ニードフル・シングス (上) (文春文庫)

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  • 本 ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167148157

感想・レビュー・書評

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  • 群像劇的な作品。一つの街を舞台にして「適度に無関心で適度に友好的な隣人同士」だった人々の間に密かな悪意が連鎖して、ついには街が崩壊していく。「自身の望み(欲望)のためならばどこまで他人を踏み躙れるか」が主題の一つのように思えた。
    「家族間の無関心でここまで酷薄になれるのか」と感じる場面があり、同作家の『ペット・セマタリー』と好対照だと感じた。

  • あの作品やその作品の人物が登場してくる、キングユニバースのクロスオーバー作品。
    じわじわとキング特有のディテールの積み上げ巻。
    この精緻に積み上げられた積み木をどう豪快に崩してくれるのか楽しみだ。

    ささ、下巻へ。

  • 憧れの品が手に入らないよりも、一度手に入れて奪われる方が何倍も辛いという人間の心情。
    登場人物が多いのでついていくのが大変だが、田舎町でとんでもないことが起きる伏線として丁寧に読む。

  • ・1月18日に読み始め、23日に読み終えました。

    ・父からのお薦めです。

    ・や〜〜〜〜〜〜〜〜なの。怖いのかキモいのかどっちだ〜?って思いながら読んでたけど、これは悪意の方でしたね……?(まだ上巻) いやでも怖くもキモくもあるわ。悪意の土台に怖さとキモさをトッピングって感じですかね。ん? 何言ってる?

    ・これ内容とあんま関係ないんだけど一部の文字とか文書がでかくなるのすごいね。文庫ってこういうのできるんだ。原著がそうなっているんだろうな。


    ・ページ数を贅沢に使ってキャッスルロックの人たちがどんな人間関係を持ちながら暮らしているのか、どんな物でゴーントさんにとりこになっていくのがかじっくりじっくり書かれていてすーごく丁寧だなと思った。視点がコロコロ変わるから最初は混乱したけどキャラクターがいい意味ても悪い意味でも立ってるからすぐ慣れる。

    ・じっくり丁寧に書かれていたから、ゴーントさんが指示するいたずらやそれを行う人を見てそれはヤバい!!やるな!!とハラハラできる。これやられた方は今までの人間関係に照らして憎きあいつか……!!ってなるけど実行した人はまったく別の人なの嫌すぎるな。濡れ衣かかってるほうも相手に濡れ衣かけてるし。これキャッスルロックどうなっちゃうの?町壊滅しない?


    ・あと端々にな~んか嫌な感じで性的なことが書かれているの嫌だった("良くない"という意味ではなく)。私が元々男女の性的行為描写を得意としてないからもあると思うけど、なんか……これ書く必要あるか……?という嫌さ。この作品に掛かっている悪意の膜みたいのに加担しているように感じた。スティーヴン・キングがわりとどの作品でもそういうの書いている人だったらただの自分の快不快のヤツです。


    ・最後のスプラッタにはびっくりした。いやそうなるだろうとは思っていたけど超スプラッタじゃん。犬を害する人間は本当に最悪なので「ネッティ!!!いけ!!!!」と思っていましたけど(犬を殺したのはウィルマじゃないのはわかっているけどね。)。

    ・そう、犬を害するのはやめろ…… これは本当に…… わりと思ってたけどこれいたずらの域を超えてるだろ。みんなゴーントさんに「それはできません」って言わないし。犯罪を犯してもいいと思えるほど欲しいものってことなんだろうけどね。

    ・とにかく、犬に害を及ぼした人間は敵なので、私はアランのことを応援しています(応援?)。ポリーも好きだし。これ下巻はスプラッタ祭りなのかな~?うれしくないな~。

  • 内容
    平穏な田舎町キャッスルロックに骨董屋が開店した。店主は素性の知れぬよそ者、でも客はみな目を見張る。欲しくてたまらなかった品々が格安で手に入るのだ。条件はひとつ、店主に頼まれた「いたずら」を実行すれば…。キング作品でおなじみの町に、またも怪異が襲い来る。かつてないスケールと破壊力をそなえた大破局が。

  • 読んだときはピンと来なかったけど、いま関節炎っぽくて身につまされます。

  • 不思議な店が田舎の町に開店して、どのようになるか、ワクワクしましたが、しかし、...

  • 感想は下へ。

  • キングの中では最も好きな作品。早く電子書籍化しないかな……。
    主人公のアランがキング作品内1、2位を争うレベルの行動イケメンなところが好き。1F文庫
    最後がバッドエンドではないところも。

  • 読み終えるのにえらく日数がかかってしまった。
    上・下を1週間かけてようやっとゴール。

    これの前に読んだF・ポール・ウィルスンやマイケル・クライトンの小説は、
    ジェット・コースターに乗っているかのごとくストーリー展開が速かった。
    読み終えるのもあっという間。
    これらに比べると今回のキング作品は亀の歩みのごとくなかなか進まない。
    登場人物ひとりひとりの心理が動いていく様がびっしりと書かれている。
    事件が本格的に動き出すのは、、、(ネタバレのため略)。

    この作品の舞台はキャッスルロックという架空の田舎町。
    『スタンド・バイ・ミー』、『クージョ』、『ダーク・ハーフ』、『デッド・ゾーン』などの作品でもおなじみの町。
    これらの作品に登場した人物やエピソードもたびたび出てくる。
    なので、この町が登場する作品を一通り読んでからの方が、
    より楽しめるだろう。

    いつもいろんな意味でやりたい放題のスティーヴン・キングだけど、
    翻訳のほうもやりたい放題やっているので気持ちがいい。
    こちらもぜひご注目!

    教訓は「物欲は身を滅ぼす」??
    それとも「タダほど高いものはない」??
    あるいは「好奇心がネコの命取り」??
    書きたいことは山ほどあるのだが、
    ぜんぶネタバレになってしまいそうなので、このへんで止めときます。

    ちなみに、この小説はエド・ハリス主演で映画化されているそうだが、
    ストーリーがずいぶんといじられているようだ。

    以上は上下巻とも読んだ感想です。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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