甘い関係 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784167153434

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

恋愛や仕事に悩む三人の女性たちの物語は、共感を呼び起こしながらも、彼女たちがポジティブに前を向く姿勢を描いています。昭和42年に発表されたとは思えないほど現代的なテーマやキャラクター設定が魅力で、ルー...

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛がうまくいかなかったとき「貴重な時間を無駄にした」と言う人がいるけれど、楽しかった時間は確かにあったはずなんだよね。なんでこんな男に……と思いながら惹かれることがあるんだよね。分かる、分かるよ、と3人に混ざって恋話をして、励まされたみたいな読後感。

    物語にでてくる女性は3人とも、なんらかの悩みをもちながら恋をしていて、それがまた痛いくらいに共感できるのだけれど、最終的にはみんなポジティブに前を向いている。彼女たちみたいに生きたいなぁと思える。結局さ、気の持ちようなんだよね。そう思うだけでも心が軽くなる。

    辛い恋をしてる人に、読んで欲しいな。わたしは今出会えてよかったなぁとも思うし、過去のもっと辛い時に読んでいたらもう少し立ち直りが早かったかもなぁとも思う。それくらい、寄り添う力が強い本。

    女3人が一緒に暮らしていて、みんなバリバリ働いていて、って今では珍しくないけれど、これが昭和に書かれているのがすごい。あの頃の新鮮さが、今では違和感なく受けとめられているのと、本質的に変わらないものがあるからこそ、時が経っても楽しめるんだよね。ありがとう、田辺さん。

  • ルームシェアする3人の二十代女子の、仕事と恋。それぞれ、雑誌編集者・シンガーの卵・会社勤めしつつ副業(店の経営等)と、設定のみなら近年描かれたものとしても通る。が、本作が昭和42年に発表されたということに驚く!!ルームシェアをワリカン合宿とか、田辺さん独自の言い回しがいちいち上手いのだ。読んでいると端々に当時っぽい表現を感じるけど(今の価値観だとぎょっとするけど、そこは割り切りつつ)、田辺さんの軽妙な語りに乗せられて、グイグイ読んでしまう。男女の丁々発止なやり取りはさすがで、こんなにテンポよくユーモラスに会話を紡ぐ作家、私の知る限りでは田辺さんがピカ一である。
    大きな起承転結の間に、細かいアップダウンが沢山。この微妙な起伏の多さが田辺作品の特徴かなと思うが、本作はそれが顕著で登場人物も多い。本作が新聞連載小説だったと知り、納得である。登場人物の多さに人物相関図が欲しいと思うほどだが、それぞれのキャラがモブでなく見事に立っており、意外なところでそれぞれ絡んだりするのが面白い。
    フード描写もさすがで、すっぽん鍋のような高級店から、ありあわせ材料で作る夜のラーメンまで、どれも美味しそう!神戸の高級ホテルの場面は心躍る。バブリーな華やかさだが、昭和42年なんだものね。
    解説で林真理子さんが『後の田辺文学の中核を成す要素がすべて入っている』と評しているが、心から納得。女の修羅場シーンは激しいが、どこか滑稽で切ない。男共は総じてしょーもないが、なぜか憎みきれない。隅々まで田辺イズムが感じられるのだ。
    シスターフッドものとしても秀逸で、今にリメイクしても十分アリかなとも思える。二十代の仕事と恋愛に対する悩みは、時代が変わっても大きく変化することはないなと改めて思ったから。そして、いつの時代も人生を謳歌する二十代女子は、瑞々しくて溌剌としていて素敵だなと思う。時には青臭い失敗をして七転八倒しても、泣いて愚痴って立ち上がる。そんな彼女達にエールを送りたくなる。
    新装版のカバーもまた可愛くて大好き!このレモンのアップリケがフレッシュな彼女達の魅力を見事に表現している。

  • おせいさんのお話の女性は、恋愛していて振り回されているように見えていても、心の底は冷静というのが好きです。
    トモ代と時枝みたいになりふり構わず、というのができない。それは彩子、町子、美紀がそれぞれバリバリ仕事していて、男にもたれかかる(というと言葉が上手くないけど…)女性ではない、というのが大きいんだろうな。
    でもそれは、トモ代や静枝ほど、相手のことが本気じゃないことの裏返しかも。
    しょうもな…みたいな男性が相手なのも面白い。しょうもな…とわかっていても離れがたいのが切ないです。
    浜野悟が俗物になって退場したのは良かったけど、啓二はちょっと…まぁ、これまでのツケを払ったのかも。。。

    それにしても、この時代にルームシェアはいいなぁ。さすがおせいさん!
    世話を焼いたり、焼かれたり。お節介したり、心配したり。持ちつ持たれつです。

  • 酸いも甘いもという感じで、今まで読んだ田辺聖子の中では乃理子シリーズの次に好きだった

  • 田辺聖子さんの本は学生のときぶりに読む。

    彩子が悟に対して抱く感情はなんとなくわかる。
    一緒にいないときは別に一人でも平気だと思うし、でも会うとこの人なしではいられないと思う。全く逆で、会ってる間に、この人がいなくても平気だと思うこともある。

  • 今でいうルームシェアをして暮らす3人。
    仕事を楽しみながらも恋人への執着を捨てられない彩子。平凡なOL(当時の言葉でいうならBG)を装いながら実業家として成功している美紀も、女とお金にだらしのない男と関係を続けている。
    駆け出しの歌手の町子は、恋に生きる体質が災いしてか、なかなか目が出ない。
    その気になれば自立して一人で生きていけるはずの彼女たちだが、やっぱり恋を諦められない。相手は誰も彼もいわゆるろくでもない男ばかり。
    三人三様、怒ったり笑ったり開き直ったり、忙しい。裏切られても悲壮感なく立ち上がる逞しさも小気味よく、心が軽くなる読後感だ。

