新装版 御宿かわせみ (9) 一両二分の女 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167168902

感想・レビュー・書評

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  • 面白くて読みやすくて切なくて愛おしくて、大好きなかわせみシリーズを再読中。
    白藤検校の娘さんが心に残った。

  • このシリーズの登場人物たちはよく「ぼんのくぼ」をかく。ドラマなんかではこんなしぐさを見たような気がするけど、現実に人がこういうことをやるかと言うと私も含めてやらない、、、たぶん。

  • 手堅い。ものすごくおもしろい、という訳ではないがはずれがない。それぞれの題材が面白い。
    『一両二分の女』が興味深かった。安囲いの女というのははじめて聞いた。メモしておこう。『川越からきた女』はちらっとお医者の先生が再登場。『黄菊白菊』は嫌い。虫唾が走るレベル。『藍染川』も一見切ない終わりに思えるけど、やらかしたことを思い出すとあまり可哀相とは思えなかった。まあ一番悪いのははっちゃけた旦那さんだ。でも、すごく印象に残る話。

  • このシリーズに慣れてきたのか、東吾とるいの甘々しい場面も気にならなくなりました^^  早く二人夫婦になってしまえばいいのにと思いますが、東吾の兄夫婦に子どもが出来ないと無理なのでしょうね。
     この巻は表題作『一両二分の女』をはじめ、『昔むかしの』『藍染川』など、物哀しい終わり方をする話が多かったです。

  • 人の心は順風に帆を上げると、苦しい昔がどんどん遠くなる。
    なるほど。

  • 御宿かわせみシリーズ。第9巻。むかし昔の・黄菊白菊・猫屋敷の怪・藍染川・美人の女中・白藤検校の娘・川越から来た女・一両二分の女。若気の至りで済まないぼんくらたちの悪事を見事にまるく成敗するが心の傷は消えないのが痛ましい「黄菊白菊」、ちょっとしたトリックが楽しめる「猫屋敷の怪」、かわせみに色目を使う女中がやってきた「美人の女中」、人の情けを仇で返す人もいれば、善意の空回りが世の常を感じる「白藤検校の娘」、ホラーな結末がぞっとする「一両二分の女」など。江戸の雇用方法も現代に通じるものがあるんだな、と思ったり、身分の差だけでなく貧富の差も加わって世知辛かったり、人情の薄れた江戸も中にはあることがしんみり。かわせみの周辺は思いやりが溢れていて結束もあって、やっぱり人のためを思う心がいい循環を生むんだな、とストーリー以外に感じるものがある。

  • O 9 御宿かわせみ
    七重にもるいにも気をかけたからであった。そういうことに関しては東吾はいささか潔癖すぎる男である。
    …えっ、そうだっけ。そうだっけ?

  • おなじみの『御宿かわせみ』シリーズ第9弾。
    久しぶりにシリーズ初期の作品を読んでみると、東吾さんとるいさんのやりとりもなんとなく初々しい。シリーズに共通して言えることだが、江戸の人々の悲喜こもごもが見事に描かれていて、決してハッピーエンドの話しばかりでないのが人の性を感じさせる。
    かわせみシリーズは全て読み切りの短編なので、電車の中や昼休みなど、時間がこま切れでも読み切れるのがうれしい。

  • ・むかし昔の
    ・黄菊白菊
    ・猫屋敷の怪
    ・藍染川
    ・美人の女中
    ・白藤検校の娘
    ・川越から来た女
    ・一両二分の女

  • 御宿かわせみシリーズ「むかし昔の」「黄菊白菊」「猫屋敷の怪」「藍染川」「美人の女中」「白藤検校の娘」「川越から来た女」「一両二分の女」の8編で、どれも不満なし。マンネリを越えて定着し、江戸が生き生きと描かれている。乗ってきた時期なんでしょうね、期待を裏切りませんでした。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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