新装版 御宿かわせみ (文春文庫)

  • 文藝春秋
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167168803

作品紹介・あらすじ

江戸の大川端にある小さな旅篭「かわせみ」。そこに投宿する様々な人たちをめぐっておこる事件の数々。その渦の中に巻きこまれながら、宿の若い女主人るいと恋人神林東吾の二人は、互いに愛を確かめ合い、次第に強く結ばれていく…江戸の下町情緒あふれる筆致で描かれた人情捕物帳。人気シリーズ「御宿かわせみ」新装版第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 時代劇専門チャンネルで真野響子、小野寺昭の「御宿かわせみ」(懐かしい!)をみていて原作を読みたくなり、第1弾短編集を読了しました。ドラマのままの原作で(逆か!)とても面白かったです。
    短編8作を所収していますが、どれも江戸情緒と厚い人情、それに捕り物ミステリーが見事に融合した物語になっています。
    ドラマの印象が強いので、セリフの声もドラマの俳優の声で読んでしまいました。(笑)特に自分が好きなのは律義で友情深い同心・畝源三郎で、山口崇が演じたままなのが嬉しかった。(笑)逆か!(笑)東悟を想うるいの心情の細やかさもとてもよく描けていました。
    捕り物劇がメインですが、人情豊かな「秋の蛍」や「卯の花匂う」「師走の客」、ミステリーの常道を取り入れた「倉の中」「江戸は雪」など様々な方向から楽しませてくれます。こうなると第2弾も気になってきました。(笑)

    • h.t.さん
      私は高島礼子版のドラマも見て、両方見ています、本もそのうち読みたいなあと思っていてたどり着きました!
      私は高島礼子版のドラマも見て、両方見ています、本もそのうち読みたいなあと思っていてたどり着きました!
      2024/04/11
  • 母親の嫁入り道具として実家にあった、古い本を読んだ。人情あり、ミステリーあり、ロマンスあり、のストーリー。時代小説だが、古い感じはあまりせず、楽しく読めた。短編の組み合わせのような本なので、読みやすかった。
    東吾とるいの関係が気になるところ。これから、全巻読破目指します!

  • <目次>


    <内容>
    懐かしの時代劇。真野響子と小野寺昭のNHK版。謎解きではなく、事件が起き、神林東吾と畝源三郎が解いていく。東吾の恋人が御宿かわせみの店主るい。控えめながら勝ち気なところもあり、宿が舞台になることが多いので、事件に絡んでくる。ドラマはるいが主人公だが、小説は東吾の方にシフトしている。

  • メロディアスライブラリーで紹介されて読み始めた本。ようやく読み終わった。
    私もどちらかというと昔のNHKドラマの印象が強い。小野寺明さんと真野響子さん。今となっては、自分よりずっと年下だし、その時のエピソードもほぼ覚えてないから、自分なりに読み進めていった。
    あさのあつこさんの時代物は何冊か読んだけど、平岩弓枝さんのは初めて。
    特にシリーズ一作目のせいか、最初少しまどろっこしいような感じもした。読んでいくうちに慣れてきて、その世界観がだんだん味わえるようになってきた。
    あさのさんのは割と事件や何かに主軸が置かれているような気がしたけど、これは主人公の二人の情愛が重要なモチーフとなってる。小川洋子さんが「しっぽり」という言葉を使ったのがよくわかる。シリーズは結構続いたみたいなので、楽しみながら読んでいくといいかもと思った。

  •  かつて、テレビで観た大人のドラマ。高島礼子が印象深い。橋之助は、あの頃はよかったが、やらかしてから嫌いになった。その前は、真野響子と小野寺昭だったのこと。1980年の放送だから、観ていないのだろう。記憶がない。観ていたにしても、その頃では味わいはわからなかっただろう。今、こちらを観てみたいものだ。
     義理と人情に溢れている。どの話にも、泣かされてしまう。色気もほんのり。実に粋だ。

  • 時代小説 連作短編集

    傑作選から読みはじめたのですが、物語の最初は、どこから始まったのか知りたくて1巻を拝読

    宿屋の風情、人情がみっしり詰まっていてとても良かった
    赤烏帽子、先代萩の千松など耳慣れない言葉を調べるのも楽しくて、続きを読ませて頂こうと思っています

    S49年初刷S55第9刷

  • ▼「御宿かわせみ」平岩弓枝。初出1973~2005、「小説サンデー毎日」または「オール讀物」に連載された「御宿かわせに」シリーズの第1巻。文春文庫。

    ▼収録作=初春の客・花冷え・卯の花匂う・秋の蛍・倉の中・師走の客・江戸は雪・玉屋の紅

    ▼「初春の客」いきなり冒頭エピソードが、外国人(黒人奴隷)と遊女との心中物、というかなりとんがったもので驚きました。

    ▼「花冷え」二つ目のエピソードが、「母親にレールを敷かれて売春をしている芸者」というこれまたけっこうエグい。

    ▼全体に、当然ながら運びがご都合なところはありますが(何しろ探偵役が職業的な捜査員ではないので)、池波正太郎的な犯罪人間模様に女性作家ならではジェンダー的な目線がくわわった味わいは、ナルホドと思いました。

  • ちょっと重たい本が続いたので、軽めの本が良いかな、と初めて手に取った。東吾とるい、それから「かわせみ」の人々や八丁堀の面々を中心に綴られる一話完結の物語。
    東吾とるいの恋模様は初々しく、時々読んでてこちらまで照れちゃうけど、起こる事件は悲喜こもごもで、最後の「玉屋の紅」なんかは読み終わってちょっと放心してしまった。そりゃ、やってしまったことから考えると避けられない成り行きだったのかもしれないけど。
    二人の恋の行方も気になるけど、40巻もあると、長いなぁ……

  • 懐かしいシリーズを再読開始。
    まだ恋人同士の東吾とるいが初々しい。
    江戸の街で、こんな悲喜交々があったのかなあと想像するのも楽しい。事件簿なので物悲しさもありつつ、かわせみシリーズでしばらく楽しませてもらえるのが嬉しい。

  • 「御宿かわせみシリーズ」から「新・御宿かわみ」にシリーズが変わったことで、江戸から、明治・東京へと時代と舞台が移り変わった。それに伴い、活躍する人々の世代交代も行われたわけだが、まさか、東吾さんや畝源三郎さんが、こんなふうになっているとは。衝撃が強すぎて、一瞬頭が真っ白になった。
    麻生家を襲う事件と、それによって起こる源三郎さんの事件については、本作中の最後の章「天が泣く」で真相が明らかになるが、これで解決、大円団ということはなく、やるせなさがどうしても残る。章題の「天が泣く」がそれを表している。
    ただ、現実に起こる様々な事件というのは、その真相がわかったところで、当然ながらそれで万事解決とはならない。その当然を描いているだけかもしれないな、とも思った。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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