- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167164140
感想・レビュー・書評
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こんな男がいたのか。佐賀藩を、国のために一丸となって回り道をさせた佐野常民。鍋島閑叟という希代の名藩主の存在も大きいが、思想はその国に暮らす者を動かすのみだが、技術は世界に通じると疑わず、幕府が倒れた後を見据えて動いた常民。その後、日本赤十字社の生みの親となるまでの活躍も知りたくなる。
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滋賀と佐賀の違いが難しい。漢字で見るとどっちが九州にあるかはわかるが、言葉で言われたり、漢字を読むときにあれ?「しが?、さが?」になってしまう。
江戸末期の佐賀、蒸気船造船に奮闘する佐野常民の話。
高橋克彦氏の本と言うことで、期待して読んだが、主人公の人柄に難が有ったせいか、最後まで話に入り込めなかったな。
佐賀県に興味が湧き、江戸時代の佐賀はこんな感じだったのかというイメージ広がったのは良かった。行ってみたいな佐賀。 -
佐賀藩佐野常民の前半生を描く物語。語り口が明快でとても好きだ。史実に基づきつつ、筆者独特の解釈もそれとわかるように差し挟んであり、その時代の風景が鮮やかに目前に広がるようだった。
今まで郷里の井伊直弼は不平等条約を結び、安政の大獄で稀有の志士を糾弾した時代錯誤な殿様かと思っていたら、井伊直弼は井伊直弼なりの思想の元に時勢に符合する行動をとっていたのだと気付いた。
歴史には色んな立場がある。倒幕に走った土佐、長州、薩摩もそれぞれ趣が違っているし、幕府側についた会津や水戸もまた違っていたのだろう。そんな中で時流にあえて乗らず先の先を見据えた佐賀藩。火城となるべく焦燥感に打ち勝ち奔走する科学者たちがとても素敵だ。
一つの世界に色んな生き様がある。己の信じた道をひた走り続ける強さ、見習っていきたい。
それにしても中村奇助、格好良いなぁ。 -
幕末佐賀藩。
日本が技術力で一目置かれ、属国にされないように、
例え開国で一時的に混乱してもその先のことを考えて、機関車やさまざまな研究を続ける人々。
何の為に勉強をするのか、学問を修めるのかということを考えさせられた。☆ -
幕末に開国を迫られる中で日本の未来を技術の力で打ち立てて行こうと奔走した佐野常民の物語。初めて聞くその人の強い志と行動力に惹きつけられた。
ただ小説としては歴史解説の挟まり方がどうもうっとおしい。解説というより作者の思いを語り過ぎ。 -
ちょこちょこはさんでくる、作者の解説はいらない…。
幕末の物語をもっと読んでみたくなる、そんなお話でした。
高橋さんの違う作品も読みたいな! -
幕末、佐賀の佐野栄寿を描く。
先を見据え、技術立国として成るための思考と周りを巻き込む行動が、ステキ。 -
PHP文庫版も持っているのに、新装版が出るとついつい買ってしまうのは
ファンゆえの行動というヤツでしょうか(苦笑)。
主人公は佐野栄寿、後の常民。日本赤十字の生みの親である――
とは言っても、物語としてはそこまで辿り着いておらず、
熱血漢の前半生を描くに留まっているのが寂しい。
いつかぜひ、開国から日本赤十字設立に至る過程を書いて欲しいなぁ。 -
全1巻。
日本赤十字社の創立者の話。
でも赤十字社関係ない。
幕末での前半生。
高橋先生が好きなので。
そしたらいつもと違う。
少しご都合主義ないつものヒーローと違って
真面目に歴史小説を書こうとしてる感じ。
結果。
あんま好きく無い。
本人が出てきてしゃべり出したときは
こっちがどうしたと聞きたくなった。
それが嫌だから高橋先生が好きなのに。
勢いもなくなって別人みたい。
なんだか全部が中途半端な印象。
新装版はいいから
風の陣を出してくれ。