図書館警察 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1999年8月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (704ページ) / ISBN・EAN: 9784167148195

みんなの感想まとめ

シンプルながらも緊張感あふれるストーリーが展開される本作は、借りた本を返さないことで引き起こされる恐怖を描いています。特に、ミズ・ローツの正体や彼女にまつわる忌まわしい過去は、序盤から中盤にかけて読者...

感想・レビュー・書評

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  • 期日までに本を返さない子、本を汚したり傷つけたりする悪い子のところには図書館警察がやってくる・・・!

    幼少期のトラウマから図書館を避けていたサムは久々に図書館を訪れた。講演の資料を探すためである。

    いささか過激すぎる、恐怖心を煽るようなポスターの掲示について司書の女性と一悶着を起こし、帰途についた彼。借りた資料のおかげで講演は大成功、後は期日までに本を返却するだけだったのだが・・・。

    おとぎ話によくある、「悪い子は~~されちゃうぞ!」的要素も、キングの手にかかればおぞましい。。。アーデリアの実態が「普通の」人間でないことがある意味救いかな。

  • 本を整理していたら発見。
    借りていた本を返さないと、怖いことが起こるぞー、という実にシンプルなストーリーが良くも悪くもキングらしい文体で繰り出されてくる。

    ミズ・ローツの正体は?彼女にまつわる忌まわしい過去とは?
    序盤から中盤、ドキドキの展開なのに、例の”IT"パターン、いわゆる「姿、形のある化け物」を退治しました、という終わらせ方に涙が出るほど残念な気持ちとなる一冊。

    途中にある、友人のそのまた友人の話、病気の野球ファンの少年に対して行われた話・・・、泣けてきます。ここは上手いぞ、キング。
    最後にこの表紙は、キング本史上、最高のカバーだと思います。

  • 間違っても京都の大学を牛耳る図書回収組織の事ではないです。
    むしろこちらにインスパイアされて……という話も。
    スティーブンキングらしいホラー小説です。
    図書館って恐ろしい……

  • 表題作だけ読みました。
    興味深い都市伝説ですね。
    日本にもあったら面白いな。

  •  図書館へ返却できる筈の本が不自然に返却できない。必要に本の返却を請求してくる図書館の老婦人。
    「期日に本を返さないと現れる図書館警察」というアイデアがちょっとホフマンの砂男に似ていて、無気味さを醸し出しています。フロイトが砂男の引用をして「無気味なもの」を書いていますが、子供の頃に起因する懐かしさと同居したところに本来の恐さというか不気味さがあるというフロイトの指摘をそのまま扱ったような作品で、とっても面白かったです。時間がなくて感想が安直になりますが、勘弁して下さい。機会をみて改めて書く予定です。

  •  「図書館警察」という設定や、過去の図書館に迷い込み、今は存在しない司書に会ってしまうという序盤の展開はおもしろい。
     でも、途中から段々B級映画臭がしてくる。未知の生物と戦って、美女と吊り橋効果で恋に落ち、悲しい犠牲を出しながらも敵を仕留めて、2人で抱き合うラストシーン。アメリカ映画によくある感じ。
     メインのストーリーだけ見ると、あえて図書館を舞台にしなくても書けそう…と思ってしまった。

  • 図書館・・・期限切れやら紛失未遂が多すぎて、この作品はまともに読めなかった~

  • 図書館警察のほうがお気に入り。サン・ドッグは途中だれてしまった。

  • 四つの短編からなるFour past midnightの後半2編「図書館警察」と「サン・ドッグ」を収録。

    「図書館で借りた本をきちんと返さないと子供たちを懲らしめに来る恐ろしい警察官」というアメリカの都市伝説を素材にした恐怖小説。中篇ながら、ロマンスあり友情あり、泣かせて怖がられてくれるお得感満載の一編です。長編でない分、無駄な描写がないのでキングの魅力がぎゅっと凝縮された感じ。
    「サン・ドッグ」は長編「ニードフル・ジングス」に繋がるキャッスルロックを舞台にした怪異譚。これを読んだので「ニードフル・シングス」を読まないわけにはいかなくなってしまった。
    キングの入門編としてはお手ごろなのではないかと思いますヨ!

  • 長い!
    文庫本2冊分だね。でも、おもしろかった。
    図書館で借りた本をなくした主人公。返却日になると・・・という1篇と他。

  • どかんとくる怖さじゃなく、ジワジワと後引く恐怖が不気味で、キング。

  • 中篇集『Four past midnight』その2。標題『図書館警察』は、図書館で借りた本を返さないとやってくるとされる図書館警察と、その思い出に悩まされる男の話。『IT』を思い出させる中篇。なかなか面白い。『サン・ドッグ』はキャッスルロックが舞台で、奇妙な犬が写るカメラの話。『ニードフル・シングス』へと続く一篇。キング好きなら押さえておくべき?

