それから 門 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 245
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167158040

作品紹介・あらすじ

三十を過ぎても定職につかず、漫然と生きる長井代助には、かつて愛した女性を親友に譲った過去があった。彼女と再会した代助を襲う衝動、それは真実の愛か、理に悖る愛か-。近代人とエゴイズムの問題に切り込んだ『それから』。罪を負った代助の"後日の姿"を冷徹に見つめた『門』。永遠の名作二篇を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公に苛立ちをおぼえた。

  • 自分自身、10代20代のころに「名作」と呼ばれる本を読んでこなかったことを、後悔しています。
    少しでも取り戻そうと、今さらですが、意識して読むようにしています。
    そこで、近代の日本文学の礎として名前が挙がる夏目漱石。
    学校の課題図書で1冊は読んだ記憶があるのですが、それっきりであることに気づき、代表作として題名が挙がる作品を、読んでみることにました。
    長編小説『それから』、『門』の2作品が、1巻の文庫に納められています。
    『それから』は、裕福な家庭に育った次男が主人公。
    定職につかず、親からの金で気ままに暮らす主人公。
    そこに旧友が妻を伴い、戻ってきます。
    自らの結婚と、旧友夫婦との関係に悩む主人公。
    優柔不断な彼が出した結論は・・・という展開。
    物語としては起伏がゆっくりな印象があり、また主人公には正直、共感はできないなあと、感じました。
    しかし、封建社会から近代社会への転換期に人々がどのように感じて暮らしていたのか、この小説を読んだことによって理解へのきっかけを得られたように思います。
    『門』は、(巻末の解説によると)『それから』の続編的な作品。
    過去を引きずって暮らす、一組の夫婦。
    ひっそりと暮らしていた夫が、社交的な大家と接するうちに、自らの過去と向き合うことになって・・・という展開。
    こちらの作品は、因果応報や人生の苦悩との向き合い方といったようなことを、学ばせてもらいました。
    2作品とも、新聞連載になった作品とのこと。
    100年近く前の文章ということもあるかもしれませんが、「明治の新聞小説は、ずいぶんと哲学的で難しい内容だったのだなあ」と感じました。
    今回読んだ2作品は、晩年に書かれた作品のようなので、前半期に書かれた作品も、読んでみたいと思います。

  • 読むのに苦労したけど、
    同じ歳の主人公が、
    『結婚』について思い悩む姿に
    ちょっと共感

    頭でっかちな主人公を、
    いやだなと思いながらも、
    でも端々にちょっと共感できるところがあった

    続きが気になる

  • 先に読んだ三四郎と合わせてこれで三部作読了。
    得るものはそれぞれにあるけど、個人的には門が一番好き。
    随分昔に書かれた話なのに、どれも現代人の心象を描いているのが不思議。今も昔もエゴイズムとの闘いは変わらずという感じ。

    「それから」のめくるめく混乱を孕んだラストの描写には村上春樹氏の某作が想起された。主人公の今までを考えると三千代との行く末はあまり明るくないような…。
    「門」はつつましく閉じた中で暮らす夫婦二人の生活のじんわりとした暖かみが良い。
    その中で幾度となく思い返され互いを苦しめる罪、逃れようと策を打っても安楽を得られないことに愕然とする主人公。とてもリアリティを感じる一作だった。

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著者プロフィール

明治、大正時代の小説家、英文学者。1867年、江戸(東京都)に生まれる。愛媛県松山で教師をしたのち、イギリスに留学。帰国後、執筆活動を始める。『吾輩は猫である』『三四郎』『こころ』など作品多数。

「2017年 『坊っちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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