斬 (文春文庫 157-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167157012

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  • 死刑執行人山田浅右衛門一家の話。幕末、廃刀令などの時代背景の中、衰退して行く様を描く。
    幕末の人々、世界が変わって行く様の描写も面白いし、それを肌で感じ翻弄されていく一家も読んでいて心に来るものがある。他の歴史小説とは異なる感じがした。時代背景は歴史を淡々と描き、主人公らには血が通った書き方をしているせいだろうか。最後も物悲しくて良い。

  • 敗者からみた歴史、いわゆる稗史の手法は自分好みだけど、 ディテールに凝り過ぎて、 物語の推進力が停滞するというよくある弊害。 好みであり、好みでないんだからビミョーだよな。 たぶん、この人の本はもう読まない気が。 たまたま同時期に読んでいた「警視庁草紙」とエピソードが被っていて、切り口が違うので面白かったが。

  • 第67回直木賞。
    江戸から明治に変わる時代の、死刑執行人の話。
    当時の死刑執行は、刀による首斬り。腕のたつ山田家が代々それを家業として継いでいたが、仕事とはいえ人を切る生臭さ、周囲の目、技術の鍛錬など、山田一家にとって精神的・身体的な悩みは尽きない。しかも、家族間のいざこざ、明治の御一新で死刑の手段が絞首や銃殺へとって変わるなどが重なり、山田家は崩壊していく。
    時代考察が細かく、ノンフィクションを読んでいるかのよう。実際、斬首した島田一郎(大久保利通の暗殺犯)の逸話などは実話のようだ。
    斬られる人々や、山田家に仕え続けた浜田など、サブキャラクターが小説をより面白いものにしている。。タイトルの「斬」は内容を象徴していて、漢字一字で潔い。

  • ■内容
    首斬り浅右衛門の異名で罪人を斬り続けた山田家二百五十年の崩壊の末路を、豊富な資料を駆使して歴史小説の新しい可能性を拓いたと絶賛された第67回直木賞受賞作

    ■memo
    専門学校時代、バイト先のマスターに借りて読んだ本。本当は股借りで、その本の持ち主はバイト先の吸う剣先の中華料理屋の店主のもの。一言で言えば「最高!」最近、発売当初の3倍の値段がついているハードカバーのこれを買った。永久保存版。

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