  • 注意!※作中の性暴力表現に触れています

    ほぼ長編と言っていい長さの中編が二本収録されている贅沢仕様でありながら、キングの連作長編を読み慣れているとこれでもまだ少し短く感じてしまうのが恐ろしい。しかしながらキング入門としては「恐怖の四季」と同様に最適で、同連作の『ランゴリアーズ』と同じくキング初心者がキングの長編を堪能できるちょうどいい塩梅の一冊である。

    『図書館警察』は、スピーチのために借りた本を紛失してしまい、期限内に返却しないと恐ろしい図書館警察が来るという設定がまず魅力的で、ほぼ異界と言ってもいい図書館のおどろおどろしさは必見である。カビ臭い閉鎖空間の恐怖もさることながら、本来ならありえない子供の恐怖を煽るポスターの存在と、そこにいる明らかに人外のものである司書がその恐ろしさに拍車をかけている。そして司書の正体に迫る怪異の謎解きもあり、それが主人公が根底で抱えるトラウマに繋がっていくのも見事だった。

    図書館警察と図書館にまつわる恐怖の正体は幼少期に強姦被害であり、この描写はかなりえげつない。読み手を選ぶ描写であるが、どこか薄膜一枚隔てたような主人公の感情の鈍麻であったりヒロインとの距離感などとの答え合わせになっており、その恐怖を打破するために戦うというのは性暴力サバイバーの寓話としても読み応えがあったと思う。キングでは頻発するAAの描写もそうだが、そうした社会において何かを抱えてしまった人とそれに対する救済を描くのがキングは本当に上手いと思う。

    もう一つの収録作である『サン・ドッグ』もまた、中学生ぐらいの少年が主人公であり、こちらは異界を映すカメラを拾ってしまったしまった怪異モノである。面白いのは心霊写真のような「映ってはいけないもの」を映してしまった怪談は多いものの「異界を映すことそのもの」が忌まわしいものとして、カメラ自体が呪物となっているのは中々に面白いと思った。キャッスル・ロック舞台のキング作品を他に読んでいれば本作はより楽しめること請け合いで、特に『スタンドバイミー』のエース・メリルの叔父であるポップ・メリルは血は争えない邪悪さを見せてくれる。また『クージョ』の悲劇を知っていると本作の魔犬への恐怖も増大するとともに、キャッスルロックという同舞台でハッピーエンドで終わらなかった「前例」があるおかげで本作も最後まで気が抜けなかった。

    一度カメラを奪ってその後にオカルトマニアに売りに行って袖にされる描写が個人的にはお気に入りで、断る理由がそれぞれ別というのも面白い。イカサマであったり、心霊写真と違う忌まわしいものだからダメだったり、そもそも使い道がなかったりと、その断りかたは妙に現実的で笑ってしまった。オカルトマニアは死に急ぎではなく、そうしたものに接する機会が多いからこその危機管理能力なのか、はたまたあくまで軸足が現実にある「お遊び」だからこそ、本当の非現実であるカメラの価値は見抜けなかったのかなど、色々と読み解き甲斐もある。

    最後のカメラで封印するオチは数多のホラーを見ていると容易に想像はつくものの、一度カメラの所有権が移ったのもあってか話がどう転がるか読めず、それもあって結構盛り上がったクライマックスになったと思う。そしてエンドロールでの謎のメッセージと恐怖が終わらないのはベタでありながらぶった斬りに近い恐怖感があり、ホラー指数でいうなら『ランゴリアーズ』『秘密の窓、秘密の庭』も含めて本作の『サン・ドッグ』がブッチぎりで高かったと思う。


  • 再読。

    びっくりするぐらい覚えていなかった、図書館警察はなんとなくリコリスが出てたなぁぐらいでサンドッグにいたっては全てが忘却の彼方。

    図書館警察の方が好み。各キャラクターが味わい深し。
    ダーティ・デイヴ、ええやつやのぉ。「借り」にまつわる話でグッときました。主人公サムに起きた過去の話がハードでダークで胸糞。実際にこの国に住んでみて結構リアリティを感じられるエピソードだけにね。

    サンドッグを読み終えたらニードフル・シングスを読み返したくなる。キャッスルロック関連を一気読みしたい衝動にかられるね。

    巻末の鼎談で語られるキング小説トリビアが楽しい。
    あれとあれが繋がってとかあそこで出てくるあれは実はあれでとか、その説明だけのトリビア本があったら読みたい。

