新装版 御宿かわせみ (4) 山茶花は見た (文春文庫) (文春文庫 ひ 1-85 御宿かわせみ 4)
- 文藝春秋 (2004年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167168841
感想・レビュー・書評
-
シリーズも4冊目ともなると、お馴染みの主要キャストの活躍ぶりも板についてきて、東吾とるい、東吾と源三郎、そして嘉助らの阿吽の呼吸の展開がなかなか頼もしい限りです。相変わらずこのシリーズの本を読むと、テレビシリーズの配役のまんまの姿と声でイメージしてしまいますね。(笑)
本書には短編8編が収録されていますが、どれも謎の提示とストーリー展開のスピード感が絶妙で、そこに本シリーズならではの人情話が加わって、このシリーズの魅力が絶好調な一冊に仕上がっていると思います。
ミステリーのプロットとして面白かったのは、盗賊を目撃した女中の証言の意外な展開の表題作『山茶花は見た』、同じく殺害犯の逃げるところを目撃した麦湯売り女の証言の意外な展開の『夕涼み殺人事件』、とうとう源三郎に恋をする女性が現れたことから始まる『女難剣難』で、人情の厚さで魅せる物語としては、自分の娘を女郎にして一方で女郎を身請けして妻にするという父親の薄情さと「かわせみ」の面々の人情が光る『ぼてふり安』や、お産間近の女性と付添男性を泊めてしまった「かわせみ」のその後の顛末を描く『人は見かけに』がありました。その他に、ちょい怪奇物シリーズなのか(笑)、『江戸の怪猫』『鴉を飼う女』『鬼女』という恐ろしげなお題を持つミステリアスな物語も著者のいろいろな引き出しのひとつとして一興だと思います。
自分の場合、ドラマの方が先行しているので、『ぼてふり安』とか『夕涼み殺人事件』など少し既視感があり、先が見えてしまった作品もあったのですが、全体としては様々な要素を組み合わせながら、読者を飽きさせない物語群であったと思います。
まだまだ先は遠い・・・。(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<目次>
略
<内容>
もう4巻。手練れな感じ。東吾もるいも余り戯れない。殺人事件ばかりなのはしょうがないか… -
「鴉を飼う女」の東吾の働きに胸がつまった。
-
今回もおもしろく読みました。よくこれほどストーリーを考えられるなあと感心する。平岩さんは天才なのに違いない。
-
シリーズも4作目になるとこなれてきて読むのが楽です。るいと東吾も相変わらず公認で仲良しで(笑)。
『人は見かけに』は、少しほっとできて良かったです。 -
4巻目も順調に読了。
源さん、格好いいのになぜもてないのだろう。
せっかく少しラブの気配があったのに・・・
それもネタでしかなかったとは。
東吾も格好いいのでしょうが、
私は源さんのほうがいい男だと思います。 -
御宿・かわせみシリーズ。第4巻。山茶花は見た・女難剣難・江戸の怪猫・鬼女・鵜を飼う女・ぼてふり安・人は見かけに・夕涼み殺人事件。
畝源三郎が女に惚れられる「女難剣難」、弱い婿養子と強い家付き娘のボタンがかけちがう「鬼女」、事件解決のために東吾が体を張る「鵜を飼う女」、通之進が何気においしい役回りの「人はみかけに」、後味が強烈な「夕涼み殺人事件」など。
あらためて、岡場所や妾、夜鷹などの風俗系だったり、与力や目付、将監といった役所系など、いろんな江戸時代用語に詳しくなれる。ぼてふりやすあかなど、文化や日常も目に見えるようで吸い込まれる。キャラクターたちには大した変化はない。それはそれで安定していい感じ。 -
0607
-
O 4 御宿かわせみ