  • 相変わらず美しくて可愛い恋する働く女性たち。食事なり金なり男なり、どん底に落ちた時の回復方法をそれぞれ心得てるのが頼もしい。その人しかいないって思う場面も、そこから冷めてしまった自分に気づく悲しい瞬間も、恋の全フェーズが詰まってる。惨めな時もユーモアの隠し味があって、最近は田辺節しか読めん。。

  • 神視点めずらしいのでは?場面がころころ変わるので読み辛かったが新鮮だった。
    ラストは「またそのラスト!」と思わず声に出して突っ込んだ。
    女性の嫉妬や情けが痒いところに手が届くように文になっていて頷いてしまう。

  • 働く女性は美しい。食べ物を食べるときの描写がすごく好き。

  • レトロな感じがたまらない。
    田辺節好きだ。

  • ルームシェアしてる女性3人の物語。がっつり関西弁な会話がいいアクセントになってるように感じた。

  • 夢を持たせない現実味溢れる小説。なかなかよし◎

  • 若い女の子3人の群像劇。女の子たちもそれぞれ魅力的だが私は彼女らをとりまく男性陣のほうが好きだった。結構ダメ男ばっかりだけど。

  • 「愛の幻滅」を読んだとき、田辺聖子面白いって思ったけど、今回はなんか違った。
    「愛の幻滅」と同じく、何十年前の作品でも今でも古さを感じさせない、という意味ですごいなと思う。
    けど、今回は登場人物が多すぎて話がごちゃごちゃした気がする。

    と、「氷点」とか読んだ後で、ちょっとした軽薄さに落差かありすぎたかな?

  • さくさく読みやすかった。
    田辺さんの綴る主人公はとっても魅力的。

  • 「女はそれぞれ爆弾を抱えている。」

    中でも紅谷に捨てられた妻がひときわ心に残った。無償の愛、ということは簡単だけど、尽くしていることが自分の幸せだと勘違いしているうちは、それはほんまもんじゃないんじゃないかなぁと。自分を愛し、好きなことして、自分を構ってあげられてこそ、コップは溢れて愛せるんかなぁと思った。

    この本読んで、田辺聖子の本が好きな理由がなんとなく分かった気がする。それは、登場人物の女の子に心があるからだ。人に感情がある小説は数あれど、なにかあたたかく座っている心を感じるからだ。そしてみんな腹の底では透明な流れをそれぞれ持っている。

  • 共同生活をしているPR雑誌の編集記者、彩子、
    歌手志望の町子、
    資産運用に精を出すBG(!、現在で言うOL)美紀
    の独身女性3人の物語。

    女同士3人の共同生活なんて
    全く興味無い、というか命がけで絶対したくないから、
    その部分では全く心惹かれる事はなかった。

    登場人物の中では彩子に多く感情移入

    自分だけがふと置いてきぼりの気持ちになったり
    相手が思うような反応や態度みせてくれなかったり
    (そんな時、田辺文学では「じれじれして」と言う表現、
    なんともぴったりだ!)

    また一方で、ご飯を食べて急に元気が出たりするところ、自分と似てる。

    興味が無くなった人、喧嘩相手でもないやと思った人を
    突然辛辣な意地悪な目つきで見るところ、わかるなあ。

    賢しげにそつない、そして女には嫌な女、喜志あぐりの鼻を
    彩子がちょっとだけあかすところ、好きだなあ。

    へーえ、ふーん…なんて感じの登場人物にも
    とどめをささず優しいところが田辺文学の良いところ。

    いろんなタイプのいい女と、
    いろんなタイプの駄目な男が出てきますなあ。

    出てくるおうどん、おでん、美味しそう!

    ところで、この小説の中の紅谷ユズルさんについて。
    「猫も杓子も」の中でも悟ちゃんがこういう運命を辿ったけれど
    なんだか、ねえ。

  • 今年28冊目。
    田辺聖子さんの小説を初めて読んでみました。

    この小説は、
    1975年頃のお話。

    今で言うルームシェアをしている、
    19歳,23歳,29歳の3人の働く女性が主人公。
    それぞれの恋愛や仕事、
    女性から見た男性感が
    テンポ良く素直に描かれている。

    こういう切り口のお話は今でも、
    ドラマや小説でもよくありますが…。

    半世紀とはいかないけれど、、、
    40数年経っているのだから、
    時代背景や、
    女性全体の平均的な考え方は変わってきている。

    けれど、
    どの時代も、
    恋愛や、それ以外の人間関係の中での
    自立の仕方や、弱さや、ずるさ、
    理想と現実のギャップ…
    そういう葛藤は変わらないなぁと
    感じました。

  • 今も昔も男と女は変わらんのだね、と妙に納得して、すっきりとした読後感でした。
    ほんと30年前に書かれたとはねぇ。当時としては、刺激的な内容だったんじゃないかと思う。たまに読みたくなるかも。
    男の人、たくさん出てくるけど、楠センセに一票!

  • 2011.10.3読了。

    30年以上前の小説なのに古くない。
    彼女の作品を読むといつも思う。
    今となれば、携帯電話がない時代の小説って面白い。特に、恋愛小説!

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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