    アーデリアの正体が実はITのあいつと同類だったとかの事実ない?ないのかなぁ。

    大満足です。

  • 「図書館警察」にかんして、もっとファンタジーな本で、ホラーを交えつつもっと明るい作品かと思っていたが、想像とは違ったストーリーで、クリーチャーが出てきて戦って、ダークだけどファンタジーで、なじめないストーリー展開で自分にははまらなかった。「IT」に雰囲気近いかも
    「サン・ドッグ」は途中で飽きて読むのやめた。カメラに謎の位階の犬が映り込んで、どうなるのって内容だが、短編にしてまとめてくれてたら楽しめた内容だと思う。

  • 図書館警察
    吸血鬼とアルコール中毒がテーマになっています。同じテーマのドクタースリープがアメコミ原作アクション映画風であるのに対して、図書館司書の正体を暴いていくミステリーとなっています。

    アルコール中毒者ダーティデイブの話から司書の正体が吸血鬼であると突き詰めていく過程はものすごくおもしろいのですが、そのほかにも急な依頼の講演会が大成功するところやデイブが友人の息子に送ったカンザスシティロイヤルズ選手の似顔絵とサイン入りボールをプレゼントするエピソードはそれだけで短編小説になるぐらいたのしいです。

    アメリカでは一般的であろう本2冊「講演者必携」と「アメリカ愛読詩集」やリコリスというお菓子が重要なアイテムとなっているところがキングらしさ満載でした。

    サンドック
    もうひとつの世界とつながっているポラロイドカメラをプレゼントされた少年の成長物語です。十分おもしろい小説ですが、もっと長編にしてポップのぼったくり商売旅行と少年の成長過程をじっくり読んでみたいと思いました。

  • 表題作だけ読了。後に続く「サン・ドッグ」は未読。

    今、図書館や図書館司書の出てくる作品を集中的に読んでいる。そうした作品のほとんどは、図書館も司書も好意的に描かれているが、本作では真逆である。内容の根幹をなすのは人間のトラウマで、おぞましい記憶の深層に図書館や司書、さらに「図書館警察」なるものがある、という設定だ。

    主人公サムが迷い込んだ図書館は昔の建物。次に行ったときには一新していた…。物語はホラー色が強く、幻覚を見せられている気分になる。未返却本の督促は、人によっては恐怖でもあるだろう。そんな人の心理を利用した話である。

    終盤に昔サムの身に起こった出来事が明らかになり、彼が心の傷を克服できるかが本作のテーマだとわかった。ならば、おぞましい司書や図書館を登場させる必要があったのか。ちょっとモヤモヤが残った。

  • 図書館警察
    図書館に本を返さないと図書館警察が来る。怖い司書、イカれた図書室児童書コーナー、大人が子供時代のトラウマに立ち向かう、IT系のホラー小説。

    サンドッグ
    誕生日に買ってもらったポロライドカメラは、撮るたびに犬の写真が映る不思議なカメラ。それも、その犬は少しずつ動いていて…
    少年と老人と父親、カメラがやばすぎて、ドキドキするシーンがたくさんある。あっという間に読み終わった。

  •  表面的なホラーストーリーと共にその底流でストーリーと共に展開される人間の奥底の心の闇を繊細に描いた物語。
     単純に図書館の図書貸出を取り締る、権力に対抵抗する良識ある市民という構図を想像するとすればそれは明らかに違う。社会性を問う物語ではなく、人間の心の闇の深さを「図書館警察」というこの闇が作り出すフィクション―本人にとってはリアリティであるが―と当人の心の葛藤を描いたもので多かれ少なかれ読み手自身誰もが思いあたる心の弱さである。
     講演スピーチのため本を図書館で借りたサム。そのサムの自宅に不要物を回収するデイヴ。2人の心の葛藤を解放するものは「勇気」と「希望」。この心の闇に差し込む光こそが彼らを解放する。鬱蒼とした表面上のスト―リ―とは裏腹に心の動きの構造や対立軸は分りやすい。
     ただ気になるのは、その正体は妖怪を彷彿させるア―デリアは、人間の心の闇が作り出したフィクションではなく、間違いなく人の心の奥底にある腹黒い何かなのである。それは人間の本質的な「性悪」。そうだとすると、人の心の弱さが作り出すフィクションという単純なものではなく、不可避的な人間の性悪をどうつきあっていくのか。そんなことを読み手に問う物語である。表面的な妖怪退治の物語と読み取るのであれば、それは浅い読み方なのではないか。
     余談だが、もう一人重要な脇役のナオミ。彼女だけがその心に持つ闇の背景が明らかにされないのは気になるところ。同じくホラーストーリーとしての「サンド・ドッグ」も収録。図書館警察をこのように解釈すると、サンド・ドッグのストーリーの底流にある心の動き、心そのものは何なのか。考えながら読み進めると面白いかもしれない。

  • ※図書館→古書で購入

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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