春朗合わせ鏡 (文春文庫 た 26-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167164126

感想・レビュー・書評

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  •  青年時代の葛飾北斎が、江戸の町に起きる事件を解決する連作短編集。
     『だましゑ歌麿』『おこう紅絵暦』に続く、時代小説シリーズ第三弾。
     シリーズ物ではあるが、それぞれ独立した作品なので、単独でも充分に読める。
     絵師ならではのこだわりと観点でもって、謎の本質を解明する捕物帖としての面白さはもとより、主人公・春朗と身内や仲間たちとの小気味良いやりとりや、江戸の風俗や美術、人情ものとしての味わいもある。

  • 高橋氏は別の本で北斎が実はスパイだったという説を史実の断片を交えて展開していましたが、本書では物語になっているので、「確かにそんなことがあったかもな」と思えることができました。
    ストーリーの面白さは言うまでもないので、そこに新たな楽しみが加わった感じです。

  • これはスゴイ!高橋克彦って作家は短編でもここまで読ませるんだな。全ての時代小説ファンに読んで欲しい1冊。最終話での春朗に、男の生き様をこれでもかと見せつけられた。

  • 若き日の葛飾北斎(春朗)が仲間と共に事件を解決する、お江戸の時代ミステリー。
    京伝怪異帖の蘭陽も出て来る。
    読んでて楽しかった。

  • 20170319読了

  • 満足度は高い。
    だましゑシリーズ第三弾。今回は春朗が主役の短編7作。
    相棒として、自由気ままな女形の蘭陽が登場。賢くて、美しく、強い。春朗とは対照的で面白い。話としては、「夏芝居」が風情があって良かった。

  • 『だましゑ歌麿』、『おこう紅絵暦』に続くシリーズ第3弾。
    本の帯にはどの本から読んでも楽しめると書いてありましたが、やはり歌麿→おこう→春朗の順で読んだ方がわかりやすいと思います。

    まだ名がそれほど売れていない頃の葛飾北斎(春朗)の物語。痛快でしんみりもさせられる謎解きもの。最終話では、私も春朗と同じ温かい気持ちになりました。

  • だましゑシリーズ。今作の主人公は春朗(後の葛飾北斎)。

    生真面目な春朗と陽気な蘭陽とのコンビが絶妙。著者の北斎の隠密説が下地にあって、上手くキャラがつくられている。御馴染みの脇キャラに加え、今作で出てきた、がたさんも好きな感じ。春朗が主役なだけあって、浮世絵や絵筆の知識もあって面白い。次作の主役は蘭陽?楽しみデス。

  • 春朗がもう少し若ければなあと思う話。
    そうしたら同人誌的な意味で盛り上がりそうなのに。

    筆の話は勉強になった。
    万年筆にも通じるのかなあ。蒔絵にしても書きにくいかもよって。

    あと妻と子の話がちらり。
    北斎の娘は後に絵のほうに進み、父を助けたはず。家庭を顧みない北斎がどこで娘と心を通わせるようになったか書いてほしいなあ。

  • だましゑシリーズ第3弾。

    今回は春朗と蘭陽が軸。
    合間合間に浮世絵に関する知識が書いてあるのがこの本の良さ。

    それにしても蘭陽は粋だな。
    「心根のことを言ってるんだ」って,仰る通りです。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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