私の引出し (文春文庫 よ-1-30)

  • 文藝春秋 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167169305

みんなの感想まとめ

心に響くエッセイが詰まった本は、著者の深い洞察と豊かな経験が伝わってきます。特に、年齢を重ねることで見える新たな景色や心の安らぎについての考察は、多くの読者に共感を呼び起こします。著者自身が語るように...

感想・レビュー・書評

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  • 吉村昭氏のエッセイは、本当に読みやすく、一つ一つの文章がスッと入ってくる。

    この本のエッセイも、どれも興味深く頷きながら読んだ。

    特に心に響いたのは、むだにお飾りはくぐらないの一説。

    それぞれの分野に身を置くものは、その分野での偉い人がいると身がすくむ…自分の分野ではない偉い人がいても全くひるまないのに。
    確かに、思い当たる…
    しかし、著者は、55歳の誕生日を過ぎてから、わずかに身がすくむ度合いが減ったと書いている。
    『年齢を重ねると見える範囲も深みを増し、気持ちも安らいでゆくのではないか、と思うようになった。心安らかに日々を過ごすことができるようになれば、それはまさしく円熟の境地というものなのだろう。』

    うーん、深いなぁ。

    自分自身が歳を重ねて、確かに若い頃には見えなかった景色が見えるようになった。
    若い頃は、あんなにわかってなかった、と。
    それでも、今の若者に遠慮?のような気持ちにもなる^^;
    まだまだ、これから円熟するのを期待笑

    今、老人に対して、老害という言葉をよく聞くが、円熟した老人になりたい。

  • 吉村昭の随筆。長編小説を書き上げるまでの経緯、
    そして身近でおきた出来事、食べ物の話などが書かれている。
    彼が小説を書き上げる場合、現地に赴き、現場に居合わせた人びとの話を聞いて
    ドキュメント風の小説を書き上げたそうです。
    その真摯な態度に心うたれます。
    その他の随筆でも簡潔で大変読みやすい、いい作家でした。

  • 2014.11.6(木)¥130+税。
    2014.11.29(土)。

  • 古本で購入。

    吉村昭が書いてきた小文を集めたエッセイ集。
    掲載元は新聞、文芸誌、医学・薬学雑誌、食の雑誌と、実に様々。
    仕事にまつわるあれこれに健康の話、日々のエピソードなどなど、著者のいろいろな面が見えてきて楽しい。

    中でも食についての話は印象的。
    「長年培った勘で、初めて行った土地でもうまい酒と肴を出す店を必ず見つけられる」
    と豪語する吉村昭。
    読んでいると無性に腹が減ってくるので、読むタイミングには注意すべし。

  • 彼の作品は取材ものが多いのでその裏話のエッセイは読みごたえがある。
    どのようにして資料にあたるか。資料の提出をいただいた方との交友などそれ自体が一つのドラマである。
    また文章化されない歴史の事件への彼の思いというのもこうしたものを通じて知ることができる。

    他に彼の生い立ち。何度か病気にあい克服にタイヘンな苦労をされたことや戦後の混乱のあれこれも興味深い。

    最後は食べ物についてあれこれ書かれているのだが、そうした細かい話も面白い。たくさんの引き出しを持っていた方だと改めて分かる。

  • 戦史小説を書かれた吉村さんのエッセイ集。
    取材時の裏話などが紹介されているが、まさに事実は小説より奇なりといいたい。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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