御宿かわせみ (22) 清姫おりょう (文春文庫) (文春文庫 ひ 1-71 御宿かわせみ 22)
- 文藝春秋 (1999年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167168711
感想・レビュー・書評
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“御宿かわせみ”シリーズ22冊目。
『春の雪』『清姫おりょう』は下手人がつかまらずに終わった作品。かといって迷宮入りというわけではなく、読者には分かっています。東吾の温情もあったり、その後を想像させる終わり方だったり、このシリーズも円熟味を増している気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
22
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【8作収録】
・両親の死をきっかけに幼い頃姉と生き別れになった男。本家の腹違いの兄のもとを訪ねると思いの外親切にされ、姉を見つけたと引き合わされるが、たびたび金を要求され・・・
・親の代からの尾州浪人で、生活のために蝦蟇の油売りをする男。大店の一人娘に惚れられ、婿に入ることが決まったが、尾州家ではそのような者はいないと否定する
・産みの母と育ての母の二人の面倒を見ていることで親孝行の褒美を貰った芸者。しかし、その実は金遣いが荒い上に双方仲の悪い母親二人に手を焼き、嫁入り話も立ち消えになる
・宗太郎の知り合いが寄り合って阿蘭陀正月を祝っていた最中、鍋を食べた直後に二人の男が苦しみだし、一人は命を落とした。鮟鱇鍋に河豚が混ぜられていたようで・・・
・息子を他家に奉公に出し、娘に婿をとって跡を継がせた刀屋。しかし、火事で店主夫婦と娘が命を落とし、他家に出ていた息子が姉婿が火事に見せかけて家族を殺したと主張する
・山の上からのかわらけ投げで若い娘の目に当たり、失明を苦に自殺までさせた男。一向に反省する様子もない男だったが、後日、天璋院代参の行列に石を投げた挙句に切腹する
・東吾が雨宿りをした家の女が殺された。東吾が女のもとに来客があったような声を聞いたことから、その者が事件に関わりがあると調べるが、一向にその存在が浮かび上がらない
・るいや東吾らが見物していた素人芝居の最中に殺人が起こる。舞台に出ていた人間を絞り込み、犯行に使われた刀の持ち主が容疑者となるが・・・ -
「阿蘭陀正月」の篇で,依卜加拉垤=イホカラテツ=ヒポクラテスの掛軸を掛けるってのは面白い.元ネタは「蘭学事始」だったか何だったか.
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初版本
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途中まで読んで、ずいぶん長いこと放置してしまった。別に面白くないワケでもなく、ものすごく面白いワケでもなく。淡々と物語が進んでいく。表題作の清姫おりょう、いわゆる「解決」はしなかったけれど、盗人には盗む理由があって、その理由が悲しかった。
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御宿かわせみシリーズ第22巻。かわせみシリーズは純粋な捕物帳でもないし、人情物語が書かれていることもあるが、解決しない事件と言うものもたまにはあって、「清姫おりょう」という一遍も結局は解決しないまま終わりになったもの。読者にはちゃんと分かるようには書かれているが、こういうのはいまひとつしっくりこない気がする。【2007年1月21日読了】