは最初から死を現象として捉えていて恐れの対象としては見てないんだなと上巻を読み返して思った。
    そういう考えの人だから、死人が生き返るペット霊園との遭遇が悲劇的で恐ろしくも面白い。終盤はゾッとした。
    最後まで死という現象そのものは彼にとって恐れの対象ではなく、家族と共に過ごす為に行動した結果がラストのアレだと考えます。面白かった。

  • 内容
    猫のチャーチがひょっこり戻ってきた。腐った土のにおいをさせて、森の奥から戻ってきた。ならば、愛する息子ゲージが帰ってきてもいいではないか!愛していればこそ呪われた力まで借りようとする人間の哀しさ。モダン・ホラーの第一人者S・キングが"死"を真っ向から描ききった、恐ろしくも哀切きわまりない"愛"の物語。

  • ゲージの葬儀からレーチェルが実家に帰るまでの間が死者を生き返らすことの道徳観を考えてしまいました。凡人な私はミクマク族の埋葬地に行かないで欲しいと思いながら読み続けましたが、最後はさすがスティーヴン・キングという展開になっています。

  • 愛しているからこそ、取り返したい。その方法はもう自分の手の中にあったのなら、私はやってみたいとの誘惑に負ける気がする。知らなければ、ひたすら嘆くばかりだったのだろうか。
    進んだ先には、もっともっと辛い現実が待ち受けていたのだけれど、この弱さを責めれるほど私は立派ではない。

  • 死に対する感覚を、無垢な子供、トラウマをもつ母親、医師の父親、田舎で暮らした老人、とさまざまな視線から捉えていて面白い。
    キング最恐の傑作、という前評判が先行したわりに展開の意外性は少なく、なるほどこうなるよねという結末。
    終盤での主人公とその妻、隣人の鬼ごっこはなかなかハラハラする。

  • 完全なバッドエンドでちょっとびっくりした。
    ジャドは年配だしルイスに蘇りについて教えた責任もあるので、死ぬ展開には納得感があったが、レーチェルは車で帰ろうとするシーンがかっこよかったので報われると思っていたのだが…予想外。
    しかしあえて言うなら、本当に邪悪なのは人間ではなく人知を超えた別の存在とされているところが救いというか甘いところかなと思う。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スティーヴン・キングの作品

ペット・セマタリー(下) (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×