秦の始皇帝 (文春文庫 ち 1-17)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167150174

感想・レビュー・書評

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  • 秦の始皇帝は、現実主義であり、ルールに基づいて、処罰した。
    人を見抜く、力があったが、うまくコントロールされやすくもある。
    子供はたくさんあったが、想定外の死で、
    力のある息子に受け継ぐことができなかった。
    度量衡の統一、轍の幅の統一、外国人、能力のあるものの採用。
    新しい技術やシステムを積極的に取り入れた。
    また、滅ぼした国の宮殿などを一箇所にあめた。
    言葉の統一を図った。貨幣は、青銅銭から統一した半両銭にした。
    まさに、国をシステム化したことはすごい。
    しかし、神仙思想があり、13歳で、秦の王になってから、
    お墓を探し作り始めた。そして、不老不死の薬を求め
    徐福の詐欺にあった。

    規律を重んじて、罰則を明確化したので、他の国よりも軍隊が強かった。
    鉄の刀を使っていたと思ったが、青銅の刀だった。
    服装は、馬に乗れるように、ズボンを採用した。
    とにかく、面白い人物であるが、
    史記には、あまりその性格が書かれていないようだ。 

  • 中国を知ろうと思えば、それを生んだ秦の始皇帝を知らなければならない。
    始皇帝が天下を統一したからだ。その統一によって、中国が一つであるという信念が人々の心に刻み込まれ、二十一世紀の今日もなお中国の人々の心に彼は生きているのだ。
    つまり始皇帝は中国の生みの親である。その始皇帝の出生から秦の滅亡までを語る。


    「奇貨居くべし」を読んだあとだけに、始皇帝に対するイメージはあまりよくないのですが、統一国家を作り、実績を挙げたことだけは確かです。(長続きしなかったけどね)

    世界史の授業で習ったことで覚えているのは、中央集権制・郡県制の採用・度量衡の統一・焚書坑儒・鄭国渠・万里の長城・兵馬俑ぐらいしかないのですが、その1つ1つに大きな意味があり、好きにはなれない人物ではありますが、この人でなければ統一は不可能だったと思います。
    個人的には始皇帝のおかげで、「韓非子」を読むようになりました。

    始皇帝による度量衡と貨幣と車の幅の統一のおかげで、その時に生きていた方々だけでなく後世まで統一意識を失わず、今の中国があるのでしょうね。

  • キングダムに重ねて読むと面白い

  • 陳舜臣が書く秦の始皇帝の話、おもしろくないわけがない。歴史書であり小説であり、小説のようで小説でなく、結局歴史書じゃないか、と思うんだけど、わかりやすく書かれた歴史書は小説を内包するというか。事実は小説よりも奇なり、歴史は小説よりも奇なり、そういう小説であり、歴史書。

  • (2016.01.25読了)(2005.01.22購入)

    【目次】
    まえがき
    第一章 現代に生きる功績
    第二章 乱世の果て
    第三章 少年王 政の秘密
    第四章 全国統一への道
    第五章 独裁者・光と影
    第六章 万里の長城と騎馬民族
    第七章 秦を支えた法家
    第八章 神仙へのあこがれ
    第九章 迸る庶民の恨み
    第十章 戦国最強の軍隊
    第十一章 文物は語る
    第十二章 帝国の滅亡
    あとがき
    本書関連年表

    ☆陳舜臣さんの本(既読)
    「秘本 三国志 一」陳舜臣著、文春文庫、1982.07.25
    「秘本 三国志 二」陳舜臣著、文春文庫、1982.07.25
    「秘本 三国志 三」陳舜臣著、文春文庫、1982.08.25
    「秘本 三国志 四」陳舜臣著、文春文庫、1982.08.25
    「秘本 三国志 五」陳舜臣著、文春文庫、1982.09.25
    「秘本 三国志 六」陳舜臣著、文春文庫、1982.09.25
    「小説 マルコポー口」陳舜臣著、文春文庫、1983.04.25
    「ものがたり史記」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「ものがたり水滸伝」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「ものがたり唐代伝奇」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「西城余聞」陳舜臣著、朝日文庫、1984.05.20
    「中国の歴史 一」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「中国の歴史 二」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「琉球の風 一」陳舜臣著、講談社、1992.09.24
    「琉球の風 二」陳舜臣著、講談社、1992.10.14
    「琉球の風 三」陳舜臣著、講談社、1992.11.05

    (「BOOK」データベースより)amazon
    中国を知ろうと思えば、それを生んだ秦の始皇帝を知らなければならない。始皇帝が天下を統一したからだ。その統一によって、中国が一つであるという信念が人々の心に刻みこまれ、二十一世紀の今日もなお中国の人々の心に彼は生きているのだ。つまり始皇帝は中国の生みの親である。その始皇帝の出生から秦の滅亡までを語る。

  • 秦の始皇帝がいかにして中華統一を成し遂げたのかを、誰にでも解かり易い物語で簡単に書かれているところが良い。ページ数が少ないので軽く読める一冊。秦の始皇帝が行った事績を要点を捉えて順に追うと共に、彼が始めて成し遂げた中華統一という事実が、「アプリオリ」として後世にどれほど大きな影響を与えたのか、そこに焦点が当てられている気がする。

  • 歴史書。小説ではない。しかし歴史はドラマであり小説以上の面白さがある。この本は余計な部分がなく、そのことに気づかせてくれる。どのようにして始皇帝が生まれたのか、どうして中華を統一できたのか。そして始皇帝の業績が後々にどのように影響しているのか分かりやすく書いてある。

  • 4167150174  190p 2003・8・10 1刷

  • さまざまなトリビア的情報は散りばめられているが、始皇帝の歴史的評価として記述されているのは
    ①一つの中国という概念の創設
    ②その後の政権の反面教師
    の二点のみ。
    一冊の本とするにはかなり寂しい内容ではあるが、突き詰めればそういうことなのかもしれない。
    ただ、その後の中国と世界の関わり方に与えた影響など、もう少し書き込んで欲しかった。

  • この間この方の「茶の話」を読んで面白かったので買ってみました。とてもわかりやすいし非常に面白かったです。

    秦の始皇帝の逸話は色々と知っているような気になっていたのですが時系列できちんと生涯を追いかけたことはなかったのでなるほど~と思いました。又あとがきが良いですね。

    「始皇帝のすがたは、拡大もできるし、縮小することもできる。」

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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